【体験談から】ベランダ菜園のメリット・デメリット・おすすめの作物

野菜や果物を育てたい。でも狭いマンションじゃ無理だな、どこか農地借りないとと思っている方へ。ベランダ菜園という手がありますよ。

管理人も実際にマンション暮らしで、ベランダ菜園をしています。それでいてブルーベリー、いちご、ほうれん草を育てています。

【ベランダ菜園のメリットとデメリット】

マンションなどでのベランダ菜園には、思わぬメリットがあります。

●日当たりが「ちょうどいい」!?

 まずマンションベランダは高い位置にあるので、目の前を遮る物が少ないです。朝の陽ざしなども100%入ってきます。

 意外だけどスゴイメリットは、要らない日差しは入ってこないこと。どういう事かというと、真夏の昼ぐらいにある、真上からの強烈な日差しです。これは上の階のベランダだったり、ひさしだったりがあるので遮られるのです。よく日差しに弱い・高温に弱い植物が真夏の日差しでやられてしまいますが、この心配は少ないです。

 暑さがあまり問題にならない春や秋や冬は、今度は日差しがよく当たります。暖かくあってほしい、必要な時はちゃんと日差しが届くのです。これって結構植物にとって優しい環境なのです。

 ただし・・夕方の西日は普通に入ってきます。これだけは対策必要でして、西隣にエアコン室外機や壁がある状態がベストです。

●虫の害が少ない

 これは経験がある方多いでしょうが、同じ地域でも平屋と高層階では、全く虫の数が違います。ベランダ菜園にとっても、害虫が少ないので手間がその分減るって事です。農薬の回数だって減らせますよ。

●害獣が少ない

 想像がつくかと思いますが、高い位置にあるマンションベランダに害獣は登ってこれません。例えば、果樹全般を食害するヌートリアやハクビシン、地面を掘り返してしまうイノシシなどは心配ゼロになります。平地の農地で必要な電気柵やフェンスは、設置不要なのです。これって結構でかいです。

 ただし・・・鳥は普通にやってきます。果樹が大好きなヒヨドリ・ムクドリ・カラスなど。その為「鳥よけネット」「CD吊り下げ」などは必要になってきます。逆にいうと、鳥対策だけでよくなるのです。

【ベランダ菜園しやすくするための工夫】

ベランダ菜園するための注意点・よりしやすくする工夫はこちらに沢山書きました。

【転落・崩落注意】ベランダ菜園で起こる問題(耐荷重その他)と解決策
マンション住まいでも家庭菜園したい!とれたての果物・野菜を食べたい!子供の食育に育てたいって方。ベランダならではの問題点は気を付けてください。  ※ベランダ菜園できるものとして、意外とブルーベリーもOKです。しかも全自動化できます。その例を...

【ベランダ菜園に向く植物の例】

 ベランダ菜園できる植物は、現実的には限られています。もちろんベランダならではのメリットを活かせる植物も多いです。

【ベランダ菜園しやすい植物の例】
●大木にならない果樹(ベランダ耐荷重・ベランダを占領されるとやっかい)
●野菜全般(大きくならない)
●平地だと虫に食われてしまう植物(ベランダは害虫少な目)
●平地の獣害が多い植物(ベランダ菜園にヌートリアやハクビシンは来れない)
●乾燥地が原産の植物(ベランダ菜園は雨が当たらない為)

育ててみると解りますが、重量は圧倒的に野菜<<果樹です。果樹は木になってしまうので大きくなりますし、実のならない冬などでも存在しつづけるので大変です。

ベランダ菜園は乾燥地と似ています。だからミカンやトマトといった乾燥地原産の植物は難易度が低くなり、向いています。またベランダ菜園ゆえのメリット・デメリットは地植え栽培とは全然違いますので、注意して下さい。

<(南向きの)ベランダ菜園におすすめの植物の例>

●ブルーベリー:どんな大木でも2m前後。重量も成木で12Kg~20Kg弱(余程の大木になっても)くらい。平地よりも鳥にみつかりにくい。平地だとヌートリアや猿やハクビシン、アライグマなどに狙われやすい植物だから、大きなアドバンテージ。ただし冬の落葉だけは注意したい。

●ブラックベリー:やはり低木で、成木でも軽い。夏の暑さにとても強いので、真夏の高温コンクリート地面でも大丈夫(勿論、床にはスノコなど敷いて断熱すること)。

●温州みかん:柑橘系なので元々雨に弱く、暖かい気候が好き。その為雨が掛からないベランダ菜園は好適。日差しが大すきなので南のベランダに向く。落葉しないので迷惑もかけない。アゲハ蝶・アブラムシ以外の害虫は少ないし、鳥もあまり狙わない。地植えでも樹高1.8m程度なのでベランダにも収まる。

●トマト:メキシコの乾燥地原産なので日差しが好き・雨が大嫌い。雨が掛からず日差しも強い南ベランダは好適。地植え栽培ではわざわざ雨除け必要な位の雨大嫌いなので、裏を返すと水やりも少なくてよく楽。育てやすいのはプチトマトだが、寒冷地なら桃太郎トマトでも良い。

●小玉のスイカ:スイカ自体が難易度は高めだが、ベランダのスペックをいかんなく発揮できる。ナミブ砂漠原産なので日差し大すき・雨が大嫌い。雨の掛からない、日差しが強い南ベランダは最適地。砂漠原産ゆえに高温のコンクリ地面の上でも大丈夫。小玉スイカなら「あんどん仕立てで縦に伸ばせる」ので、狭いベランダ菜園でもラクラクつくれる。縦に伸ばして、スイカの実をネットして吊るす「空中栽培」だと失敗が少なくておすすめ。

・・・ベランダ菜園で果樹をやるなら、ブルーベリーがオススメです。管理人も実際に、ベランダで3本育てていますがメリットだらけです。

 あと楽なのは落葉もせず実がポロポロ落ちる事もなく、肥料も殆ど要らないみかんです。実はベランダのメリットを一番うまく活かせる上にデメリットも殆ど無い、隠れた優等生だと思っています。管理人は実家で3本地植えしていますが、ベランダ菜園には一番おすすめです。

<南向きでない(日当たり悪い)ベランダで育つ植物>

 ・・基本植物は日当たりが必要ですが、北ベランダのような半日陰でも育つものはあります。もし北向きベランダしかなくても諦めないで。

●ラズベリー:ブルーベリーよりも低木で小柄になる。平地で問題になるハダニやシラミの害がベランダでは少ない。涼しい日陰が好きで暑さ苦手なので、北向きベランダのほうが却っていい。暑さに強く実りの多い「ヒンボートップ(味が薬くさいのが欠点)」「ヘリテージ(種が大きいのが欠点)」あたりが現実的か。

●ほうれん草:逆に南向きベランダでは日差しが強すぎて、寒い国産まれのほうれん草には酷。ちなみにほうれん草➡玉ねぎ➡スイカ➡ほうれん草・・と輪作するのが病害虫対策にもなり良い。管理人は北のベランダで、8月末~10月中旬に夏まきほうれん草を育てている。

●ねぎ:日なたでは逆に乾燥して枯れやすい。じめっとした日陰が好き。

●いちご:真夏の直射日光は大敵。西日が当たらないように。ただし春先~収穫期だけはどうしても南向きベランダが良い(糖度が増すため)。10月~11月の植付時にネギと根っこ絡ませて同時植えすると、ネギが病気を減らしてくれて好相性(つまり、コンパニオンプランツ)。こうすることで病気を阻止し、普通はできないイチゴ連作を可能にするのでオススメ。

【ベランダ菜園に向かない植物の例】

反対に、ベランダ菜園してはいけない植物もあります。

【ベランダ菜園しにくい植物の例】
●大木になってしまう果樹(殆どがダメです)
●重量が重くなる
●面積が沢山必要

例えば、これらはベランダ菜園はオススメしません。

●キウイフルーツ:病害虫も少なく、野生動物も殆ど被害が無い(管理人は平地で2010年から育てているが被害なし)。つまり元々が強い為ベランダのメリットは生きない。つるが生い茂って大変だし、晩秋の落葉が凄く迷惑をかけてしまう。加えて広い面積が必要で、雄雌1本ずつ必要。・・・よってベランダのメリットは無く・ベランダの狭いデメリットが致命的。平地の広いスペースで、何本も植えて育てるべき。

●ぶどう(場合によってはOK):キウイフルーツと同じでつるが生い茂って大変に。落葉もする(葉っぱは大きくて少ないので回収し易く舞いにくいが)。でもデメリットはこの位。中東原産なブドウにとって、雨の当たらず日当たりのいい南ベランダは好適だったりする。実際にベランダで糖度20(!)のシャインマスカット収穫した人も居る(外部リンク)。

●りんご・なし:大木になって重量が凄いので、ベランダ耐荷重的にNG。いざ退去ってときにどかせず、とてもタイヘンな事に。元々の難易度がかなり高い上、りんごは本州だと高冷地か青森県以外ではまず暑すぎて向かない。

●梅・あんず:2mをこす大木になる。9月末の落葉(台風シーズンに細かい沢山の落葉するのが致命的)、でかなり後始末が大変に。ベランダ菜園になったとたんに難易度が跳ね上がる。

●ポポー:暑さ寒さとも強く、害虫も殆どいないが鳥だけは食べる。しかもりんご以上の超大木に育つのでマンションベランダでは手に負えなくなる。大木の割に収量も少ない。

●なす:インド・パンジャーブ原産なので日本の夏の蒸し暑さは大好き。でもベランダは雨が当たらないので毎日の水やりが大変。害虫のカメムシは、マンションでは発生し易いので致命的。雨の当たる地植えでは育てやすい・コスパのいい植物の代表なのだが・・・。

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