配当貴族(≒配当チャンピオン)の損切はやめよう!!

分析方法

配当チャンピオン(≒配当貴族)を損切する・しない どっちがオトク?

質問です。あなたは保有銘柄の株価が20%以上暴落したとき、損切りしますか?それとも損切せずホールドしますか?

・・・結論をいうと、損切するとより損します。私が追跡可能な79銘柄すべてを調べたところ、20%以上株価が下落した銘柄はこれだけありました。その20%以上下落銘柄の、損切の有無でリターンはこうなりました。

CompanySymbolSector連続
増配
年数
配当
利回り
PER10年
リターン
損切時
リターン
(参考)
10年リターン
再投資無
Altria Group Inc.MOConsume
r Staples
435.7217.1823262076.1312222.206
Archer Daniels MidlandADMConsumer
Staples
362.329.2426901363.4412527.049
AT&T Inc.TCommunication
Services
286.0714.7114281221.7341411.455
Black Hills Corp.BKHUtilities414.4622.4325902223.3992462.811
Colgate-Palmolive Co.CLConsumer
Staples
482.5418.3721101443.8092037.112
Consolidated EdisonEDUtilities374.0416.0216331491.6911557.672
Diebold Inc.DBDInformation
Technology
583.71-35.92576629.6104628.7928
Dover Corp.DOVIndustrials562.2912.7829881286.7632809.922
Emerson ElectricEMRIndustrials553.0615.9325791119.7522390.067
ExxonMobil Corp.XOMEnergy292.349.71996630.2151992.9637
Federal Realty Inv. TrustFRTReal Estate443.1237.9516811144.2881639.872
Franklin ResourcesBENFinancials311.0711.7013881213.2821349.909
H.B. Fuller CompanyFULMaterials421.3013.5632311952.5073148.857
Illinois Tool WorksITWIndustrials483.1711.4258043018.35426.846
Leggett & Platt Inc.LEGConsumer
Discretionary
405.0018.8129451841.952753.385
NACCO IndustriesNCEnergy262.684.56383723.6247423.4835
National Fuel GasNFGEnergy412.4518.751233830.82481197.805
Northwest Natural GasNWNUtilities563.7819.5314811203.2591433.29
Parker-Hannifin Corp.PHIndustrials541.7912.2544681341.8484215.155
Pentair Inc.PNRIndustrials362.3117.6123151567.1832249.156
Pitney Bowes Inc.PBIIndustrials297.948.96750632.1467758.1985
Raven IndustriesRAVNIndustrials251.2023.351569833.7711503.625
Stanley Black & DeckerSWKIndustrials442.5117.2234491965.6053258.728
Stepan CompanySCLMaterials441.3813.5035521026.2233429.371
Telephone & Data Sys.TDSCommunication
Services
371.7412.9112171208.4541207.678
Tennant CompanyTNCIndustrials391.6221.2022821501.6362236.419
United Bankshares Inc.UBSIFinancials384.6416.1917591443.7621673.704
Universal Corp.UVVConsumer
Staples
414.1415.482089654.08441619.687
W.W. Grainger Inc.GWWIndustrials401.4121.0927531136.3812616.819
Wal-Mart Stores Inc.WMTConsumer
Staples
372.4812.4827561102.8162592.436
Washington REITWREReal Estate396.3821.0913621056.8011303.937
Weyco Group Inc.WEYSConsumer
Discretionary
292.6018.821115794.38041123.747
21721302.49

どうでしょうか?何と損切が得だった事例が殆どありません。損切したほうがよかった銘柄は3銘柄ですが大差がついたのはNACCOだけ。他は損切無し・再投資のする「10年リターン」にボロ負け。「株価が20%以上下落した銘柄」を平均すると、損切なしで2172USD、損切ありで1302USDです。つまり損切することで、40%も損をしているのです。もっといえば株価下落時というのは、絶好の買い増しチャンスだったとすらいえます(その根拠は、次の項に書きました)。

世間一般には『損切は被害を拡げない為に必要だ』などと言われていますが、私の検証では真っ赤なウソでした。

※損切がダメなもうひとつの理由

シーゲル博士の著書にはやや婉曲なのですが、「配当再投資」の項で触れています。そしてこんな言葉も残されています。『下落相場といえば、投資家心理にはこたえるが、長期投資家には、利益をもたらす』・・・つまり長期投資するのなら、下落しても売るな・再投資しろって事なのです。

そして下落が長期投資家に利益をもたらす証拠を、こちらに載せます。検証しているIVVは何を隠そう、あのS&P500指数と連動するETFです。つまり管理人が都合のいい一部を切り取ってきたのではありません。このIVVを、毎月1000USDずつ積み立てるとし、「暴落アリ」「暴落無(リーマンショック・コロナショックあり)」の2パターンを検証します。

暴落がない場合のリターン

まず暴落がなく、順当に右肩上がりに成長し続けた場合です。株価は奇麗な右肩上がりと仮定しているので直線です。株数も、放物線になっていますね。投資額は198,000USDなので、最終リターン377,549USDというのは倍増以上したって事です。さすが米国市場ですね。

こちらはリーマンショック・コロナショックでIVV株価が20%以上下落しています。投資家としては財産が急減して、堪えたことでしょう。しかし・・・投資額198,000USDは、何と3倍超の561,379USDに膨らみました。長期投資家としては、リーマンショック・コロナショック万歳だったのです。これをリーマンショックで20%以上下落したから損切・・・となったら、どうなのでしょう?管理人が「絶対損切するな!!」と強調するもう一つの、動かぬ証拠です。

【結論】
●配当チャンピオン(≒配当貴族)に限らず、下落したからといって損切するな!!
 (むしろ下落はお買い得だった、というケースが遥かに多い)

【管理人の実体験】
●管理人は2020年4月のコロナショックで、株価暴落➡損切した銘柄が以下にあります。
 〇HSBC:40USD取得×100株保持してた。55%下落して損切
 〇RDS B:52USD取得×52株保持してた。55%下落して損切
 〇WBK:19USD取得×200株所持してた。50%下落して損切
その全てが、(私の損切した5か月後の)9月には元値回復してしまったのです。ものすごく痛い目に遭ったわけですが、そこで『20%下落したら損切しろ!』『連続増配途切れたら売れ!』ってウソなのでは?と思ったものです。
●それでウソか真か確認したくて、シーゲル博士の『株式投資の未来』『株式投資 第4版』の2冊を購入・隅まで読みました。また自分の眼でも確かめたくて、10年前のすべての配当チャンピオンを調べ始めたのです。(優に100時間は作業しました。1日4時間以上×20日以上はかかりましたから。4時間というのは朝早起き・昼休憩1時間全て・夜更かしをすれば確保できますよ。しんどいですけど・・)

・・・実はこの『長期投資家にとっては、暴落のある現実の方がずっといい』という事は、私ではなくジェレミー・シーゲル博士が見つけ出した法則です。この『株式投資の未来』の第3部第10章「配当再投資」の中で、はっきりと触れられています。そして私の検証の通り、その暴落というのは損切すべき時では断じてなく、何と買い増しするべきだったタイミングでした。

配当チャンピオン(≒配当貴族)の連続増配年数とリターン

今度は配当チャンピオンの2011年末時点での連続増配年数の長さと、5年後のリターンを比較したいと思います。

明らかに、連続増配年数が長いほど、リターンがよくなります。こんなのたまたまでは?と思うかもしれないので、こんどは10年後リターンをのせます。

今度も同じく、連続増配年数が長いほど高リターンです。しかも、さっきよりも差が大きくなっているの解るでしょうか?

世の中で「配当貴族(連続増配25年以上でS&P500採用)より、配当王(連続増配50年以上)のほうがリターンがいい」などと言われていますが、全くその通りです。

今度は配当チャンピオンではなく、市場全体VS連続増配10年以上に企業で比較してみます。前者はS&P500指数、後者はVIGというETF(連続増配10年以上の企業で構成されるファンド、時価総額が大きい企業ほど寄与度が大きい)です。

これは2006年(VIGの設定年)~2021年6月のトータルリターン推移です。連続増配10年に絞っただけで、年率リターンが1.3%も上昇。最終リターンも2800➡3300と、大幅に増えております。

ということは、配当チャンピオンに限らず、少しでも連続増配年数が長いほどイイって事なんです。

【結論】
●配当チャンピオンに限らず、連続増配年数が長いほど、リターンは良い。

実は超長期で・米国株全体でで『高配当ほど高リターン』であることをつきとめたのは、ジェレミー・シーゲル博士でした。この著書『株式投資の未来』のなかでも触れられています。

【配当チャンピオンの10年検証から見えたこと】

配当チャンピオン(≒配当貴族)は、そうでない銘柄よりもリターンがよくオススメ!

配当チャンピオン(≒配当貴族)にかぎらず、配当金がでたらすぐに再投資せよ!!

配当チャンピオン(≒配当貴族)に限らず、下落したからといって損切するな!!

配当チャンピオンに限らず連続増配年数が長いほど、リターンは良い

「2011~2021年」・「配当チャンピオン」に限ると、配当利回りの高さとリターンは逆の関係だった。
 ・・しかし「超長期間」・「全銘柄」でみると、やはり配当利回りの高さがリターンの高さにつながる。

「2011~2021年」・「配当チャンピオン」に限ると、PERとリターンは無関係
 ・・しかし「超長期間」・「全銘柄」でみると、やはりPERの低さがリターンの高さにつながる

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