個人的に「アンサングシンデレラ」(病院薬剤師のドラマ)延期が決定して、がっかりしております。
【私を胃潰瘍にしないで!】
薬飲んでくれないとき、不安がる患者さんを説得にいきます(前のブログでも紹介の通り)。

私、膝痛いだけです。なんで胃潰瘍の薬なんですか?
(ランソプラゾールOD錠15㎎の事)

たしかにランソプラゾールは、胃潰瘍の薬ですよね。
これ、胃潰瘍じゃなくて出るんですよ。

どうして?

膝痛でロキソニン飲まれてますよね。
このロキソニンで胃が荒れない為に、予防的に飲むんです。
結構このパターンが多いです。でも説得しないと、患者さんはランソプラゾールを飲まない➡ロキソニンで胃潰瘍を起こす➡重症化する場合が多いです。
薬剤師の声として;最初から、「新しい薬でたら薬剤師が、交付しつつ説明できる」のが理想です。でも薬剤師不足なので、できないです。できないと、こうやって患者さんは不安がる➡看護師さんを呼びつけてロス➡薬剤師も急に呼ばれる
となるので、非効率なのです。
【薬が白濁したよ、なんで?】
鎮痛剤で「ソセゴン」っていう注射薬があります。注射薬なので、ガラスバイアルに入っています。


〇〇さん(患者名)にソセゴンうったら、白く濁ってしまって。どうしてですか?

ええ~、聞いたことないよ何それ~。
解らない➡とりあえず「添付文書」or「インタビューフォーム」を開く。すると
効能又は効果/用法及び用量
下記疾患並びに状態における鎮痛各種癌、術後、心筋梗塞、胃・十二指腸潰瘍、腎・尿路結石、閉塞性動脈炎、胃・尿管・膀胱検査器具使用時通常、成人にはペンタゾシンとして1回15mgを筋肉内又は皮下に注射し、その後必要に応じて、3〜4時間毎に反復注射する。
なお、症状により適宜増減する。 by PMDAサイトより

どうやって投与しました?
皮下か静脈にワンショットで打ちましたか?

いえ、ハルトマン輸液の点滴から、側管で入れました。

それですね。ハルトマンとソセゴンが酸アルカリ反応おこして、結晶化したんですよ。ソセゴンは新しいの打ち直し、点滴管は新調して。
次回から、ソセゴンは必ず静脈か皮下にワンショットで。
薬剤師は、時には化学者になります。この場合、こうでした。
●ハルトマン輸液➡pH8のアルカリ性
➡混合すると、酸アルカリ反応。ソセゴンの成分が不溶性になるので、粉となって沈殿(=白濁)する。
➡だから添付文書に、ソセゴンは皮下か静脈に(ワンショット)静注と記載有
【コラム:高い薬?その2】
最近(2006年あたりから)、冗談のように高価な薬が出回っています。

エンブレル注25㎎。1本15542円!

1年間薬価は、52週×週2本×15542円で
161万6368円!

前ブログでも初回の通り、「分子標的薬剤」という仲間は、非常に高価な薬なのです。ちなみに従来の薬は「低分子薬剤」といって、そこまで高価ではありません。
エンブレル注は、2018年に世界3番目に売れた薬でもあります。

だけどエンブレルは、バイオ後続品(バイオシミラー)が存在します。「エタネルセプト注25㎎「ファイザー」」は、1本8742円です。1年間で、90万9168円。

なんと44%、70万円も削減できます!

「バイオ後続品」の認定は非常に厳しい試験クリアの証です。
品質も保証付きです。
安いのに、品質保証はバッチリ。その為国は、全力で後発品・バイオ後続品を推進している所です。僕も薬剤管理するため、バイオ先発品➡バイオ後続品の切り替え症例をいくつも、みてきました。今の所、「バイオ後続品のせいで副作用起きた!」という事例をみていません。
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