影が薄すぎて、絶対ドラマにならなそうだった「薬剤師」、ついにドラマに登場！
でも良くこういわれます。
薬剤師さんって、院外薬局だけじゃね？院内いたっけ？
ちゃんと院内にもいますよ～！何しているか、解りにくいからいないと思われてるんでしょうね。
【よくある飲み合わせ注意】
たとえば施設入所の高齢者の方は、普段から高確率で「酸化マグネシウム」を飲んでいます。
その人が、尿路感染症をおこした。(オムツ着用が殆どなので、尿路感染症も頻発)すると、よくでる抗生剤が
レボフロキサシン錠500㎎。これ、飲み合わせアウトなんです！
じゃあどう対策するのかというと、以下の3パターンあります。
＜対策1＞Drに連絡し、レボフロキサシンを別の抗生剤に切り替えてもらう
＜対策2＞Nrsに連絡し、酸化マグネシウムを一旦取りやめてもらう
＜対策3＞Nrs連絡し、レボフロキサシン・酸化マグネシウムの服用時点を2時間以上あけてもらう
一番多いのは3です。たいていレボフロキサシンは朝食後なので、酸化マグネシウムをその2時間後にのませてください、とNrs連絡します。
●レボフロキサシン錠は、Mg、Feといった2価・3価の金属イオンとくっつくと吸収できなくなる
●酸化マグネシウムは、分子式「MgO」でMgを含む
➡だから一緒にのむと、レボフロキサシンは効かず尿路感染症が治りにくい
【命の現場で感傷的になることも】
病院は命の現場であり、薬剤師もやっぱり関わります。「薬の説明のためには病気の基礎知識・その患者さんのバックグラウンドも知らないとダメ」とは、書いてきた通りです。そのバックグラウンドを見ていくと、どうしても感傷的になることがあります。
先日、まだ若いがん患者さんがみえました。みつかった時点で手遅れ(ステージ4)の、大腸癌でした。重症の例にもれず、検診ではなく、体調不良の受診でみつかった方でした。
癌性疼痛が出ていた為、麻薬の管理も僕がしていました。麻薬導入してもあまり抵抗なく、スムーズに指導できました。最初は抗がん剤も打てていました。
時々くる家族と、病室では穏やかそうにしていました。愛想のいい方でした。
でも、ある時口腔カンジダができました。カンジダを境に体力が落ちて、抗がん剤もうてなくなりました。ステージ4で抗がん剤できないのは、治療できないのと同じです。それから麻薬が増えていきました。
麻薬増量の説明に訪室していましたが、だんだん表情曇って、喋りたくない雰囲気がでてきていました。いつもしていた雑談も、だんだんできない雰囲気になりました。
穏やかなこの方が、豹変して当たり散らすようになったのも、この後からでした。毎日お見舞いに来る家族も、当たられて、廊下で泣いてるのよく見かけました。
（なんで豹変したんだろ？抗がん剤打てず時間がなくなる焦りなのかな？それとも麻薬増量でのせん妄なのかな？）
（家族も、あんな穏やかだった〇〇さんはどこ行ったんだろうって、辛いだろうな）
この方は最後、麻薬の持続点滴をやり、苦しさは麻薬では取れないので鎮静剤を併用し、最後は眠ったまま亡くなりました。ひとが衰えて、亡くなっていくのも病院の現場です。こういう時に、傷ついた遺族にどう声かけすればいいのか、まだ分かりません。
僕たちは薬剤師なので、薬から進行度なども解ります。
抗がん剤点滴と、フィルグラスチム注射も出ている。治療できているから、元気に喋れるな
抗がん剤が打ち切られた。体力と白血球おちてるな。
鎮静剤の持続点滴が出ている。あと数日だろうな。
【コラム：高い薬？】
最近(2006年あたりから)、冗談のように高価な薬が出回っています。
ヒュミラ皮下注ペン0.4㎎。1本61000円！
1年間薬価は、52週×隔週1本×61000円で
158万6000円！
こんなの序の口です。これは「分子標的薬剤」という仲間で、これは2006年あたりから出回っている薬なのです。ちなみに従来の薬は「低分子薬剤」といって、そこまで高価ではありません。
ちなみにこのヒュミラ、2018年に世界一売れた薬でもあります。
ぼく個人的な話。高い薬をみると、製薬会社名を気にしてしまいます。それで製薬会社IR情報を、調べてしまうクセがあります。
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