当サイトでおすすめしている高配当ETF銘柄の「VYM」について。現時点での最新構成銘柄も記載しました。
そもそもどういうETF銘柄?
定義は、FTSEハイディビデンド・イールド指数(平均以上の利回をだす400社程度で構成される指数)で構成されたETFです。
構成内容は、ほぼ100%が株です。
※当サイト各所で
長期リターンは株>>長期債券>短期債券>金>現金
リスクも株が最小
とお伝えしているので、株100%投資のETFは強くオススメしています
経費率は現在、0.06%となっております。最も安くて効率的と言われる投資信託eMaxis Slim米国株式(S&P500)の0.0968%よりもさらに安いです。かりに90株=約100万円分もっていたとして、1年で600円の維持コスト、ほとんどタダみたいなもんです。
その構成業種(セクター)は?
エネルギー、ヘルスケア、生活必需品で全体の41%と、そこまで大きくなく偏り少な目です。
これまでのシーゲル博士の統計から、市場平均を上回ってきたセクターは「ヘルスケア」「生活必需品」「エネルギー」「情報技術」「一般消費財」で、62%を占めています。逆に平均を大きく下回った「素材」「電気通信」「公共事業」は16%と少なくなっています。セクターでみても、成長性は平均以上と考えてよさそうです。
主な構成銘柄は?
【構成銘柄表の見方】
●Symbol =ティッカー
●Total Net Assets =構成割合
●Sector =セクター(GICSの業種11分類に基づく)
●Yrs =連続増配年数
●P/E =PER(現在の株価÷一株利益EPS で算出)
●S&P500採用 =現在のS&P500に採用されているかどうか
Company | Symbol | Total Net Assets | Sector | セクター | Yrs | Yield | P/E | S&P500採用 |
JPMorgan Chase & Co. | JPM | 3.9% | Financials | 金融 | 10 | 2.3% | 12.2 | S&P500 |
Johnson & Johnson | JNJ | 3.6% | Health Care | ヘルスケア | 59 | 2.6% | 28.8 | S&P500 |
Procter & Gamble Co. | PG | 2.6% | Consumer Staples | 生活必需品 | 65 | 2.6% | 24.5 | S&P500 |
Bank of America Corp. | BAC | 2.3% | Financials | 金融 | 7 | 1.8% | 17.3 | S&P500 |
Intel Corp. | INTC | 2.2% | Information Technology | 情報技術 | 7 | 2.4% | 11.6 | S&P500 |
Comcast Corp. Cl A | CMCSA | 2.1% | Communication Services | 電気通信 | 14 | 1.8% | 24.6 | S&P500 |
Exxon Mobil Corp. | XOM | 2.0% | Energy | エネルギー | 38 | 6.1% | n/a | S&P500 |
Verizon Communications Inc. | VZ | 2.0% | Communication Services | 電気通信 | 16 | 4.3% | 12.7 | S&P500 |
AT&T Inc. | T | 1.7% | Communication Services | 電気通信 | 36 | 6.6% | n/a | S&P500 |
Chevron Corp. | CVX | 1.7% | Energy | エネルギー | 34 | 5.2% | n/a | S&P500 |
Cisco Systems Inc. | CSCO | 1.7% | Information Technology | 情報技術 | 11 | 2.9% | 21.3 | S&P500 |
AbbVie Inc. | ABBV | 1.7% | Health Care | ヘルスケア | 9 | 4.7% | 41.1 | S&P500 |
Coca-Cola Co. | KO | 1.7% | Consumer Staples | 生活必需品 | 59 | 3.1% | 32.3 | S&P500 |
Pfizer Inc. | PFE | 1.6% | Health Care | ヘルスケア | 11 | 4.0% | 30.9 | S&P500 |
Broadcom Inc. | AVGO | 1.6% | Information Technology | 情報技術 | 11 | 3.2% | 52.9 | S&P500 |
Merck & Co. Inc. | MRK | 1.6% | Health Care | ヘルスケア | 10 | 3.5% | 26.8 | S&P500 |
Walmart Inc. | WMT | 1.6% | Consumer Staples | 生活必需品 | 48 | 1.6% | 29.5 | S&P500 |
PepsiCo Inc. | PEP | 1.6% | Consumer Staples | 生活必需品 | 48 | 2.8% | 26.7 | S&P500 |
Eli Lilly & Co. | LLY | 1.5% | Health Care | ヘルスケア | 7 | 1.9% | 26.9 | S&P500 |
Texas Instruments Inc. | TXN | 1.4% | Information Technology | 情報技術 | 17 | 2.3% | 30.2 | S&P500 |
McDonald’s Corp. | MCD | 1.3% | Consumer Discretionary | 一般消費財 | 45 | 2.2% | 37.5 | S&P500 |
Qualcomm Inc. | QCOM | 1.3% | Information Technology | 情報技術 | 19 | 2.0% | 23.7 | S&P500 |
NextEra Energy Inc. | NEE | 1.3% | Utilities | 公共事業 | 27 | 2.0% | 35.9 | S&P500 |
Bristol Myers Squibb Co. | BMY | 1.2% | Health Care | ヘルスケア | 12 | 3.1% | n/a | S&P500 |
Citigroup Inc. | C | 1.2% | Financials | 金融 | 6 | 2.9% | 9.6 | S&P500 |
・・・VYMの構成銘柄をひもとくと、以下の①②の特徴が解ります。
①上位25社でも46%しか占めない分散性、②「バリュー株(割安株)の集まり」であること、③S&P500採用銘柄ばかりである事。②についてはそれは下記の分析からいえます。
<VYMの配当金>
VYMを構成する個々の銘柄でみても、配当利回りはやはり高めです(≒割安である)。このETF全体でもすでに高配当で2.7%前後(HDVの4.5%には適いませんが)あるので、当然といえば当然です。(S&P500は現在1.7%しかない)
しかも連続増配長めです。
「電気通信やエネルギーセクターの高配当銘柄」+「他のセクターはちょっと高配当の優良有名銘柄」で構成されていて、高配当が目立つHDV・SPDなどに比べると安定性重視している感じです。安定性重視といっても、S&P500平均よりもずっと高配当ですが。
(参考)高配当戦略が優れている理由は、こちらに詳しく記載しました。
(参考)最新の米国高配当株のリストはこちらです。
<VYMのPER>
VYMは採用銘柄のPERが(HDVよりも更に)低く、30以下の銘柄ばかりです。現在S&P500のPERが37,7であることを考えるとかなりの低さです。つまりVYMはガチガチの「低PER戦略」のための銘柄です。もちろんPERが低いほど、長期的なリターンは良くなります。
(参考)低PER株が優れている理由と検証について
・・・つまりVYMというETFは、この様に市場平均に勝つための法則をいろいろクリアしている、過去データをみれば優秀なETFなのです。
低PER戦略をとるならこのVYM、高配当戦略をとるならHDV、といった感じでしょうかね。
トータルリターン
ではVYMの近年のリターンを検証いたします。
【トータルリターン計算のルール】
●毎年12月1日クローズ時に、配当金を再投資する。
●再投資できる配当金は、税引き後とする(米国なら配当金の内72%を再投資にまわす)
●購入株数は、小数点以下でも購入可能とする(実際は無理だが、正確なリターンを出す為)
●経費率は含まない。※VYMは年0.06%
・・・構成セクター的には、ライバルのHDVにくらべて伸びにくいセクターばかりでしたが、リターンはVYMのほうが上でした。つまり低PER戦略>高配当戦略だった、とでもいえるのでしょうか。おなじく2011年末からのリターンを追うとこの通り、VYMは平均を大きく上回る素晴らしいETFでした。
しかもその上回り方も、いつもS&P500を大きく上回っています。今後も上回り続ける可能性が高いです。
2021年現在はS&P500が非常に割高で、それもGAFA・テスラといったグロース株の高騰が大きく寄与しています。これらはバブル崩壊する可能性だってあります(PERが高すぎる為)。。
(おまけ)設定以来の2006年末からのリターンを追うと・・・スゴイ!
・・・何と2006年末にVYMに投資した1000USDは、たった14年半で4.7倍。VYM年率リターンはS&P500よりも3.4%も良いという、超優良ETFだったのでした。
上記の理論がふんだんにかかれた参考書
【当てはまる方は要チェック】
●市場平均かそれ以上のリターンが欲しい!
●含み損で大切なお金を失いたくない!
●米国株の選び方がよく解らない!
●ろくに業務内容知らなくても、儲かる法則があるなら教えて!
コメント