【病院薬剤師】地味な仕事:先発品希望の方への応対例

病院薬剤師

地味で細かい仕事ですが、薬剤師を悩ませる課題の一つが「患者さんのどうしても先発品希望」ですよね。

そういう方への対処法を書きます。

主張:先発品・後発品での違いはほぼ有りません

当たり前の事を言いますが先発・後発での薬的な違いは、殆どありません。(後発品メーカーの回し者ではありません、利益相反もありません)

実際薬剤師の僕でも、後発品希望と言って薬もらってきます。薬剤師仲間もみんな、後発品希望の人間が多いです。理由は単純、効果は殆ど変わらず安くなるし、医療費削減に貢献できるからです。

流れ:院内採用の後発品について説明➡それでもダメなら先発品

病院の採用薬は「同一成分薬は先発・後発含めて1剤しか置かない」場合がほとんどです。

例を挙げます。病院薬剤部の場合、ゾルピデム錠剤の在庫は

 ●ゾルピデム錠5㎎「日医工」  だけですよね。

<比較> 調剤薬局の場合の在庫:
 ●マイスリー錠5㎎
 ●マイスリー錠10㎎
 ●ゾルピデム錠5㎎「日医工」
 ●ゾルピデム錠10㎎「日医工」
 ●ゾルピデムOD錠5㎎「日医工」・・・
病院だけこんなに在庫絞って、「ウチの病院は後発品の5㎎しかないよ」と言うのには訳があります。一つは院内は「内服」「外用」だけでなく、「検査薬」「輸液」「注射薬」「ワクチン」などと在庫が多岐にわたるため、いちいち用意していたら間に合わないからです。
(用意しすぎると在庫ロス=病院の赤字経営=地域インフラの存続にかかわります!!)
 
でもそんな中でなおかつ、「俺はマイスリー錠5㎎じゃないとダメなんだ!」と強い先発品希望となったら大変困るんですね。そんな強い先発希望の有った場合の、対処法はコチラです。
 
【強い先発希望の有った場合の対処方法】
●当院は後発品のみである旨伝える(採用薬は全て全医師との会合(薬事審議会など)で許可をえた後発品である事)
●同成分で、体に入ればほぼ同じ運命だと伝える
 ➡大抵はこれで後発品でいいよとなる

 

【それでもダメな場合の、奥の手】
①最小包装単位で購入➡全て持ち帰ってもらう方法
②退院翌日以降に、外来処方せん➡院外薬局でもらう方法

こんな風になります。見ていてわかりますがとっても地味な仕事です。患者さんに注射処置するとか、診断するとか、手術するとかといった「派手な目立つ仕事」にいっさい関わりません。むしろ反対の「地味で目立たない、感謝されない仕事」です。
 

それでもダメな場合の、奥の手例:こんな解決策があります

患者さんにはお手数かけることになります。

①最小包装単位で購入➡全て持ち帰ってもらう方法

例でいえば、マイスリー錠5㎎の持ち帰りをしてもらう場合。

<手順1>まず最小包装を調べます

マイスリ―錠 添付文書1ページ目 を引用

この添付文書のたいてい最後のページに、こんな感じで包装がのっています。

見ての通り、5㎎錠は「100錠包装」が最小だとわかりました。

<手順2>1日(または1回)の使用量を調べる。

この方の場合だと、「マイスリー錠5㎎ 1回2錠 不眠時頓服」とありました。

以上を合わせて考えると、
 「 (最小包装)100錠 ÷ (1回使用量の)2錠 = 50回分」

をだす必要があります。

<手順3>この処方は正しいのか?
そもそも、できあがる処方が正しいか検証必要です。処方は

マイスリー5㎎ 1回2錠 50回分

・・・これ、間違っていますよね?間違いって、向精神薬だからです。30回(または30日分)までしか処方できませんからね。

以上が「最小包装で買って、全て持ち帰る方法」です。この例では、向精神薬の回数制限に引っかかるのでNGでした。

②退院翌日以降に、外来処方箋➡院外薬局でもらう方法

もう一つは、外来処方せんをきってもらう方法です。

当日は院外処方せんを出せないキマリなので、翌日以降に院外処方せんをきってもらいます。

<手順1>患者さんの残薬を確認する
この例でいくと、マイスリー5㎎錠を手持ちで何回分もっているかと言う事です。たとえば4錠(2回分)持っているとします。

<手順2>外来受診いつすべきか伝える
この例でいくと、マイスリーは2回分もっています。つまり本日分、翌日分までです。

つまり翌日OR翌々日に外来受診してもらえばいいです。ただし時間外に受診すると院内処方になってしまうので、外来受付の昼間時間帯に受診するよう伝えます。

この例では、この方法②しか使えませんでした。

おわりに:

病院薬剤師は目立たない・賞賛されない地味な存在です。病院薬剤師はじめてのドラマタイトルが「アンサングシンデレラ」となったのも頷けます。こんな先発品対応しても、だれも気が付かないと思います。だって地味なんですから。

ですが地味で目立たなくても、患者さんに利益が有るように動くのが仕事なのです。

地味なだけでなく、ヒヤヒヤする仕事もたくさんあります。

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まさに目立たなくて地味な、縁の下の力持ちといえますね。

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