【就活・転職】薬剤師さん、利益率の高い製薬はオススメです

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主張:利益率が高い製薬は、給与が高いです

財務帳票をみて利益率のいい会社ほど、給与が高くなります。

なぜなら利益率が高い=競争が少ないので守られているからです。

実際に、利益率と給与の関係を見てみましょう。そうすると、相関関係に気が付きます。それは以下の事例①~事例④で挙げさせていただきます。

事例:業種ごとの利益率と給与

事例①:医薬品卸
事例②:調剤薬局
事例③:医薬機器メーカー
事例④:製薬企業(日本)
事例⑤:製薬企業(外資系)

具体的事例:業種ごとの利益率と給与について

具体例1:医薬品卸

利益率が低いので、給与にできる余裕金が少ないです。

なぜ利益率低いのかというと、「参入障壁が低い」から。主な業務は各種製薬企業から薬買い付け➡卸で取りまとめ➡調剤薬局・病院・クリニックなどに売る、という仲介企業です。薬剤師一人と、トラックがあれば極論できてしまうのです。

※仲介することで、全国の製薬企業170か所×医療機関数50000とおりの配送パターンを、卸1社×医療機関数50000にまとめられます

利益率低い理由その②は、「値切られる」から。例えば薬価20万円のレミケード静注を、A社が18万円で売るとします。B社が17万5千円でうるとなると、こちらに流れてしまいます。仕方なくA社は安くてもいいから買ってよと、17万5千円で売る、という流れです。

では実際例として、大手卸の財政をみてみましょう。

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
メディパルHD74593,181,9000.851.63%30.43%121%3.85%
アルフレッサ27842,640,5000.931.77%35.05%123.59%-1.76%
スズケン99872,132,3000.791.47%37.02%127.90%-0.26%
東邦HD81291,222,1000.631.39%34.41%126.44%-11.73%

どこも利益率は1.5%前後。つまり3億円売ってようやく、450万円と一人分の給与なんですね。もちろん配送事故でレミケードを10本ロスしたりしたら、それで200万円ふっとんで半額になったりします。当然給与も良くありません。

薬剤師の求人:卸の○○営業所の管理薬剤師。年収350万~420万とかです(昇給もほとんど無)。土日休み、年休125日、有給ほぼ完全消化ではあります。

具体例2:調剤薬局

利益率はやっぱり低く、5%前後です。

なぜなら調剤薬局業界は、診療報酬改定のたびに保険点数を減点されてきているからです。偶数年の2年毎に改訂があるのですが、いつも調剤点数のみ+1.4%になるようされています。患者数が増えての+1.4%なので、患者数増は+1.4%どころじゃないため、単価はマイナスされているんですね。

実際に「〇〇調剤の社長は年収7億円、貰いすぎだ!」などとやり玉にあがり、それで調剤=もうけすぎという印象がついてしまっています。しかも一般人だけでなく、厚労省の上層部にまで。実際はその7億円は、子会社の製薬メーカーからが大部分なんですが、イメージとしては「調剤もうけすぎ」なんですね。

実際の例はコチラです。2019年時点の調剤業界ワンツーです。

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
アインHD9627238,6452.315.83%54.94%115.87%7.34%
日本調剤3341205,1921.072.83%25.37%124.69%-6.61%

利益率5%強というのは、低いです。そして年々、この利率は下がっています。理由はいうまでも有りませんが、調剤報酬の減額続きです。コロナショックでも「病院さんありがとう」という声・手当はあっても「調剤薬局さんありがとう」はないですよね。

給与ですよね。給与は最初から高いけど、ほとんど昇給しないです。下手するとク○ールみたいに、当初提示のボーナスも保証しない会社すらあります。

薬剤師の求人:〇〇薬局の△△店の調剤薬局薬剤師で、年収400万~600万(田舎とか)です。薬局長などの役職について、月+3万円くらい。昇給は少ないです。年休は110日くらいを謳っていますが、確保できない場合も。有給も5日消化できるのみです(5日消化しないと罰則があるため、しぶしぶ休ませてくれます)

具体例3:医療機器メーカー

さきほど業種よりも利益率高いです。断トツで優秀なのは、利益率17%超えているテルモ。これは心血管系のステントが独占的だからですね。他社で作れないので価格競争がおきず、高くても売れるわけです。

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
オリンパス7733793,8625.233.56%47.34%158.61%-0.26%
テルモ4543627,8933.8617.59%60.81%217.43%7.06%
ニプロ8086442,5161.355.97%17.89%149.63%-2.75%

どの会社も平均年収が780万~850万くらいと高額です。テルモは780万が平均年収。就職するなら、財政よくて将来性もある、テルモはオススメできます。

具体例④:製薬企業(日本)

日本の製薬は、トップのタケダは財政よくないです。外国人経営者になってから、一時的に経費激増したからですね。

その他の企業は、利益率が軽く10%超えています。理由はカンタン、新薬は他社と競合しないから、価格競争は起きないからです。

価格競争が起きない具体的な例を。特許の切れていない武田の「タケキャブ錠」は、他社におなじ薬はありません。つまり「A製薬でタケキャブ180円で売ってるんだから、武田製薬さんも180円で売ってよ」とはならないわけです。ですから、値切り様がありません。せいぜい毎年の薬価改定で、薬価切り下げくらいです。

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
武田薬品工業45023,291,1881.333.05%36.84%113.49%19.53%
小野薬品工業4528292,4202.5326.50%83.52%246.60%21.28%
アステラス製薬45031,300,8432.4818.76%55.61%108.62%0.87%
第一三共4568981,9734.2514.14%62.02%394.26%-4.30%
中外製薬4519686,1848.9830.69%80.65%390.30%26.33%

このため武田以外は非常に財政がいいです。断トツの数字なのは小野薬品ですね。

薬剤師の求人:武田であれば平均年収1043万円です。製薬企業内の職種別給料では、研究職>MRとなります。MRはなりやすいですが、単身赴任で遠くへ飛ぶ可能性と土日保障されない危険性もあり。高額年収は、利益率の高さそのままです。第一三共だと1103万円、アステラスだと1079万円が平均年収です。

反論への理解:

製薬企業は大変だから高給取りなんだ、なりにくい、という声をお聞きします。

ですが大変とはいっても、給料が違いすぎますよね。それに製薬企業は休みの数が少ないのではと言われますが、そんな事ない。僕にいわせれば休日数はちょっとブラックな調剤薬局<製薬企業です。製薬は大手なので、ちょっと社名に傷がついたら大変なので、有給は完全消化だったり、金曜日は15時に終わったりしています。

株式の財務帳票で「利益率」をみて、その高さがそのまま給料になっているのはショックでした。

おわりに:

薬剤師さんは、最初にどこに行くかでその後が大きく変わってしまいます。一旦利益率の低い調剤なんかに行くと、そこでどう努力しても平凡な製薬メーカー勤務者に平気で年収を抜かれます。製薬がラクだとはいいませんが、努力しているのになとは思うはずです。

じっさい社会人1年目の時。調剤薬局の僕は年収380万円でしたが、製薬企業MRの友達は800万円を超えていました。僕は努力してなかったどころか、薬覚える&調剤技術に慣れるために必死で努力していました。MRの友達はそんな事ありませんでした。最初に選んだ会社が違いすぎるから、その中で努力しても超えられなかったのです。

努力も大事ですが、何よりそこが「ちゃんと利益を稼いで、給与を余裕もって払えるか」が大事です。就職してどんなに頑張っても、倒産したらお金は入ってきませんから。日本語に「徒労」という単語が存在するように、無駄になる努力も確かに存在するのです。

僕は株式投資をするので、医療関係の株もいろいろみています。その中で、利益率と給与は相関性があるなと感じました。本当は学生時代に気が付いて、製薬企業のような利益率いい所へ行けばよかったなと思っています。

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