調剤薬局を少しでもお考えの薬剤師の方へ。管理人は調剤薬局の薬剤師経験がとても豊富なほうで、ブラックな裏話をいっぱい知っています。ですがなぜか、裏話のたぐいをあまり聞きません。就職してから「こんなはずじゃなかった」「騙された」という声が、なぜか調剤薬局の薬剤師からよく聞かれます。そこで「こんな理不尽知らなかった、辞めてやる!」とならないために、心の準備になるようにブラック裏話を書かせていただきます。
管理人の薬剤師としての経験値はこうです。
【管理人の実際の体験談(薬剤師として)】
●大手調剤薬局チェーンで勤務・管理薬剤師を経験
●大手ドラッグストアで勤務・管理薬剤師を経験
(この時ドラッグストア・調剤単独店・調剤併設ドラッグ・漢方併設店すべてを経験)
●医薬品卸で派遣薬剤師を経験
(派遣先は6社7店舗に及ぶ)
●地方の小病院を経験(←2021年現在はココ)
調剤薬局についての全体像はこちらに書かせていただきました。
【裏話:在庫管理が大変・・・】
調剤薬局は基本的に、同一薬でも患者の希望通りにすべてそろえる必要があります。たとえば、アムロジピン錠。
調剤薬局 | 病院薬剤部 |
アムロジピンOD錠2.5㎎「サワイ」 | アムロジピンOD錠2.5㎎「NP」 |
アムロジン錠2.5㎎ | アムロジピン錠5㎎「明治」 |
ノルバスク錠2.5㎎ | |
アムロジン錠5㎎ | |
アムロジピン錠5㎎「明治」 | |
アムロジン錠10㎎ |
用意しないといけない薬がこんなにも違います。まず先発品で、患者さんの希望が後発品不可だったら処方箋通りに出す羽目になります。小波津品可能だったら、他規格・OD錠普通錠をとわず調剤できるので在庫少なくて済むのですがね。
A病院の処方箋で「アムロジン錠5㎎ 変更不可」、Bクリニックの処方箋で「ノルバスク錠2.5㎎ 変更不可」とあればそれだけで両剤ともストックしますし、後発品の患者さんみえたらその後発品もストックします。まぁ「アムロジン錠5㎎の後発」と「ノルバスク錠2.5㎎の後発」はどちらも、アムロジピンOD錠2.5㎎「サワイ」でOKなんですけどね。
患者さんが「私は今まで明治の5㎎錠を使ってた。これからも同じ薬を用意してくれ」と言われたら、それも用意することになります。この患者さんが来なくなったら、当然明治の5㎎錠は不動在庫です。
こういう管理が面倒であれば、調剤薬局で正社員やるのは難しいですよ。
・・・在庫管理が嫌だけど正社員やりたい
だったら病院薬剤部です。ここだと「うちの採用薬はNPの2.5㎎だけ。入院中はうちの採用薬に置き換えるルールです」といえて、在庫を増やす必要はありません。
【裏話:FAX処方箋を調剤・バックレられたら泣き寝入り】
調剤薬局にいると処方箋FAXも受け取り、それをもとに調剤したりします。
予めFAXしておけば、処方箋持ってくる前に調剤できてしまうわけですからね。しかしFAX自体は法律的に無効であること、ご存じですか?
実際に管理人はFAXで、遠くの病院処方箋を受け取りました。遠くの病院だと、採用してない薬もいっぱいあるわけです。いつ来るかもわからないので採用してない薬は、臨時購入するしかないわけですね。
その為管理人のまわりでは少数ですが、「おれはFAX処方箋では(採用薬でない薬のはいった処方箋は)作らない」と宣言している人間もいました。かれ曰く、万一処方箋きたら近くの人ならあとから発送ORお届け、遠くの人なら受け付けない、というスタンスだそうです。もちろん100錠箱一つ買って、処方箋の調剤数が28錠なら、残り72錠は不動在庫で持つ羽目になりますが。
【裏話;薬剤師はアラフォーになりなさい?】
東京が本社で全国展開してた調剤チェーンでは、いかにも現場を見えていない変な目標がありました。その名も「アラウンド・40プロジェクト(略してアラフォー)」です。
意味は「常勤薬剤師1人1日あたり、40枚の処方箋を処理しなさい」ということ。つまり1日処方箋枚数が130枚の薬局なら、薬剤師は3人半しか設置しなくて当たり前という事です。管理人の居た店舗は総合病院前で1日130枚、処方箋はかなり重たく単価10000円超えるような店舗で、常勤薬剤師は6人いました。
どうしてこんな目標があるかというと、いうまでもなく薬剤師1人あたりの処方箋枚数制限ですね。薬剤師1人1日あたり40枚まで、処方箋受付・調剤OKという縛りです(耳鼻科処方はその3/2倍して換算)
でもちょっと考えてほしい。処方箋の軽い耳鼻科前(例:処方箋1枚の薬はゲンタシン軟膏10g1本だけ)も、処方箋の重たい循環器科前(例:処方箋1枚の薬は10種類超え・粉砕や一包化もあり!!)も同じ1枚扱いなんです。処方箋単価・利益・処方箋あたりの所要時間も全然違うのに、一律で同じ「アラフォー」を課してくるわけです。
そんな謎目標を設定した東京本社の人間は、現場も知らずオフィスに座ってるだけの方々でした。
じっさいにベテラン勢に退職者が相次ぎました。残された管理人たちは大変でした。暫くすると、アラフォーの言葉は立ち消えになりました。
【裏話:薬剤師はピザの配達員じゃない!】
とある個人医院前の調剤薬局にみえた新患の患者Zさん。
Zさんの薬自体は15分位でできそうな軽い物でした。しかしこのZさん、この15分が待てないのです。
おれは忙しい。13:15分に瀬戸口駅前に停めた○○(車種名)まで薬届けに来い!
と言い残して即去っていきました。まるで調剤薬局を舐めていて、ピザの配達や扱いですね。それで仕方なく、片道30分もかかる瀬戸口駅まで届けに行くのですが
ふん!!
とだけ言って、車で去っていきました。信じられないです、届けさせて時間まで指定しておいて、それでふん!の一言だなんて。
次回はさすがにその駅まで来いとはなかったですが、調剤薬局前にとめた自分の車に届けさせました。「俺は忙しい、ふん!」の一言でしたね。
【裏話:シャッタードンドンが怖い・・・】
ある総合病院前の調剤薬局に居たとき。18:15分に診察終了の連絡がきて、その10分後にシャッターを閉めました。この連絡がきたときはたいだい処方箋受け取って5分後とかなので、そこから10分待つ=患者さんが処方せんもって15分も時間的猶予があるわけですね。それを待っても誰も来ないから、シャッターをおろすわけです。
でもシャッター下して15分後くらいに、シャッターからすごいドンドン音がするんです。みんな、怖がっていました(終了時間なのでスタッフ3人しかいませんから、怖さ倍増です)。
この人は終了間際の患者さんではなくて、午前中に処方箋預けてそのまま外出した方でした。午前中の総合病院前は忙しくてお待たせ長くて申し訳なかったのですが、店舗営業時間は~18:00となっていました。つまり営業時間をとっくに過ぎた18:40に、シャッタードンドンしたわけです。とっくに本日のレジ締め終わっていますよ。
でも患者さんである以上、調剤薬局側は拒否できません。それで、受け付けてレジを開けなおし(もちろん後で締め直し)、薬歴をみて投薬・記録・・となるわけです。
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