影が薄すぎて、絶対ドラマにならなそうだった「薬剤師」、ついにドラマに登場!
しかも主人公で!あの石原さとみちゃん起用!
「アンサング・シンデレラ」
でも、みんなこう思いませんか?
「病院薬剤師って、でら忙しそうやけど、何しとっと~?」
それにお答えします。このシリーズでは、僕・茶助の薬剤師業務を紹介いたします。
※女性の名古屋弁は、標準語で「病院薬剤師、とても忙しそうだけど、何してるの?」となります。僕の地方の言葉です。
【病院薬剤師=調剤マシンじゃないの?】
とくに古い世代の方には言われます。
良く分からんけど、調剤マシンなんでしょ?
・・・僕のこと、マシンいうな~!でも「調剤マシン」は半分正解。もう半分は、「薬関連の情報を引き出し、安全使用させる」役割です。これ、言ってみればそうですが、いざ裏で何してるのか想像できます?想像できない方の為に、いくつか日常風景をそのままお送りいたします。
【動けない人×骨の薬の意外な組み合わせ】
このパターン、結構病院で多いんです。今日こんな感じでした。
ねぇ〇〇ちゃん(看護師)、入院してきた△△さん、動けるの?
・・・え?(薬となんの関係が)
動けませんよ~
ハイ、アウト!ビビアント、ダメです~!
ダメなんですか!主治医は全部服薬って、言ってましたよ~
これが仕事の一つです。
<解説>
ビビアント®は骨破壊をとめるホルモン剤です。骨破壊がとまる
➡骨の形成が優位になる=骨密度低下が防げる
これだけならイイのですが、骨以外にも血液に作用し、血液凝固しやすくなります。
「血液凝固UP」でも、動ければ固まりません。でも動かないと血栓が大変できやすくなり、心筋梗塞・脳梗塞などのリスクになり、危険なのです。
ちなみにこの後、Drに電話して説明。ビビアントは中止となりました。
ちなみに僕は「ビビアン」って響きが好きです。関係ないけど。
【抗生剤は難しい?】
病棟薬剤師は、急な調剤にも対応しないといけません。しかも人数は、看護師さん60人に対し、薬剤師4人とかなのでマンパワー足りません。
だけど・・・
茶助さん、早くレボフロキサシン(抗生剤)つくって、私にくださいよ。いますぐ飲ませたいんです
ゴメン2分待ってて。レボフロキサシンは、難しい薬なんだよ。デカイ薬だし、ペースト食だけど飲込みは大丈夫?
ペースト食だけど、なんとか呑み込めると思います。
あと1分待って、腎機能50以上かどうか。(電子カルテの腎機能=CCrを調べて)おお~、余裕。よし、良いよ持ってって。
せかされるとつい、2つの確認を忘れそうになります。が、飲み込めなければ高い薬がパーだし、腎機能悪いとレボフロキサシンは血液中にたまり意識障害・ひどい下痢などを引き起こします。
<解説>
レボフロキサシン錠は、サイズがとても大きく貴方の小指先くらいあります。大きいため食事形態がペースト・流動食だったら飲込みの確認が必要です。
またレボフロキサシンは、腎臓から排出します。腎機能(CCrやEGFR)が低いと、排出しきれない➡血中にたまり易い➡脳に移行して悪さ(意識障害)をします。その為、看護師さんに申し訳ないですが急いでいても、腎機能を確認しています。
【出産経験なしで、母乳がでる?】
これを医師に相談されたときは焦りました。
茶助さん。▲▲さん、なんでか知らんけど母乳でるの。いま外来中で忙しいから、知恵貸して
(ゲ、何それ・・そういえば薬理学の授業で)その人、抗精神薬や吐気止め、飲んでます?
吐気止めのんでるよ。ドンペリドンってやつ。それがどうしたの?
(やっぱりD2遮断か!)いますぐドンペリドン取りやめてください。吐気止めは五苓散でもいいですから。
ちなみにこの後、内科Drはドンペリドンを取りやめ、五苓散を出されました。
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