車に断熱が必要な理由
車には断熱性が元々ありません。夏になると暑くて仕方ないし、冬になると暖房なしでは走れないと思います。これは断熱材が元々ないからです。
じゃあ断熱材を入れるとどうなるのかというと、メリットが沢山あります。
【車を断熱するメリット】
●狭い車内は、普通の部屋よりも省エネですぐに暖かく/涼しくなる
※実際真夏のクーラー・真冬の暖房がすぐ効き燃費が改善します
●車中泊(緊急避難時・隔離時)に救われる
※管理人は9月の暑い時期にコロナ濃厚接触となり、ホテル代もないため車中泊仕様の自家用車で生活した。
※東日本大震災・熊本地震の時も車中泊せざるを得なくなった時、暑さ寒さやエコノミークラス症候群が大問題になっている。
●内装の結露がなくなる
※断熱材で失敗すると断熱材が結露して断熱性低下するので注意。
●断熱材一つでも、走行時騒音が小さくなった
※さすがに専用吸音材(レジェトレックスやレアルシルト)には及ばない
・・・この様に何も車中泊しなくても、ふだん使いするだけでも十分にメリットがあります。
(窓以外は内装はがし必須なので)面倒ですが、車の断熱はメリットが多いです。もし車を何年も使い続けるのであれば、断熱を強くオススメします。
断熱材の比較
グラスウール
熱伝導率は0.036(w/m・k)と低いです。これだけ見れば十分な性能です。
そのグラスウールはガラスを引き延ばして作った繊維を、平面な袋につめたモノです。
しかも厚さも5㎜以下と薄く、色々な場所に施工できます。
安価で、数ある「断熱材」のなかでも最安値だと思われます。
しかし、耐久性に重大な欠陥があります。それは「内部結露」です。
【グラスウールの弱点:内部結露】
●水滴が繊維内に入り、固まる。固まる=空気層が失われる=断熱性なくなる
●断熱性ゼロだけでなく、固まったグラスウールはベチャっとして剥がしにくい
※管理人は2回の冬車中泊でひどい目に遭いました
●内部結露しやすい原因①:独立気泡じゃない(繊維のはいった袋である)
➡後述のロックウールも同じ弱点あり
●内部結露しない為に:車の外装金属~グラスウール~内装の間に、空気層をつくって通気よくする。またグラスウール自体を防滴する。
※つまり狭いところに無理やり敷き詰めると結露して断熱ゼロ&取り出し難しくなる
加工性も悪いです。素材自体が「繊維の入った袋」なので、袋を切ればガラス繊維がとびだします。まっすぐ切るのも難しいし、繊維飛び散るので防塵マスクと眼鏡と手袋が欲しいです。
空気層を作り・表面に防滴処置しないと結露してしまいます。以上の事から、安いからと言って素人が扱えるものじゃないです。
ロックウール
繊維が平たく袋に入ったつくりです。その繊維が岩石(=ロック)です。グラスウールとおなじ弱点があり、やはり素人がDIYで使える代物じゃないと思います。
ポリスチレンフォーム
断熱性(熱伝導率)は優秀で0.036(w/m・k)と低く、わりと凄いです。
こんな感じのスチロール板です。(通販より、実店舗のほうが安くつきますよ)
スタイロフォーム、カネライトフォーム等が該当します。代表選手のスタイロフォーム(リンク)の性状で比較します。
ポリスチレンフォームは、硬くて分厚いことが特徴です。だから天井裏・内装内部・床下などの狭いすきまには一切使えません。使えるのは窓断熱のみです。窓断熱といっても、走行中は車内につんでおく必要があり大変場所をとります。
管理人は当初、窓断熱を全てカネライトフォームで作っていました。今はサイドガラス4枚分だけで、フロント・リアはメタルシートに変えてしまいました。実質車内で使える部分はサイドガラスだけなのですが、やっぱり住宅用断熱材なので凄く、外気―10℃で寝ても寒気を感じませんでした。
加工が面倒です。スチロールフォームなので、カットするのにジグゾー(電動糸ノコギリ)かスチロールカッターが必要になります。
ハサミでシートを切るよりもずっとメンドウで時間もかかります。
耐久性は凄いですね。車中泊という結露しやすい環境で何回つかっても、一切結露しません(さすが独立気泡)。堅いのでそのまま窓枠にはめ込んで安定します。ただし白地に「カネライトフォーム」と印字されてるとカッコ悪いので、管理人はプラダンに挟んでいます。(管理人は黒一色に見飽きたので、そのプラダンに更にリメイクシート貼っています)
分厚くて場所取りして仕方ないですが、平面なドアグラスはスタイロフォーム(カネライトフォーム)が使いやすいですね。固定が要らないところがGoodです。
東レぺフシート(5㎜厚)
断熱性はそこそこです。このシートは遮音性も高いです。0.043(w/m・k)とグラスウールに若干劣るのですが、十分低い数値です。
薄いので色々な場所に施工できます。ただし分厚いと使える場所が限られるので(天井内装内は5㎜でないと入らないことが多い)、やっぱり5㎜厚の一択でしょう。
加工性は、専用工具はいらずハサミでOKです。ですが接着剤つきなのが逆にデメリットな位で、ハサミに結構くっつきます。また方眼ついてるわけじゃないので、真っすぐきるのが案外難しいです。
車1台やるとすると、フリードスパイクみたいなミニバンで12m使います。そうすると結構高くつきます。たいてい後述のGSメタルシートより高くつきます。
GSメタルシート(オススメ!)
断熱性は最強でして、現に熱伝導率0.024(w/m・k)と圧倒的に低いです。
見た目はこんな感じです。これで1m×30mロールです。
そのうえ厚さもなく、5㎜と大変薄いです。この薄さのお陰で「窓枠」だけでなく「天井内装」「ドア内装」「床下」とあらゆる場所で活躍します。
耐久性もあります。いっさい結露しないのは本当に助かります。それは独立気泡のうえ、アルミ箔で両面コートされているからです。
※グラスウールだと数回の車中泊で結露してグチョグチョになり、断熱を失うばかりか固まって取り出しにくくなるので(経験済み)、使えません。
※車中泊の結露は家の結露よりはるかに凄く、より対策必要です
加工性もいいです。まずカットに専用工具がいらず、普通のハサミでOK。つぎに方眼状に凹凸があるので、溝にハサミがハマってまっすぐ切りやすいです。全然ずれないし、枠などにはまらなくても簡単にハサミで切りなおせます。
難点は購入が少し面倒なことです。それはこんな感じ。
【GSメタルシート 購入方法】
●通販サイトは無(Amazon、楽天、Yahooショッピング)
●代金支払いは銀行振込のみ
●発送は早く、銀行振込➡メールで振込すみを連絡
➡平日なら2~3日で商品到着(管理人は10/12注文・振込して10/14昼にGet)
以上のことから、GSメタルシートをおすすめします。東レぺフシートより安く、30m巻で車1台の内装&窓すべてを施工できます(フリードスパイク全部でも12mしか使いませんでした)。素人でも扱いやすいのに高耐久・メンテナンスフリーなのが嬉しいです。
熱伝導率 | 厚さ | 耐久性 | その他 | ||
グラスウール | 0.036(w/m・k) | 薄い 5mm以下 | × | 空気層必要なので無理やり押し込めない 切ると綿が飛び出す 防塵装備が必要で加工が難しい 内部結露で熱伝導率はダメに | |
ロックウール | 薄い | × | 上記とおなじ特徴をもつ | ||
ポリスチレンフォーム (スタイロフォーム等) | 0.028(w/m・k) | 分厚すぎ 25㎜ | 〇 | 分厚く硬い為 狭いすきまに使えない 窓断熱には使いやすい | |
東レぺフシート | 0.036(w/m・k) | 5㎜ | 〇 | 加工はハサミ1本でOK。防音性も強い。 ただし一番高価。 | |
GSメタルシート | 0.023(w/m・k) | 5㎜ | 〇 | 加工はハサミ1本しかも方眼状デコボコ付 素人でも扱いやすい |
総合で見て・・GSメタルシートが最良です。
【結論】車の場所別に適した断熱材
天井内装
(管理人は断熱施工スミ)
GSメタルシートが最良です。もう少し高くてもイイから雨音対策したいとなると、東レぺフシートもおすすめです。なのですが、防音+断熱どっちも最強なのは「外側にレアルシルト+内側にメタルシート」でしょう。
ドア内装
(管理人は断熱施工スミ)
GSメタルシートが最良です。ドア鉄板~内装の隙間はギリギリ5㎜程度ならあります。
床
(管理人は未実施)最も断熱しにくい場所です。
GSメタルシートが最良です。やるなら床のカーペット(元々ついてる、はがせるやつです)の下にメタルシートの様な断熱材をいれるのがラクです。管理人は「サーマレストのリッジレストマット」を使って十分断熱になるので、断熱していません。
管理人はこのベッドキットの天板内に既に、GSメタルシートを仕込んでいるので高断熱なのです。
高断熱のマットレス(上記写真はサーマレストのリッジレストマット)を使っていれば、床断熱は要りません。管理人はベッド天板+マットレスのダブル床断熱なのでいらないのです。
窓のシェード
窓は最も冬の冷気/夏の熱気が侵入する場所なので、絶対最優先で断熱しましょう。
(管理人は断熱施工スミ)
<案①DIYする場合>:まどの場所によって、使える素材が違います。
【窓と断熱材】
●ドア部分:スタイロフォーム・東レぺフ・メタルシートなんでもOK(平たい為)
●ハッチバックやフロントガラス:東レぺフ・メタルシートのみ(窓ガラスが曲面なので)
管理人はドア部分はスタイロフォームで作っています。フロントドア・ハッチバックは(曲面ガラスにフィットし、折り畳んでコンパクトにできる)メタルシート切り抜きで作っています。
<案②DIYせず手っ取り早く>専用のシェード購入がおすすめです。シェードは「Aizuのシェード」一択でイイと思います。
管理人の場合、NV350キャラバンではDIY窓断熱ではなく、このAIZUのマルチシェードを使用しています。断熱性は劣らないし、なにより収納コンパクトです。やっぱり市販品は完成度高くていいですね。
<ハイエース標準ロングの場合>
<ハイエースワイドミドルルーフの場合>
結論:メタルシートの使い回しが最強
メタルシートはキャンピングカーの断熱でもよく使われています。結局コスパと耐久性を考えると、最良だからでしょう。1巻30mもあれば普通のミニバン2台分のフル断熱できます。
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