【薬剤師の本音】調剤薬局いくまえに知りたい裏話

薬剤師の方で、転職をお考えの方。

医師
薬剤師・薬学生

ドラッグ・調剤のチェーンは給料結構いいし、研修プログラムも充実してそうだから考えてる。でも実際働いた人の裏話ってあるのかな?愚痴もあるだろし・・

・・・転職サイト・会社ホームページではあまり語られない本音・裏話もしっかりと書かせていただきます。薬剤師転職の本音をかく僕ですが

●調剤薬局チェーンで3年半
 (調剤店で管理薬剤師)
●ドラッグ・調剤チェーンで4年半
 (ドラッグ調剤併設店で管理薬剤師)
●漢方相談薬局で1年半
●医薬品卸で2年
●病院薬剤師で3年(現職)

という経歴を持っています。

主張:ドラッグ・調剤チェーンは外から見えない苦労だらけ

ドラッグ・調剤チェーンというのは外から見えない、入職しないと解らない苦労と理不尽でいっぱいの場所です。

なぜならホームページや入職パンフには、良い事ばかり書かれているからですね。いい事ばかり書かれるの、ちゃんと理由がありますよ。

理由:いい事ばかり書かれる・紹介される(色眼鏡掛かっている)

いい事ばかり書く理由はこうです。どうするのが利益なのか考えると、おのずとこうなります。

調剤・ドラッグ会社(人手不足の為)入職希望者を増やしたいいい事を書く
転職サイト入職数に比例して成果報酬(約給与3か月)いい事を書く
(参考)ブロガーそんなにメリットない中立的に書ける

このような色眼鏡がかかっているので、転職サイトや業務紹介を見る際は注意してください。

僕もこの色眼鏡を舐めていて、入職後いろいろ痛い目に遭いました。

書かれない苦労の具体例

研修プログラムは幻(只のリクルート用パンフかも・・・)

調剤薬局チェーンの人気の理由は「新人教育プログラムが充実しているから」ですよね。

あの会社は教育プログラムが充実しているから、いいなって。

【新人教育プログラムの例(調剤チェーン)】
<入職日~1か月>
●福島県の温泉街のユースホステルを貸切り。
●週5日はそこで研修、2日は休日(近くの観光地で遊んでもOK)
●研修内容は自己紹介・マナー・電話のかけ方・添付文書のよみかた・症例検討・実務など。
●その年入社の同期20人くらいと友達に

<入職1年間>
●毎週、症例課題をだされて提出義務あり

<半年後>
●福島市中心街のホテルで2泊3日
●研修・半年間振り返り
●夜は久々に会った同期と飲み会できる

<1年後>
●福島市中心街のホテルで1泊2日
●管理薬剤師業務を一通り教えられる

たしかに会社が結構なお金と人件費使って、研修してくれたのは有難いです。大手調剤チェーンで、新人教育プログラムやってくれる所はこんな感じです。

ですがそうばかりでもありません。パンフレットにはきれいに新人教育プログラムを書いていても、じっさいはしていない会社(ただのリクルート用パンフレット)もあるんです。

それに根本的に、皆だんだん勉強しなくなります(笑)

致命的なのは、「調剤薬局という環境」そのものです。触れる薬の種類(内服・自己注射・外用のみ)は少ないし、取得できる患者さん情報も少ない。病名も治療方針もわからないので、病院勤めの人間とは大きな差ができてしまいます。

※参考:そんな病院薬剤師の業務はこんな感じです。

【転職活動】病院薬剤師の業務例(全体)
病院薬剤師の具体的な仕事って、想像つきますかね?薬剤師(病院に興味あり)病院薬剤師をやりたい。でも一歩踏み出したいのに、調べてもあまり解りません。この記事を書いている僕は、病院薬剤師経験3年になります。今までの...

※参考:病院と調剤とで解る・勉強できる情報がちがいすぎる一例

【転職】転職・多職種経験はむしろ誇って!
職を転々とする=不適合・コミュ障みたいな思い込みが、未だに年配の方には多くて困ります。でも違うと思います。。日本の今まで➡転職は恥だ、1か所で長く務めるのが名誉。履歴書は少ない方が名誉。アメリカ・欧米➡人材は点々と...

・・・ですのでいくら「新人教育プログラムが充実してる」といっても、薬剤師スキルとしては病院勤めの人間には適いませんよ、という事です。しっかりした新人教育プログラムは半分、幻のようなものでした。

責任増えても給料ふえない

こういう意味不明の扱いを受ける事もあります(僕は受けました)。

●管理薬剤師に任命。管薬の仕事・責任はさせられる
●手当はなし。管理薬剤師手当は存在せず、「調剤部門長手当」しかなかった。
➡この調剤部門長手当は「管理薬剤師になり、かつ地域マネジャー(愛知県の調剤トップ)のお墨付きがないともらえない」というシロモノ。

「調剤部門長」の手当が付いたからと言って、仕事・責任は追加されません(人事部確認済)。

地域マネジャーに1年以上も抗議しましたが、結局手当はつかず。

言う相手を人事部に変えると、『そんなブラックは許されない。来月からつけるわ』とのこと。・・・いやとっくに、気が付いていたでしょ?気が付かなければ払わない方針なのかって。

こうやって、最初の給料はいいように見せかけて、でも手当はケチって人件費削減している事例があります。

人件費削減する理由は、そもそも「調剤薬局が儲からないビジネスになってきたから、ケチっている」からなんですね。どれだけ儲からないか根拠を書きましたので、これも参考にどうぞ。

【就活・転職】薬剤師さん、利益率の高い製薬はオススメです
主張:利益率が高い製薬は、給与が高いです財務帳票をみて利益率のいい会社ほど、給与が高くなります。なぜなら利益率が高い=競争が少ないので守られているからです。実際に、利益率と給与の関係を見てみましょう。そうすると、相...

事務さん病欠でも見殺しにされる

こういう事も起こりえます。状況はこんな感じでした。

【店舗の状況】
●ドラッグストアで、調剤併設店舗
●処方せん応需枚数は150枚/月
●調剤開局時間は平日のみ9時~18時(昼休みなし、土日祝は閉局)
●薬剤師1人+医療事務1人の体制

この状況で、医療事務さんが妊娠➡ひどいつわりで2か月も入院しました。じゃあレジ開け・処方箋入力・ピッキング(医療事務さんがピッキングして、薬剤師が鑑査して投薬してた)・閉局業務はだれがやるのか・・・薬剤師のぼく1人でした。

勿論、人が減っても客数は変わらず、ドラッグストア併設店ゆえにOTC・サプリメントの相談もバンバンあります。辛いのは18時直前にくる相談と調剤。はみだしは即残業ですからね。(残業すると儲かっていないのにと上から言われる)

そんな状況でも、代りのスタッフはこずに僕1人でした。代替をよこさない理由は「他の店舗も人手不足だ」「そもそも儲からない店舗にしたのはお前なんだから、人件費を増やせない」など。後者は努力しても改善できなかったので(次の項)、理不尽だと感じました。最後には薬剤師さんを1人くれたのですが、「60過ぎで転職組のオジサン・人のいう事聞かない・物覚え悪い・忙しい時間帯に限って勤務外してくれ」という方でした。

何も僕の個人的な愚痴ではありません。調剤チェーンでは普通に起こりうる事なんですよ。

薬剤師の努力<立地の悪さ なのでは?

もともと周りに医院のない店舗に転勤し、ちょっと変だなという扱いも受けました。

●ドラッグストア店舗で、調剤部門を開けたいから転勤してくれ
●いざ転勤すると、周り医療機関無で処方箋枚数伸びない
●処方箋枚数増加策をいろいろ打つ
 例:自分やドラッグ店家族の処方箋を持て来てもらう
 例:近くの総合病院前で、事務さんに当店ビラを配ってもらう
●それでも売上が伸びず、毎月の売上報告の際に「お前の力不足だ」と罵倒
●それを調剤部門だけでなく、ドラッグ部門にまで言われる

ドラッグストアの店長というのは、調剤にかんしては素人です。でもプライド故に知ったかぶりをして、いっぱしに口出ししてきます。

【他店への薬買い付けを怒られた】
●患者さん持参の処方箋に、薬局在庫にない薬が記載。
➡他の調剤薬局さんに電話・買い付け依頼
➡事務さん(妊婦)に買い付け行ってもらう
➡あとでストアリーダーに「妊婦の事務さんではなく、お前が買い付け行け」と怒られる
➡➡しかしその買い付けを薬剤師がやると、処方せん応需は当然できない。

ひとり薬局だったので、薬剤師が抜けるわけにはいかないのです。

「薬剤師不在時間」の開局要件を明示
厚生労働省は2017年9月26日、薬剤師不在時間に薬局を閉局せず営業するための改正省令を施行するとともに、同日付で開局の要件について詳細を通知した。薬剤師が不在開局する際のOTC薬販売について、緊急時の在宅対応や急きょ日程が決まった退院時カンファレンス参加による不在は認めるが、学校薬剤師の

規則もこうなっています。買い付けはどうしてもの緊急じゃないから、当然不在は認められません。

有給・昼休みはとれない

僕の居た店舗は、こんな感じでした。

●開局時間:平日9時~18時、土日祝は調剤せず
●スタッフ:薬剤師1人、医療事務1人
 

一見問題ない、ありふれた看板ですよね。ですが、これが曲者なんです。

どういう事かというと、薬剤師1人の為常勤薬剤師は休日が取れません。エリアマネジャーが代用で入ってくれればいいのだけど、上記の通り不採算店舗だったためそれもNGでした。

平日休みが取れないので、銀行も市役所も行けません。

医師
薬剤師

昼休みに市役所・銀行くらい行けるでしょ?

・・・それもできません。なぜなら営業時間に中抜け時間は記載ないですよね?前項のリンク通り、中抜けは認められませんからね。

当然、昼休みはすべてお弁当(か店舗内で買い物したもの)に限られます。外食できません。昼寝もできず、たたき起こされます。

これが調剤の現実です。

時間外労働もたくさん(とくにかかりつけ薬剤師)

時間外労働ですが、病院ではまずありえません。いっぽう調剤チェーンでは普通にあります。

【時間外労働の例(調剤チェーン)】
●不足薬あり➡営業終了後、患者宅にお届け(届けの足は自家用車・車買えと言われる)
●他店ヘルプ
●薬歴が残った場合(近年は少ないが、昔は薬歴記入時間はサービス扱いだった)
●そして、、、「かかりつけ薬剤師」の患者さん

かかりつけ薬剤師というのが、業務内容は重い負担になってきます。だって要件はコレですよ。

かかりつけ薬剤師指導料について
《かかりつけ薬剤師が実施すること》
1 安心して薬を使用していただけるよう、使用している薬の情報を一元的・継続的に把握し
ます。
お薬の飲み合わせの確認や説明などは、かかりつけ薬剤師が担当します
3 お薬手帳に、調剤した薬の情報を記入します。
4 処方医や地域の医療に関わる他の医療者(看護師等)との連携を図ります。
開局時間内/時間外を問わず、お問い合わせに応じます
6 血液検査などの結果を提供いただいた場合、それを参考に薬学的な確認を行います。
7 調剤後も、必要に応じてご連絡することがあります。
8 飲み残したお薬、余っているお薬の整理をお手伝いします。
9 在宅での療養が必要となった場合でも、継続してお伺いすることができます。
10 次回から、かかりつけ薬剤師指導料を算定します

検-5-2 かかりつけ薬局・薬剤師(厚労省HP)より引用

5番➡自分が家で休んでいても、仕事の電話がかかってくるのです。病院の電話待機当番と違うのは、看護師さんから仕事内容でたまにもらう電話ではなくて、患者さんから「お客さんと店員モードで」いつでもかかってくる電話だという事です。

2番➡つまりかかりつけ薬剤師は、かかりつけ患者さんがくる日は休めないという事です。(時間外労働とは関係なさそうですが、閉局後に患者さんがもってきたらあなたは残っていないとけないのです)

・・・ではどうして、そんな薬剤師負担の大きい「かかりつけ薬剤師」の仕事のがあるかというと、経営的にもうかるからです。儲かるのは、10番➡調剤基本料を高い点数(かかりつけ薬剤師指導料の73点)でとれるからです。まとめるとこんな感じです。

本社かりつけ患者数増やせ!利益UPするから
かかりつけ薬剤師増やしたくない時間外労働が長くなるから

それで、本社は店舗に、「薬剤師1人あたりでかかりつけ薬剤師算定を月20件」などと、ノルマを課すわけですね。本社の自分たちはべつに時間外労働しなくていいから、他人事なんです。

おわりに:どうして裏話・本音の記事を書いたか

ズバリ、ネット上の情報が「調剤薬局のいいところ」ばかりに偏っているからです。

いま調剤薬局は、薬剤師の終業人数No1です。薬剤師の半分は調剤いくんです。ですが行ってから、「こんなんじゃなかった」「こんなに仕事がつまらないの」となやむ人間がとても多いです。

行くなら、まず「良いところではなく、悪いところ」をよく知って、そのマイナスを呑めると思ったら行きましょう。

またもし転職お考えの方。転職経験は実際は悪いどころか、誇っていいと思いますよ。ぼくは採用面接も経験済みですが、こういう理由から転職経験はプラスに見ています。

【転職】転職・多職種経験はむしろ誇って!
職を転々とする=不適合・コミュ障みたいな思い込みが、未だに年配の方には多くて困ります。でも違うと思います。。日本の今まで➡転職は恥だ、1か所で長く務めるのが名誉。履歴書は少ない方が名誉。アメリカ・欧米➡人材は点々と...

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