【病院薬剤師が語る】営業停止処分の株は買いなのか?

営業停止に遭った製薬株が買いなのかどうか。現場での実際の動きからいえます。

結論:営業停止処分の製薬株は、即売り!

こういうと驚かれますが、管理人(現役の病院薬剤師)ならこんな製薬株は即売り。投資する方は「営業再開したら、もとの顧客が戻ってくるから売上回復するはずだ!」と考えるわけです。

しかしどう考えても、この製薬会社の売上が回復しませんからね。それは現場で働いている感覚が役に立っています。実例を挙げますね。

製薬会社の実例①

2020年11月ごろに、営業停止処分となった製薬会社(●和クリティケア)があります。

営業停止で株価低下➡買い時、ではない例です。この会社は上場していないので株は買えませんが、参考にはなるはずです。

営業停止した2020年11月時、現場では●和クリティケア製品をみんな置き換えました(もう●和クリティケア製品は入ってこないから)。こんな感じです。

グラニセトロンバッグ
3㎎「ア●ロム」
グラニセトロンバッグ
3mg「HK」
ドパミン注キット600㎎イノバン注シリンジ
アシクロビルバッグ
「ア●ロム」
アシクロビルバイアル「日医工」
グル●セト35フィジオ35

では他社製品に入れ替えて営業停止解除後、●和クリティケア製品に戻したかというと・・・3か月経過した現在でも、戻していません。もう戻すのが面倒になったからですね。

ほかの病院でも同じかと思います。

ですので、営業停止処分=株価低下で買い時チャンス、ではないのです。

製薬会社の実例②

この会社は2020年12月に、営業停止100日超をくらった会社(小●化工)です。

100日というと結構悪質な事件をやっています。この事件、カンタンにいうと爪水虫の薬「イトラコナゾール錠50㎎」に、睡眠薬「リルマザホン」が混入していたのです。イトラコナゾールだと思って服用した方々から、次々に傾眠傾向・居眠り運転事故など報告が上がりました。そりゃみなさん爪水虫の薬だと思って朝から飲むので、それがまさか睡眠薬だなんて夢にも思いませんからね。

営業停止100日というと病院現場も結構なダメージで、小●化工のいろいろな薬が入らなくなりました。それで仕方ないので、置き換えました。

クエチアピン錠
25㎎「EE」
クエチアピン錠
25㎎「アメル」
ロキソプロフェン錠
60㎎「EMEC」
ロキソプロフェン錠
60㎎「日医工」

管理人は病院薬剤師で、病院採用薬のマスタ作成・クリニカルパスへの薬の組み込みなんかをやっています。前者の小●化工製品はみんなマスタを止め、代替薬をマスタ作成しました。そしてクリニカルパスに組み込まれた薬も、例えばロキソプロフェン「EMEC」はぜんぶ、ロキソプロフェン「日医工」にかえてしまいました。結構な労力でした。

ここからまた小●化工製品に戻すのは、もう一度おなじ手間を踏む羽目になるのでしません。小●化工の営業停止が解除されても、ロキソプロフェン「日医工」のままでいきます。

ですので営業停止の製薬株は、売上は戻りません。現場の感覚ではっきりと解ります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました