管理人はサイト各所で、市場平均を少しでも上回るための法則を取り上げ、検証し、解説し、また自ら投資して実証してきました。こんな法則群ですね。
【市場平均に勝る伸びをした株の特徴】
長期投資でより確実に・大きく伸ばすなら、抑えたいポイント
①PERの低い株
②研究開発費の低い株
③連続増配の長い株
④古くからあるブランド株
⑤3セクター
⑥高配当株
⑦小型株
※詳しくは、当サイトトップページも参照のこと。ここに法則群を載せている
※全てジェレミーシーゲル著書「株式投資 第4章」に詳しく記載されている
その中で、今回は小型株のリターンについて検証したので書きます。あまり知られていない投資法:小型株投資ですが、フタを開けると結構スゴイことになっていました。
(余談)そもそも小型株の規模はどのくらい?
そもそも「小型株」といってもどのくらいの規模の事を指すのでしょうか?どの指数が該当するのでしょうか?小型株の立ち位置はこんな感じです。
つまり「S&P SmallCap 600」は時価総額901位~1500位くらいの銘柄の集合体です。「Russel2000」は時価総額1001位~3000位くらいの銘柄の集合体です。そして指数は、時価総額に比例して加重されるので、例えば時価総額603位前後のゲームストップ株は、「S&P SmallCap 600」のなかでかなりの割合を占めています。
※S&P500指数といえば言わずと知れた大人気の指数ですが、これは大型株ベスト500ということになります。
【小型株はどれ?】
●概ね時価総額900位以下くらいが、「小型株」とされています。
●指数でいうと「S&P SmallCap 600」「Russel2000」が該当します。
●該当ETFも多数あり。
S&P SmallCap 600➡➡VIOO、SLY、IJR、など
Russel2000➡➡IWM、VWTO、など
(余談)このS&P SmallCap 600やRussel2000の中の、更にグロース株・バリュー株に連動するETFまで存在する。例えば小型バリュー株は歴史的に、リターンが平均をかなり上回り続けているグループです(別記事にあげます)。
小型株は本当に、リターンがいいのか?(近年の管理人検証データ)
いくら小型株を勧めても、儲からないと買えませんよね。じゃあ実際の小型株のリターンはというと・・・とても優秀でした。
その優秀さを見ていただきたいです。
規模 | 指数 | 対応するETF |
大型株 | S&P500指数 | IVV |
中型株 | S&P MidCap400指数 | IJH |
小型株 | S&P SmallCap600指数 | IJR |
<2000~2021年7月の20年半リターン>
※最近7月の価格が判明したため、3つのグラフすべて「~2021年5月」➡「~2021年7月」で書き換えました。その為リターンの数字が、書き換え前と異なっております。御了承くださいませ。
大型株 | 中型株 | 小型株 | 超小型株 | |
2000~2021リターン | 7.07% | 8.86% | 9.59% | 8.25% |
こんな感じで、長期的なリターンは小型株が圧倒的だと解ります。みんなが大好きS&P500指数は、何と長期で安定的にボロ負けでした。この衝撃の事実を、10年スパンで検証してみます(結構大変でした・・・)
<2000~2010年の10年リターン>
大型株 | 中型株 | 小型株 | 超小型株 | |
2000~2010リターン | 0.61% | 6.40% | 7.15% | 5.71% |
ITバブル・リーマンショックをふくむこの期間は、S&P500は青色吐息でした。ところが中型株・小型株に目をむけると急成長。まるで話が違います。元値回復も明らかに小さいほど早いです。
<2010~2021年7月の11年リターン>
大型株 | 中型株 | 小型株 | 超小型株 | |
2010~2021リターン | 13.30% | 11.15% | 11.86% | 10.62% |
2010~2021年の11年間は、大型株のそれもグロース株急成長の時代でした。ご存じGAFAM+テスラ(と電気自動車)のシェア急拡大ですね。2021年の6~7月に中小型株はこけて、大型ハイテク株がさらに割高化(ハッキリとしたPER暴騰があります)したので、大型株のリターンがよくなりました。ですがそんな大型株割高化を以てしても、前半10年のノー成長を補えるものではありませんでした(S&P500指数は配当金を全部再投資したのに、21年平均で1.5%以上も負けつづけている)。
近年21年は、小型株圧勝だったわけです。・・・つまり、こういう事がいえます。
【結論】
小型株はリターンが優秀で、再現性ありと考えられるのでおすすめ!
小型株のリターンの良さは歴史も証明すみ
先ほど「小型株は目立たないけど、超優秀なリターン」とお伝えしました。じゃあ小型株の超優秀リターンは、この21年のたまたまだったのでしょうか?
・・・いいえ、たまたまではありません。歴史もそれを証明しております。
【小型株・大型株のリターン検証例】
●1926年~2006年の、4252銘柄(=全米すべての銘柄)を、時価総額別に10グループにわけて検証
●時価総額最大のグループは全米株全体の61.64%を占める。一方時価総額最小のグループは全米株全体の1.5%しか占めない。
で、その80年リターンの結果です。
時価総額 グループ | 企業数 | 全米株式 全体に 占める割合 | 複利 利回り (=リターン) | S&P指数 で云うと | Russel指数 で云うと |
最大 | 168 | 61.64% | 9.60% | S&P500 | Russel1000 |
2 | 179 | 13.81% | 11.00% | S&P500 | Russel1000 |
3 | 198 | 7.24% | 11.35% | S&P500 | Russel1000 |
4 | 184 | 4.02% | 11.31% | S&P MidCap400 | Russel1000 |
5 | 209 | 3.17% | 11.69% | S&P MidCap400 | Russel1000 |
6 | 264 | 2.76% | 11.79% | S&P SmallCap600 | Ruissel2000 |
7 | 291 | 2.15% | 11.68% | S&P SmallCap600 | Ruissel2000 |
8 | 355 | 1.83% | 11.88% | Ruissel2000 | |
9 | 660 | 1.92% | 12.09% | Ruissel2000 | |
最小 | 1744 | 1.47% | 14.03% | Ruissel2000 | |
全体平均 | 4252銘柄 | 100.0% | 10.31% |
全体的にみると、1926年から2006年の80年間で全米市場は年間10.31%もの高成長をたたき出し続けていました。元々世界一の経済大国でしたが、これだけでもスゴイですよね。
・・・ですがその成長力の内訳をみると、実は小型株がブッチギリのリターンで牽引していて、大型株は足を引っ張っている側だったのです。そして小さければ小さいほど、リターンが凄い。
先ほどのリターンのよさは近年の偶然ではなく、歴史に証明された必然でした。ですので自信をもって、小型株への投資をおすすめいたします。
この表はもちろん管理人が勝手に作ったものでも、ヤラセでもありません。ジェレミーシーゲル著書「株式投資 第4章」の第2部第9章「市場に勝つ」の項に示されたものです。
小型株は、こんな風に長期的(20年30年スパン)にみれば凄まじい成長力でした。しかし短期的(5年10年スパン)にみると大型株より劣るシーンもあります。「高配当株」「低PER株」などにように「いつも安定的に市場平均に勝つ」のではなく、「時々やや負けだが、成長時の伸びっぷりはすさまじい」という特徴です。
【結論】
●小型株のリタ―ンは長期になるほど高い。
●小型株のリターンは短期では市場平均以下の局面もあり(一喜一憂する人には向かない)
小型株ETFカタログ
ボリュームが大きいので、別記事に記載いたします。
ただでさえ「小さくて目立たないくせに強い小型株」でしたが、その小型株の中でも更にいろんなETFが存在します。こちらをどうぞ。
参考にした本
【この本で学べる事】
●どうして株が最善の投資先といいきれるのか、実証例・根拠がこれでもかと書かれています。
●その株の中でも、「最大限のリターンを出す法則(当ページ冒頭に記載)」がこれでもかと書かれています。
●この本の法則(リターンをよりよくし・損を絶対しないための法則)を知れば本当に投資すべき会社・分野がわかります。一時の感情論・一般論ではなくありとあらゆる統計・比較によって導き出されています。
最強のETF×最強の証券口座でFIREを早めたい
最強のETF・・・先ほどお見せしたIWM(小型株ばりゅー株ファンド)も候補です。他にも「SPYD」「BRK B」などが最強ETFといえます。
最強の証券口座・・・それはNISA部分では「SBI証券」、NISA以外の部分では「マネックス証券」です。この併用が最強です。
SBI証券
NISA,つみたてNISA枠はSBI証券を使って投資します。小型株ETFは、普通NISA枠でなら購入可能なのでオススメですよ。
【SBI証券の良いところ】
①S&P500連動の投資信託の管理手数料が、日本最安値。
※SBI・V・S&P500という商品で、年0.0938%は最安値です。
②S&P500を上回る投資信託の管理手数料が、断トツの日本最安値
※SBI・V・米国高配当株式という商品で、年0.12%はダントツの安さです。
マネックス証券
NISA・つみたてNISA以外の部分はこのマネックス証券で投資します。
【マネックス証券のいいところ】
●米国株の取扱数が、ネット証券最多の4100超え(2021年6月現在)
ARCCなどの超高リターンファンドも購入可能(SBIでは不可)
●ネット証券で唯一可能な「配当金自動再投資:通称DRIP」は長期投資になるほど高リターン。
●投資信託は、保有期間中ずっとマネックスポイント0.03%(ひと月ごと)が付き続ける。100万円もってたら300ポイントが毎月、入り続ける計算。
このマネックス独自プログラムである配当金自動再投資、本当にたかが数%とバカにできない位、長期になればなるほど凄い破壊力があるんです。破壊力の凄さはコチラに詳しく書きました。
そんな超高リターンファンドも選び放題・配当金自動再投資までできるマネックスは、こちらから開設できます。
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