コロナショック・田舎の小病院では・・?

田舎暮らし

現在(2020年4月)、コロナショックでひどい事になっていますよね。病院でも、影響をとても受けています。みえにくい病院の事情を、支障ない範囲でお伝えいたします。

【託児:普通にできます】

僕の住む岐阜・愛知県でも先日「非常事態宣言」がでました。小中学校は5/6まで臨時休校の継続。保育園・幼稚園もまともに影響受けて、5/6まで臨時休園です。

じゃあ子供預けられないじゃん・・・と思いますが、そこは医療機関。院内託児所は普通に空いており、預けられます。まぁ看護師・薬剤師・医師が「育児で仕事できません」では、だれもコロナ患者さん診られませんからね。

だから子供いる職員さんは、いつもの保育園ではなく、院内託児所を使っています。ここがないと、働けないからなんですね。

【コロナミーティングが沢山】

コロナ対策会議が、臨時でポンポン入っています。現在(2020年4月15日)大病院・都市部での受け入れが難しくなってきており、田舎の小病院といえど軽症者でも受け入れてほしいとなっています。呼吸器科医がおらず隔離病室もない為、最後の手段なのでしょうけど。

【院内への立ち入り:できません】

コロナ対策の為、面会禁止になりました。

規制なし➡面会制限➡面会禁止

 の段階で厳しくなるのです。面会禁止なんて、本当はインフルエンザ大流行の1~2月に2週間とかなんですけどね。それが、今年は3月末からずっと、終わりが見えません。

面会禁止、とかけば一言ですが、結構おおごとです。まず病室への通路はみんな、机で塞がれ通せんぼ。

じいちゃん
じいちゃん

俺の妻、危なくて入院していると思うけど。

一目会わせてほしい。

看護師
看護師

ごめんなさい。感染防止で面会禁止なんです。

じいちゃん
じいちゃん

妻と喋れるの、これで生涯最後かもしれないんだ。

・・・そうか、仕方ないよな。・・解ったよ。

いまニュースで、NYで最後の会話をSkypeでテレビ電話した、窓越しに最後の会話をした、などと話題になっています。じっさい目の当たりにすると、本当に心が痛んできます。直接これを言う看護師さんは、もっと痛むのでしょうね。

【忙しさ(院内):平時より忙しい】

急性期病棟の回転が、速くなっています。患者さんの気持ちは

じいちゃん
患者さん

面会禁止でだれも会いに来てくれない。病院いてもつまらないから、早く返してくれ!

とのことで、それでか知りませんが回転が速いです。肺炎の方でもいつもより早く、解熱する印象。リハビリにマジメな患者さんが、多い気がします。(リハビリくらいしか、やることがない?)

なので、僕ら薬剤師も忙しいです。入院時の問診・検薬➡すぐ退院処理。

そして入院件数も、多い気がします。だからどんどん入退院して、目まぐるしい感じ。もちろんまだ新型コロナ患者さんはいません。(疑いの人もいません)

逆に言えば、コロナショックのような自粛・不況であっても仕事はあるという事です。これは本当にありがたい事です。

【忙しさ(外来):ちょっと少ない】

外来患者さんが少ないです。

じいちゃん
患者さん

病院でコロナウイルスもらったらイヤだ。病院行きたくない!

医師
医師

患者さん来る回数を減らす為、長期処方しよう。なるべく自己注射をだして、病院来なくてもいいようにしよう。

・・・患者さん。医療スタッフ双方が、来院回数を最低限にしようとしています。病院行きたくないとはいっても、電話診療をしてくださるので(病院もさんざん告知した)、

「コロナのせいで、必要な薬がのめていない!」

ということは、ありません。

【物資:足りません】

院内でも不足物が出てきました。ドラッグストアから消えたもの、ありますよね?

マスク、アルコール除菌ジェル、アルコール綿、ハンドソープ

・・・もちろん、病院内でも足りません。足りないのに、消費ペースも早いです。

病院入口のアルコール除菌ジェル(当院ではサニサーラ)が、今まで月2本ペース➡いま毎日1~2本ペースでなくなります。面会者はいなくなったのに、外来患者さんが念入りに消毒しているのですね。

トイレ・洗面台のハンドソープもすぐなくなります。

マスクも全然ありません。当院は幸い、SARS流行時のマスク備蓄がいっぱいあるのですが、それでも利用制限がでています。「一人一日1枚まで」と張り紙してあります。

ちなみにマスクは、洗濯ネットに入れて普通に洗えます。それでも次の日、使えます。

【イレギュラー:電話診断・投薬】

コロナ対策で、電話診療・投薬がOKされたのは記憶に新しいかと思います。田舎病院だとまだ、知らない方が多い様ですが、それでも散見します。

厚労省の文章はコチラ。

当院でもやはり見かけます。

<電話診療の流れ(当院の例)>
※同一処方でよいと主治医判断する場合のみ※
病院:受付が患者の電話うける➡主治医へ繋ぐ➡電話診療➡処方する
保険薬局:処方箋FAXを受ける➡調剤・鑑査➡保険薬局が患者宅へお届け

・・・スタッフはまだ不慣れで、各診療科から院内薬剤部に、問合せがあります。

【薬・物資の急配できない】

病院スタッフは平常通りでも、物資を届ける卸さんは半数しか動いていません。(スズケンさんの例)。ということは、薬・物資を届ける人員も足りないです。だから、急配なんてもってのほかで、できません。

※急配=急に処方されて在庫が不足(もしくは無い)薬を、急いで持ってきてとお願いすること

院内にいると気付きませんが、関係する会社は止まっていますね。

同様に、最近はメーカーさんも立ち入らなくなりました。わざわざ面で会わなくても、テレビ電話でやってよって思います。メーカーMRさんは都市部からくる=名古屋からコロナウイルスもってくる可能性あるので、危険です。

【出勤時の体調管理が厳重化】

3月から、厳重化しました。まず出勤時の報告です。

<出勤時報告すること>
●体温、風邪症状(咳・ハナミズ・頭痛など)の有無、家族の体調
●上記を毎朝、全スタッフが行う

これだけでも大変です。もし体調悪いばあいは、上司に報告・休まないといけません。(出勤すると怒られる)

【コロナ制約で家族にヒビ?】

また、日常も制限されました。休日といえども、自由ではなくなりました。

<日常(プライベート)での制限>
●50人以上の集会にはいかない
●名古屋圏、東京圏、関西圏といった大流行地にはいかない
●上記の人間とも、会わない
●3密を徹底的に避ける
●もし上記を外れた場合、速やかに上司へ報告する

・・・紙でかけば「ああ、仕方ないよな」と思います。が、これならどうでしょうか?

女性
名古屋在住
の祖母

久しぶりに、大きくなった孫に会いたいなぁ!

ちゃすけ
ちゃすけ

だめです。職場で禁止されているのです。
コロナ感染して院内に広めたら、シャレになりません。

・・・これは実例で、妻・その母とケンカしてしまいました。この制約のせいで、家族の仲にヒビが入ります。僕としては娘・孫を想う気持ちは解るのですが、いち薬剤師が感染源になってはいけないので。田舎病院、高齢者が多くコロナが重篤化しやすいのです。それこそアメリカのように、Skypeで会話して頂けないかと思います。抱っこはできませんが・・・

【自己注キットが増えた】

医師もまかせっきりではなく、コロナ対策にあの手この手を使います。

面での問診回数を減らす為、自己注射キットを採用・多用するようになりました。当然、電カルの薬剤マスタに入力登録するのは、システム担当者の僕です・・・

<自己注射とは?>
①注射薬なのに、病院ではなく自分でうてる薬のこと。
②よく見るのがペン型のインスリン。
③最近はインスリン以外も。骨の薬、リウマチの薬、エピペン注射など。
 

おなじみは②インスリン自己注射でしょう。こんなやつですね。

インスリン自己注射の例

製品名は「ヒューマログ注ミリオペン」「アピドラ注ソロスター」「レベミル注フレックスペン」「ランタス注ソロスター」などなど。

それに加え、最近は③です。

<③インスリン以外の自己注射の例>
●テリボン皮下注オートインジェクター
●ヒュミラ皮下注オートインジェクター
●エピペン自己注射用

自己注射は自分で打てる=病院へ行かなくてもいい そのため、コロナ対策で急に増えだして、新規採用した薬も多いです。(エピペンはコロナと関係ないですが、自己注射の例として挙げました)

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