【伸びしろ大】バイオシミラーに投資

投資家の方は、【バイオシミラーのしくみ】まで読み飛ばしてください。詳しく理解したい方は、最初からお付き合いください。

この記事は「バイオ医薬品(分子標的薬剤を含む)」の後発品にあたる、「バイオシミラー(BS、バイオ後続品とも云う)」の投資分析です。僕の本業は病院薬剤師・それも分子標的薬剤の管理を行っています。バイオシミラーは現場で関わるほどに、その重要性がわかってくるものなのでそれを少しでも、お伝えいたします。

バイオシミラーだなんて専門用語で申し訳ないです。でも今後の製薬業界への投資を考えるなら、確実に将来有望な分野です(売り上げ規模は2014➡2019で2倍に!)。時間かけて勉強する価値はあります。

【バイオシミラーとは?】

この様に、バイオ医薬品の特許切れのものを言います。バイオ「シミラー」なのは、全く同一成分ではないが、人間の体にはいればほぼ同一の薬効を発揮する成分だからです。いま注目される「分子標的薬剤」は、特許が切れれば当然バイオシミラーが出回るのです。

だから分子標的薬剤を注目する人は、バイオシミラー動向も注意しないといけません。

【後発品メーカーがバイオシミラー作れるか?】

結論からいうと、あまり作れません。

2018年くらいまでは、売上規模が低分子医薬品>バイオ医薬品(分子標的薬剤含む)でした。だから後発品メーカーは、低分子で同一化合物の「後発医薬品」を作っていればよかったのです。「試験管と三角フラスコで合成」するので、小さい設備で十分作れました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-5.png

作り方としてはこんな感じです。

これを得意としたのが、後発品メーカーの「日医工」「サワイ」「日本ジェネリック」「三和化学」でした。これらの株価は、上市以来伸び続けてきました。

バイオシミラー登場で一変

・・・しかし、2019年あたりから売上規模は、低分子医薬品<バイオ医薬品と逆転。そしてバイオ医薬品の特許切れは、バイオシミラーです。バイオシミラーは大腸菌細胞の中に、目的の分子をつくるDNAを埋め込んで、培養して・・・と、とても手間と設備代のかかる大掛かりなものです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-6.png

つまり作り方はこんな感じです。

「試験管と三角フラスコで合成」が得意だった後発品メーカーは、これらの設備導入する体力も、ツテもありませんでした。だから最近、いわゆる後発品メーカーは株価が伸び悩んでいるのです。

【バイオシミラーの売上推移】

僕が投資家・病院薬剤師として散々注目する理由はこれです。5年で倍増していて、無視できない成長率だからです。しかもこれから特許切れが連発し、よりマーケット占有率も増していくことが確実です。(データが少なくても申し訳ないです)

全医薬品バイオシミラー
201912500005100
201410425002554
医薬品売上 (単位:Million USD)

こちらのサイト(外部リンク)から引用しております。5年でなんと2倍に成長してしまいました。こういう急拡大市場が、バイオシミラーなんです。

また詳しい動向を知りたい方は、こちらも(外部リンク)参照下さい。

現場はバイオシミラーに抵抗はないか?

病院薬剤師・処方医ともあまり抵抗感がありません。バイオシミラーは後発医薬品と違って、非常に沢山のテストをクリアしているものなのと、むしろ先行バイオ品よりもばらつきが少ないという安心感があるからです(バイオシミラーのメーカーMRが一生懸命、アピってました)。そしてバイオシミラーがでると、Drの方から「そろそろ変えようぜ」って逆提案される位なんですね。だから特許切れしたら、(低分子医薬品より遅いとはいえ)置き換わっていくと思います。

【バイオシミラーのメーカー】

投資家の方、お待たせしました。

バイオシミラーをつくれるメーカーは、「①バイオ医薬品をつくるノウハウ」が必要です。

①だと、たとえば自前で先行バイオ薬剤(分子標的薬剤も含む)を開発する会社ならバッチリですね。日本なら小野薬品工業、世界でならメルク(MRK)、アッヴィ(ABBV)、イーライリリー(LLY)、ベーリンガー、アムジェン(AMGN)、ロシュといった会社は自前で作れます。

②そうでなくても、他メーカーや研究所と組んでつくれる会社ならいいです。持田製薬、富士製薬、日本化薬、協和フロンティア、ジーンテクノサイエンスなどです。

上記にあげたメーカーは実際に、バイオ薬剤市場を喰い始めています。

●持田製薬の「フィルグラスチム注BS」は、先行品グラン®をほとんど喰ってしまいました。いまや売上はグラン®<モチダのフィルグラスチムです。

●リリーの「インスリン グラルギン注BS」は、先行品のランタス®(2018年の世界売上2位です!)をかなり喰っています。リリーが元々インスリン発明会社(1923年発売)だから、安心感が違うんですね。

●協和フロンティアの「ダルベポエチン皮下注」は、先行品のネスプ®皮下注をかなり喰っています。これはネスプのバイオシミラー・・どころではなく、「バイオセイム」だからです。似ているどころか全く同成分で価格だけ安いから、バカ売れしています。(後発医薬品でいうオーソライズド・ジェネリックと同じ破壊力です)

一般人にはあまり聞かないメーカーかと思います。先ほどの「後発品メーカー」とも顔ぶれが違います。僕はこういうメーカーが、伸び盛りの製薬メーカー業界でさらに伸びるのではと、予想しています。

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