はじめに断ってくと、これは僕(茶助)の体験談で、主観です。
次に僕のプロフです。調剤薬局A➡調剤薬局B➡調剤薬局C➡漢方相談薬局D➡ドラッグストアE➡医薬品卸F➡病院薬剤部G(=現在)の順番です。実際はその間何度もヘルプ他店も行き、経験店数はもっと多いです。(社名・店舗名を公開するとバレるので、ここまでです)
漢方相談薬局に興味もった方、みえるでしょうか?僕は1年半の経験があるので、書かせていただきます。過去記事はコチラ。
【漢方相談薬局の特徴】
漢方相談薬局は、いくつか特徴があります。やること、求められるスキルは病院薬剤師・調剤薬剤師とも全然違います。
●漢方相談:問診➡診断➡処方➡調剤・鑑査➡投薬➡アフターフォロー➡また問診・・
●病院薬剤師:調剤・鑑査➡投薬➡アフターフォロー➡つぎの処方箋
●薬局薬剤師:同上
このように、漢方相談とその他、というくらい違います。ちなみに漢方相談薬局と、漢方医師の処方せん応需もまた違います。
同じなのは、漢方の知識がメインであること。違うのは、自分で問診・診断・処方をする必要があること、(漢方相談のみ)保険適応がない事。
保険適応がない=患者さん100%自腹です。漢方薬は薬代1日660円とかです。1か月で
の、100%自己負担です。どういうことかというと、同じ一か月分でも、普通のクリニックだと1/10くらいなので、
漢方相談は月2万円もして高い。けど医師では直せない私の症状が、ここでしか治らない!
という状態にならないと、リピートしてくれません。10倍くらい高くても、貴方の漢方がいい!という状態が、漢方の固定客がつくって事。
西洋医学の治療成績と同じだと、当然○×クリニックの方に取られてしまいます。(○×クリニックの方が保険使えて、1/10の負担で済むから)。相当なファンを、作らないと経営になりません。
経営が成り立つ漢方相談とは?
経営成り立つために、何人の固定客が必要でしょうか?
<仮定>
薬剤師1人、お手伝いさん1人いたとします。
給与・社会保障費は薬剤師が年800万、お手伝いさん年300万円で、計1100万円とする。
※800万円のうち数割は、税金や保険などで抜かれて500万手取とする
で、漢方薬は利益率70%程度です。
※相談・診断の(西洋医学と比べ物にならない)手間と、調剤の複雑さ、投薬説明の難しさを考えると妥当でしょう
すると、1100万円を稼ぐのに、1100/0.7=1571万円/年 の売り上げが必要です。
漢方相談代金の1か月分は、2万円なので➡24万円/年/お客1人
<答え>65.5人の固定客が必要!
つまり1571万円/年売る為に、65.5人の固定客が必要です。漢方相談の為には、「あなたの漢方がいい、貴方に治してほしい」というファンが、こんなに必要なのです。しかもこれだけでも給与しか賄えず、家賃・建物の減価償却代・光熱費は別途必要です。
【それでも漢方相談するお客さん?】
西洋医学で治らず、諦めた人が頼る最後の砦が、漢方だったりします。僕も実際、こういう症例がありました。
70代女性、末期がんで医師に「手が施せない」と言われた。このまま弱るの看るのはつらい。どうしたら治るのか?
私は数十年来のアトピー。ステロイド塗ってもやめたらすぐに悪化する。食べれない物も多いし、こんな体質、漢方で治して!
こんな相談がきました。後者はうまく使えば治るのですが前者は漢方といえども、あまり手が付けられません。ただ終末期のQOL向上には、漢方は強いですね。
20代女性で、ひどい脂漏性湿疹の方がいました。西洋薬はステロイド軟膏、ヒルドイドソフト軟膏、ミノマイシン錠、タリオン錠など使って、それでもダメ。だから漢方にすがってきた。
・・・先輩が、見事に治しました!肌症状は肌の薬だけでなく、そもそもの原因であるお腹を治すのが、根本的治療だそうですね。それで
漢方薬すげぇ!
と思いました。そこまではいいのですが、続きが有ります。
その子の友達が、後日漢方相談に来ました。
○○ちゃんみたいに、私の肌も奇麗にしてよ!!
・・・健康な女性だったため、当然漢方薬は出せませんでした。
【それでも漢方やりたい方に】
漢方薬をそれでもやりたい方、多いと思います。
どうしても漢方相談やりたい!
けど開業のリスクは嫌だ。どこか相談やってる所に就職したいな
こう思うのは、僕だけじゃないと思います。こんな方にお勧めなのは、
薬日本堂です。ここは漢方しかやらない会社なので、嫌でも勉強になります。
あとは、個人薬局さんでしょうか。漢方相談ではないですが、漢方医の門前での勉強もオススメです。診断はできませんが、患者さんを漢方で診る、ということは十分に勉強になります。また漢方医は周辺薬局さんと勉強会を熱心にされます。
就職がイヤであれば、勉強会です。いますぐ使える知恵にはなりませんが、知識にはなります。
●コタロー・クラシエの漢方講座>ツムラの漢方講座 がオススメ。
コタロー・クラシエは漢方薬を生薬1つ1つの役割まで解説してくれます。ツムラだと漢方薬の証を全処方分覚えしないといけなくて、結果的に損です。
●あとは「東海漢方協議会」などの、地域ごとの勉強会。
僕はコレに4年間参加していました。最初の基礎から教えてくださるし、応用の利かない「漢方処方の証まる覚え」ではありません。解り易い理論で、教えてくださいます。
僕は常々思うのですが、薬剤師は保守的です。転職しようとか、環境変えようとかせず、心の中でくすぶっている方がじつに多い。
本当は漢方相談したいけど、転職するだけの勇気はないな~。
調剤薬剤師だけど、病院いきたい。でも怖いな~
こうやって、行動しない方が多いです。でも考えてください。薬剤師は不景気でも、引く手あまたです。かりに失敗しても、薬剤師はすぐ就職しなおせます。だからチャレンジしてほしいな、と思います。
【転職するなら】
僕の場合、転職エージェントに10社くらい登録していました。そうすると転職エージェントA社が探せなくても、B社C社がいい案件もってきてくれたりします。多ければ多いほど連絡が多くなってうっとおしくもなりますが(ゴメンナサイ)、落ち込んだ時に「そうかココに転職すればいいや」って後ろ盾でも得たような気分になって、メンタル強くなったりします。
あとは、直接きになる転職先に電話することです。病院だと転職エージェント利用しないところも多くて、そうすると当然エージェントが探してくれません。
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