2020年末時点の各社パラメータ
順位 | 社名 | ティッカー | 国 | 売上 | PER | 配当 利回り | 連続増配 | 利益率 |
1 | ノバルティス | NVS | スイス | 48,659 | 24.82 | 3.5% | 20.3% | |
2 | ロシュ | RHHBY | スイス | 47,480 | 19.33 | 2.7% | 30.7% | |
3 | ジョンソン &ジョンソン | JNJ | 米国 | 42,198 | 26.46 | 2.7% | 20.0% | |
4 | メルク | MRK | 米国 | 43,021 | 29.09 | 3.1% | 17.7% | |
5 | BMS | BMY | 米国 | 42,518 | -15.20 | 3.0% | -16.2% | |
6 | ファイザー | PFE | 米国 | 41,908 | 21.39 | 3.9% | 23.4% | |
7 | サノフィ | SNY | フランス | 41,144 | 8.84 | 3.6% | 38.4% | |
8 | アッヴィ | ABBV | 米国 | 40,291 | 33.41 | 5.2% | 24.8% | |
9 | グラクソスミス ・クライン | GSK | 英国 | 30,857 | 15.67 | 5.1% | 22.8% | |
10 | 武田薬品 | TAK | 日本 | 29,961 | ||||
11 | アストラゼネカ | AZN | 英国 | 26,617 | 42.16 | 2.7% | 19.4% | |
12 | アムジェン | AMGN | 米国 | 25,424 | 18.79 | 2.8% | 35.9% | |
13 | イーライリリー | LLY | 米国 | 24,540 | 21.92 | 2.0% | 24.7% | |
14 | ギリアド | GILD | 米国 | 24,355 | -299.23 | 4.0% | 16.5% | |
15 | バイエル | BAYRY | ドイツ | 19,685 | ||||
16 | ノボ・ ノルディスク | NVO | デンマーク | 19,439 | 23.49 | 0.8% | 42.6% | |
17 | バイオジェン | BIIB | 米国 | 13,445 | 16.66 | 0.5% | 52.6% | |
18 | テバ | TEVA | イスラエル | 16.66 | 0% | 15.4% |
機械的に数値でみていくと
これまでトータルリターンのよかった会社の傾向はこうです。
●割安であること(低PERである)
●利益率が高い(≒よけいな開発費・事業投資をしていない)
●<少し大事>配当利回りが高い
これらがよかった企業(赤太字)を機械的にピックアップしてみます。
【会社の成長性≠トータリルターン(儲け)】
よく誤解されますが、株主をもうけさせてくれる(リターンが良い)のは、会社の成長ではありません。これはPER等の「バリュエーション(割安性の事です)」をみればいいのですが、これから伸びるぞって会社は最初からPERが凄く高いです。つまり将来の伸びがすでに株価に織り込まれていて、割高になっているのです。
例)2021年4月時点のテスラ
●アムジェン(AMGN)
高利益率で35%を超えています。PERも低く19倍です。
●ロシュ(RHHBY)
利益率30%と高く、PER19.33倍という低さです。おまけにポートフォリオは分散していて、これからどう考えてものびる抗がん剤領域にものすごく強い会社です。なんで投資できないんだろ・・・
●バイオジェン(BIIB)
利益率50%超えはこの会社だけで、近年は常時40%を超えています。PERも16と低いです。
●サノフィ(SNY)
利益率・PERは一時的に凄いですが、売却益の部分が大きいです。かりに売却部分がないと利益額は約半分だそうなので、PER19,利益率19%程度となります。それでもPERの低さと、もつ商材はダメではなくて、4%もの高利回りもあって十分に検討予知あります。なんで投資できないんだろ・・・
●グラクソスミス・クライン(GSK)
低PERで高利回り5.2%と、大変お買い得になっています。昨今の高利回り株の例にもれず、株価は下がったけど配当金はあまり下がらなかったからです。おまけに英国ADRで、配当課税が少ない為、高配当狙いの投資家たちに大人気な有名株です。
●ノボノルディスク(NVO)
利益率43%が目を引きますが、売却で一時金を手にしたのではなく常時40%超えなのが驚異的です。利益率の高さはほとんど事業の参入障壁の高さと直結するので、目を離せません。
薬剤師目線で薬の将来性をみると
持っている商品(医薬品名)から考えていきます。
【管理人独断の感覚】
●関節リウマチの分子標的薬が、大市場を形成しつつある
●分子標的の抗がん剤が、地球の高齢化に伴って躍進中
●2020年~コロナワクチン、コロナ症状軽快薬の特需あり(特需なので、コロナ収まったら激減を予想する)
●呼吸器化薬を多く持つ会社は、アフターコロナで大気汚染深刻化したらまた伸びると予想。バイデン政権の環境対策で、待機汚染が減ればさらに縮小すると思われる。
●糖尿病市場は最大のマーケットで、人口の10%は糖尿病といわれる位。しかもインスリンは3社の寡占状態で、値崩れしにくい。
●C型肝炎薬は、バブル崩壊で将来性なし
●特許切れ薬は、「後発医薬品(低分子薬の特許切れ)」は将来性なし、「バイオシミラー(バイオ医薬品の特許切れ)」は一考の余地あり。
●アッヴィ(ABBV)
関節リウマチ薬のヒュミラを持っています。しかしヒュミラ依存なお50%超、米国特許も2023年まで。ネクストヒュミラが見当たらないので、将来性は疑問符。
●テバ(TEVA)
後発医薬品に依存しきる会社なので、とても危険です。2016~17年にバブルはじけて株価暴落したのも、記憶に新しいところです。一旦バブル崩壊するとかなり割安化するものですが、いくら割安でも商材が後発医薬品では・・・と考えてしまいます。しかもアニュアルレポートの形式・集計方法を買えたりして、同じ年度の売上なのにいつのレポートによるかで違っていたりもします。透明性に欠けるレポートは不都合だからだと考えてよいので、手出し無用です。
●グラクソスミス・クライン(GSK)
呼吸器依存43%ですが、その呼吸器情勢がよくありません。コロナによる移動控え、工場稼働率低下によって大気汚染が下がっているから必要とされていないんです(とても喜ばしい事なのですが)。ある意味景気敏感株のような性質をもつ会社なので、製薬会社ポートフォリオ作る時はこれを混ぜると分散が利きます。
●ノボ・ノルディスク(NVO)
売上80%が糖尿病で、その大部分はインスリンという特化ぶりです。しかしインスリンは3社寡占状態で、値崩れしにくい市場です。おまけに長時間インスリンのトレシーバ®の様に、他社より一歩先の商品を持っています。さらには糖尿病薬の売上規模は世界一で、つまり同じ品質のモノを大量生産で安く作れる状態です(マーケットリーダーの優位性です)。デンマーク株である・ランキング上位ではない、という注目を集めにくい・バブルしにくい要素を持っています。
●アムジェン(AMGN)
商材はエンブレル、プラリア、オテズラ、ランマークといった分子標的薬に依存します。エンブレルはもう落ちるばかりですがほかは特許も長く伸び盛りです。少数の高額薬に依存する危険性ですが、どれも対象疾患は外的要因に左右されにくく、これから右肩上がりにのびる疾患ばかりなので将来性もあります。
●ギリアド(GILD)
高配当株で、2016年頃のバブル崩壊でお安くなっています。いまの主力HIV薬・ベクルリーについて。前者は横ばい~やや低下、後者はコロナ特需に沸いています。病院薬剤部でベクルリーの使用頻度は明らかな使用増を目にするので、次期決算はかなりベクルリーで儲けると予想できます。加えてジセレカ錠®はピーク時売上256億円(220Million USD)予想とかなり大きいです。ただしHIV情勢とコロナ情勢を見極めないと、投資タイミングは難しそうです。
●ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMY)
セルジーン社買収で利益率・PERはボロボロですが取り返せる借金と考えられます。なぜなら所持商品が魅力的で、常時の利益率も23%くらいと悪くないからです。買収商品レブリミド・ポマリストもセルジーン時代よりも売上ていて特許も長い。オレンシアは唯一無二の作用点をもつリウマチ薬なので安定性大ですし、オポジーポ・ヤーボイは分子標的抗がん剤でしかも特許長め。将来性ありです。
海外製薬会社をえらぶ理由
それはセクター戦略からきています。医薬品会社の属すヘルスケアセクターというのは、成長率ナンバーワンのセクターだったうえこれからも伸びると予想できるからです。
そして管理人検証の結果、「ランキング上位から、何も考えず機械的に分散購入する」だけで安全に、市場平均に勝てることまで解りました。
●あくまで管理人の独断です。投資判断は自己判断で行ってください。損したなどのクレームは受けていません。
コメント