2011年末の配当チャンピオン(≒配当貴族)銘柄全リスト
2011年末時点の配当チャンピオン(≒配当貴族)は下記のように、102社もありました。日本では一社も存在しなかったので、凄い国ですね米国は。
このうち、執筆時点(2021年6月8日)で追跡可能だったのは79銘柄でした。その79銘柄について、下記の追跡をしました。
【リターン検証方法】
●上記配当チャンピオン102銘柄のうち、追跡可能な79銘柄を対象とする
※23銘柄は買収・上場廃止などで追跡不可能だった
●リターンは下記の3種類とも検証する。
①トータルリターン(配当金は年末に、再投資する)
②再投資なしリターン
③株価が前年比20%下落したら損切。
【用語】
★5年後リターン=2011年末投資し、2016年末にいくらになったか?
★5年間の年率リターン=2011年末投資した場合、2016年末までに1年あたり何%増えているのか
★10年後リターン=2011年末投資し、2021年6月にいくらになったか?
★10年間の年率リターン=2011年末投資した場合、2021年6月までに1年あたり何%増えているのか
※23銘柄を切ったのは、追跡不可能だからで見栄えをよくするなどではありません。23銘柄は業績不振で廃止したものもありますが、買収してプレミアついたものも多いですよ。
そこで解ったことは、以下でした。
【配当チャンピオンの10年検証から見えたこと】
●配当チャンピオン(≒配当貴族)は、そうでない銘柄よりもリターンがよくオススメ!
●配当チャンピオン(≒配当貴族)にかぎらず、配当金がでたらすぐに再投資せよ!!
●配当チャンピオン(≒配当貴族)に限らず、下落したからといって損切するな!!
●配当チャンピオンに限らず連続増配年数が長いほど、リターンは良い。
●「2011~2021年」・「配当チャンピオン」に限ると、配当利回りの高さとリターンは逆の関係だった。
・・しかし「超長期間」・「全銘柄」でみると、やはり配当利回りの高さがリターンの高さにつながる。
●「2011~2021年」・「配当チャンピオン」に限ると、PERとリターンは無関係
・・しかし「超長期間」・「全銘柄」でみると、やはりPERの低さがリターンの高さにつながる
面白いのはこれらほぼ全てが、2003年にジェレミー・シーゲル博士が唱えた理論です。それが2011~2021年においても通用しているという事です。時代が変わっても、通用すると考えていいでしょう。
配当チャンピオン(≒配当貴族)のリターンは、市場平均に勝てるのか?
まずは、全体の比較です。配当チャンピオン全体でみた、5年後・10年後の儲けです。
AEL Profile | American Equity Investment Life Stock – Yahoo! Finance
79銘柄平均 連続増配年数 | 79銘柄平均 利回り | 79銘柄平均 PER | 5年後リターン | 5年間の 年率リターン | 10年後リターン | 10年間の 年率リターン | |
S&P500 | – | – | – | 1807 | 12.56% | 3352 | 12.86% |
79銘柄平均 | 40.3 | 3.0 | 15.6 | 1915.26 | 13.88% | 3286.50 | 12.64% |
・・・この通りです。配当チャンピオン(≒配当貴族)は5年リターンでは大差がち、10年リターンでやや負け。つまり6年目~10年目で大きく負けていました。
今度は配当貴族指数(連続増配25年以上かつ S&P500採用銘柄)と、S&P500を比較します。
●配当貴族指数
〇銘柄は常時入れ替えている
〇連続増配25年以上 かつS&P500採用銘柄 である
●配当チャンピオン
〇銘柄は2011年末のまま
〇連続増配25年以上 であるのみ
よく似た傾向でして、5年リターンは配当貴族指数が勝っていて、10年リタ―ンはS&P500指数がわずかに勝っています。ですがそれまでの間、殆ど配当貴族指数が勝っていますよね。そして現在のS&P500指数は、2020年6月ごろからつづく割高状態です。割高状態になると、割高にする犯人は配当チャンピオン以外の銘柄(つまり無配当や連続増配の短い新興企業たち、現在ならGAFAやテスラ、電気自動車銘柄、ワクチン銘柄など)と相場が決まっています。
なので、以下の事がいえます。
【結論】
●配当チャンピオン(≒配当貴族)は、そうでない銘柄よりもリターンがよくオススメ!
※但し割高状態(バブル局面)では、一時的に負ける。
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