【セクター戦略】製薬企業株は機械的に分散購入しても市場平均に勝てる!

分析方法

悩む人
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製薬会社の株銘柄が手堅いと聞きました。じゃあ何も考えずに製薬会社ランキングの上から順に分散投資するのは、オススメですか??

【この記事を書く管理人について】
●現役病院薬剤師。ヘルスケア株の生の情報を日常的に仕入れられる
●投資方法は現物の株のみ。それもバイ&ホールドのみ。
〇信用取引・FX・債券(ボンド)・貴金属には一切投資しない。損切せずただ機械的に買うのみのスタンス。
●投資歴10年(昔は貴金属のみやってた、株式は2019年~)、資産額1300万円程度、含み益+150万円程度
●2020年のリターンは+15%程度

こんな管理人が、解説いたします。

1:製薬会社ランキングの上から順に買うのは・・・オススメできます!

製薬会社ランキングの上から順に分散投資するの、オススメです。

その理由①:製薬会社=シーゲル博士の検証でセクタ別最良リターンだった「ヘルスケア」だから。

ヘルスケアセクターだからオススメだというのは、実際にシーゲル博士の検証データがあります。下記のページを参照ください。すべて私の個人的検証ではなく、一番権威ある経済学者が、すべてのS&P500採用銘柄を調べて50年間追跡し、得られた確信となります。

【安全投資】米国製薬企業をおすすめする根拠(シーゲル理論)
悩む人 株式投資をしていますが、安全に増やしたいです。製薬株はリターンがイイって聞いたけど根拠はあるのでしょうか?? 【この記事を書く管理人について】●現役の病院薬剤師。医薬品・医療機器を毎日触るのでヘルスケア分野の生きたニュースを知ってい...

近未来の製薬会社ランキング上位も、やっぱり強かったです。

※リターンの検証方法については、こちらを参照下さい。「シーゲル博士の方法」になるべく私のできるかぎり、忠実に行ったつもりです。

<検証方法>株のトータルリターン
(注意:数式のゴチャゴチャした話になりますので難しめですよ) 株式の本当のトータルリターンの計算をしてみます。 トータルリターン計算となると、色々なサイト・ブログで計算方法が異なります。そこで管理人は、世界一権威ある方の計算方法に、可能な限...

投資家には超有名なこの「赤本」の第1部第1章に、はっきりと同じ方法が書かれています。

管理人が2006年時点での製薬会社ランキングから、14年後である2020年末までを全て検証しました。そしたらリターンが勝っていました。すべての製薬会社のリターンを14年も追うの、結構しんどかったです。しかしシーゲル理論が間違っていない事は、確信を持てました。こちらをご覧ください。

順位社名ティッカー2006PER配当利回りリターン成長率連続増配2020
1ファイザーPFE45,0835.133.565.35%0.52%47,644
2グラクソ・スミスクラインGSK39,3358.113.251.63%-2.16%23,6481GBP=1.3867USDで換算
3サノフィ・アベンティスSNY37,46110.372.483.51%-0.44%30,3981EUR=1.184USD
4ノバルティスNVSスイス29,49110.121.675.19%4.89%48,659
5ロシュRHHBYスイス27,31812.352.412.01%5.11%41,6651CHF=0.9363USD
6アストラゼネカAZN25,7417.262.318.49%0.75%25,890
7ジョンソン・エンド・ジョンソンJNJ23,26711.712.218.59%5.23%45,572
8メルクMRK22,63612.843.367.23%3.42%35,251
9ワイス(現ファイザー)WYE16,88450.39
10イーライ・リリーLLY14,81612.932.9311.42%3.96%23,754
11アムジェンAMGN14,26821.97010.23%4.88%24,214
12ブリストル・マイヤーズスクイブBMY13,86119.134.478.97%7.60%42,518
13アボット・ラボラトリーズABT12,39516.281.186.98%7.07%34,600※医療機器売上
14ベーリンガー・インゲルハイム11,637投資不可
15バイエル・シエーリングファーマ9,873投資不可
16武田薬品工業TAK日本9,613投資不可
17ジェネンテックDNA9,284
18シェリング・プラウ(現メルク)SGP8,561
19テバ製薬工業TEVAイスラエル8,40852.22
(割高)
0.79-6.61%8.63%16,659
20アステラス製薬ALPMY日本7,717投資不可
21ノボ・ノルディスクNVOデンマーク6,85818.81.6617.58%8.11%15,9381DKK=0.1579USDで換算
平均S&P500平均値100017.306.10%6.10%2291.531

【市場平均(S&P500) vs 製薬ランキング】
<勝利>👑ノボノルディスク(NVO)、ロシュ(RHHBY)、イーライリリー(LLY)、アムジェン(AMGN)、ブリストルマイヤーズ(BMY)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、アストラゼネカ(AZN)、メルク(MRK)、アボット(ABT)

<敗北>💀バ製薬(TEVA)、グラクソスミス(GSK)、サノフィ(SNY)、ノバルティス(NVS)、ファイザー(PFE)

<同じ1000USDを投資すると>
●市場平均(S&P500)は年率6.1%のリターンだったので、2020年には2291USDに増えていた
●製薬会社ランキング14社分散では年率7.18%のリターンだったので、2020年には2640USDに増えていた
●市場平均に投資するには、年率0.1%程度の管理手数料(eMaxis Slim 米国株式S&P500という、手数料最安値の投資信託で)をとられるのでもっと悪くなる。

これだと信じてもらえないかもなので、すべてグラフデータを公開します。

勝ち組のリターン全て検証

●ノボノルディスク(NVO)のトータルリターン検証

●ロシュ(RHHBY)のトータルリターン検証

●イーライリリー(LLY)のトータルリターン検証

●アムジェン(AMGN)のトータルリターン検証

●ブリストルマイヤーズ(BMY)のトータルリターン検証

●ジョンソン&ジョンソン(JNJ)のトータルリターン検証

●アストラゼネカ(AZN)のトータルリタ―ン検証

●メルク(MRK)のトータルリターン検証

●アボット(ABT)のトータルリターン検証

負け組のリターン全て検証

●テバ製薬(TEVA)のトータルリタ―ン検証

<危険>唯一元本割れした銘柄です。こういう地雷銘柄を避ける方法、それは後で解説する割安株(バリュー株)を狙う、つまりPER25以上は足切りすると自分ルールを設定してしまえばいいです。これは「元々PERが50と超割高だった」「後発医薬品というビジネスモデルが時代遅れだった」という悪材料が重なった銘柄です。

●グラクソスミス(GSK)のトータルリターン検証

●サノフィ(SNY)のトータルリターン検証

●ノバルティス(NVS)のトータルリターン検証

●ファイザー(PFE)のトータルリターン検証

●検証データに武田薬品・アステラス等が入っていないのだけど・・?
 > バイアスではなく、データを追跡できなかったので除外しました。またワイス・ジェネンテック・シェリングプラウなども、そもそもデータを追跡できなかった為除外しました。バイアスではないです。

ですので製薬会社ランキングの上から順位買っても勝てますよ。

製薬ランキング+割安性も考慮すると、もっと勝てるのでオススメ。

どうせなら製薬会社の上から順位買うだけでなく、割安性PERも考慮するとなお良しです。(=バリュー株を狙え、という事)

こけたテバ製薬はPERが高かったから、つまりバブル状態だったからなのです。これもシーゲル博士の検証から散々言われている事です。

【バリュー株戦略】うっかり割高株(PER25超え)をつかんでいませんか?(シーゲル理論)
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先ほどのランキングで唯一こけたテバ製薬は、2006年時点でのPERが50超えのバブル状態でしたよね。つまり実際利益の50倍以上の高値がついていたのです。こういう地雷銘柄は、「PER30を超えたら買わない!」と機械的に決めておけば、避ける事ができます。

超高PERだったテバは論外ですが、それ以外もPERとリターンの関係はあまりないことが解ります。だったらテバのような地雷銘柄を避けるためにも、PER30以上は捨てるようにしたほうが安全なのです。それは先ほどの製薬会社ランキング2006年の、リターン追跡からもわかります(下記図ですよ)

※ちなみに2021年4月現在は、GAFAMどれもPER30超えしています。つまりGAFAMは機械的に買わない!とするって事です。将来有望だから話は別・買ってもイイやとなると、それこそテバの二の舞になるかもしれませんよ。

●テバを除外するためのバイアス?
 > 違います。シーゲル博士の検証から、低PERグループほど高リターンだったと解っているからです。PER20超えはやめなさい、とはっきり書かれている。
※現在は株式市場への資金流入量が増えているので、PER25まではOKなのではと個人的な感覚をもっています。

どうせなら製薬会社ランキング上から順でかつ低PER、とすべきです。具体的にはPER20~25以下に絞るべきでしょう。

参考:会社成長率が高いと、リターンも高まるのか?

近似曲線を見ての通り、かなり緩い相関しかありません。どうしてかと云うと、たいして成長してないのに高リターンだったサノフィ(SNY),ファイザー(PFE)、アストラゼネカ(AZN)、のような例もあるからです。テバ(TEVA)に至ってはものすごく成長したのに、リターンは最悪で年6%ずつ失われる結果となりました。

結論:業種成長率はみなくてもOK(それよりPERでみてなるべく低い物を選ぶ・25以上は論外、としたほうがよい)

オススメの投資方法

買って放置する(=長期投資)であれば、株式100%で十分です。現金・国債・債券・金はすべて無用となります。

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市場平均「以上」を狙う株式投資家は必読の本たち

【この本で学べる事】
●投資する上で、高リターン・低リスク資産が「株式投資」である根拠
●株式投資で利益を確率の高い方法で最大化・市場平均以上にもうけるための各種法則
 ※今回の「ヘルスケアセクター」をえらぶ理由、「高PER株」をさける理由もここにはっきりと、根拠をこれでもかと書いてあります。
●文字ばかりで一見難しい内容です。しかし言っている事は単純な各種法則で、「細かな分析しなくても、業界をあまり知らなくても法則をあてはめれば儲かるよ」という事が書かれています。一度知ってしまえば簡単です
●新規参入株(IPO株)に手をだしてはいけない理由。高すぎる期待値は、リターンを打ち消してありあまる。
●長期投資するうえで、損切がイケナイ理由(大恐慌の時・フィリップモリスの例からよく判ります)
・・・管理人はこの本の法則を愚直に実践することで優良株を安値で買えるようになり、リターンが伸びました。

【この本で学べる事】
●投資信託(ミューチャルファンド)はインデックスファンドが、アクティブファンドより優れている理由。
※アクティブファンドは低リターンだけでなく高コスト
●ファンドマネージャーが市場平均に負けても、個人投資家たちが勝てるもっともな理由と手法について。目から鱗ですよ

私はとりあえず「株式投資の未来」を買って読めばいいと思います。ネット記事だけではどうしても(検証や情報量が少ない為)確信が持てないので、確信をつけるために本という形が必要かと思います。

世の中には株式投資の本はあふれていますが(私は殆ど目を通しました)、検証不足だったり、たまたまうまく行った事を結果論で書いている本が多い印象です。買いたいと思った本は「バカでも稼げる米国株 高配当投資」くらいでした。私は他の株式投資本はいらないと考えているので、ここではオススメしていません。

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