全体的な業務は
全体的な業務は・・こちらを参照下さい。
【外来➡薬剤部】乳汁が止まらないのだけど・・・
外来診察中の内科医師➡僕に、あった問合せの例です。
妊娠も授乳でもないのに、最近母乳がとまらない。下着が黒く汚れて臭くなる。という問合せでした。
薬剤師なら真っ先に疑う事があります。ちょっと専門的ですが、こんな内容。
➡視床下部のD2ブロック作用?
➡D2遮断で、バソプレシン分泌はUPする
➡バソプレシンは乳汁分泌ホルモン。乳汁が漏れてしまう。
●D2遮断薬と言えばナニ?
➡抗精神病薬(ほぼすべて)
➡吐気止め(ドンペリドン、メトクロプラミド)
➡これらを呑んでいるとしたら、D2遮断しない代替薬も考えておく。
で、実際医師に問い合わせると「実は吐気止めで、ドンペリドン錠を毎日服用中」とありました。被疑薬なので中止させ、さらにD2遮断しない代替薬として「五苓散」をだしてもらいました。
<後日談>この方の吐気はストップ。乳汁分泌もこれで止まり、患者さんが薬剤部まで、直接感謝にみえました(医師が僕の名前を出してくださった為です)。
【外来➡薬剤部】パーキンソン病の薬、粉砕していい?
訪問看護師➡薬剤師(僕)に、突然かかってきた電話相談です。
「コムタン錠、パーキストン錠を粉砕してのませてもいいか?」という内容です。即答できないので、調べます。調べ方はこの通り。
①粉砕ハンドブックを見る(薬剤部になら有るはず)
②インターネットのPMDA➡インタビューフォームで見る
①薬剤部なら粉砕ハンドブックはまずあります。体が弱って入ってくるのが病院だから、嚥下低下➡粉砕しか受け付けない、場合も多いですからね。
②やはりインタビューフォームは、最強の薬情報ツールです。あまりに情報量が多い為、辞書のように検索機能を使いましょう。こちらも参考に。
×:1ページ目から順に調べる(情報多すぎて時間かかる)
〇:検索窓で単語を調べる「Ctrl+Fキー➡”粉砕”、と入力する」
これで粉砕の可否は調べられます。ちなみにコムタンは「粉砕」でヒットしません。粉砕は不問だからです。
2剤とも粉砕OKを確認できたので、あとは訪問看護師さんに折り返し電話「粉砕OKです」と返すのみです。
【病棟➡薬剤部】薬が消化されてない・変なカスが便に混じる
病棟看護師さんから、僕宛にあった相談です。
薬が消化されてないよ!へんなカスが混じってる。これ効いてないよ!
看護師さんは結構ビックリされているのですが、僕は「ふうん」と思いました。まぁ、やる事は基本的にコレです。
①患者さんの体内に入る、すべてのモノを調べる
※モノ=食品・サプリメント・薬の全て
②その中で、今回の事象を起こしうるものを見つける
※薬が全部の原因とは限りません
「消化されていない」、「へんなカスが混じる」・・・このキーワードを聞いたら、真っ先に疑うべき事があります。
・・・「ゴーストタブレット」です!
そう、薬成分は吸収されたのに、薬の入っていたカラ(=ゴースト)だけが便排出されているのです。もっと言えば、「正しい薬は正しく患者体内に入っている」のです。まったく問題ない。
次に、患者さんの体内に入っている、全ての内服物を調べます。もちろん食事・サプリメントも全部ね。
するとごはんは普通の白米や魚・味噌汁など。サプリメントは黒酢ニンニクのみ。内服薬は「アムロジピン錠5㎎、ニフェジピンCR錠20㎎」でした。
問題1:この患者さんの、白いカスの正体どれか解りますか?
答え1:ニフェジピンCR錠20㎎のゴーストタブレットと考えられます。これは徐放製剤化するために、頑丈なカラの中に成分が入っているからです。
ちなみにこのニフェジピンCR錠、学生時代に薬剤学で習っていて、薬剤師全員知っていないとダメですよ。他にも色々あるので代表的な次の一覧を、頭に入れておいてください。
薬品名 | 備考 |
バルプロ酸Na徐放錠 | 白いカスが混じる |
セレニカR顆粒® | 白いカスが混じる |
メサラジン錠250 | 白いカスが混じる |
テオフィリン徐放錠200㎎ | 白いカスが混じる |
ニフェジピンCR錠20mg | 白いカスが混じる |
他にも沢山あるので、「徐放製剤=ゴーストタブレット」を疑ってかかってください。もちろん薬剤師さんは、どれが徐放製剤かみ分けられて当たり前ですよ!
【外来患者➡薬剤部】汗も涙も赤くてコワイよ~
いざ電話で問い合わせ受けると、すごいパニックになりますよ。
退院してから、汗がまっかっかで白い服がまだらピンクになっちゃった。オシッコも涙も赤いよ。血でも出てるのかな?
こういう感じでパニック・恐怖状態の電話を受ける事になります。しかもこういう問合せに限って、忙しい昼間だったりするんですよね。
もちろん基本的なすることは同じです。
①患者さんの体内に入る、すべてのモノを調べる
※モノ=食品・サプリメント・薬の全て
②その中で、今回の事象を起こしうるものを見つける
※薬が全部の原因とは限りません
今回は、こうでした。
食品=赤い食品は摂っていない。 サプリメント=のんでない。
医薬品=前回のこの病院の退院処方をそのまま飲んでいる。
で、退院処方をみるとこうでした。
●エパデールS300カプセル 3CP/分3毎食直後
●リファンピシンカプセル300 3CP/分1朝食後
どれが犯人か、解りますかね?
➡➡リファンピシンカプセルです!実際にインタビューフォームにもこう載っています。
ですから患者さんには「リファンピシンの色で赤くなる。出血などではない」と伝え、不安(薬を飲むことでのマイナス)を取り除いてもらえました。薬をのむプラスをつたえ、マイナスを取り除くのが服薬指導ですからね。
・・・退院指導の時、しっかりとリファンピシンの着色について、伝わっていなかったから問合せがあったのですね。退院指導はとても大事なんです。
他にも薬剤師は、「着色する薬」を知らないといけませんよ。
薬品名 | 色 | 備考 |
リファンピシン150® | 赤 | 涙とソフトコンタクトレンズ、 便、尿、汗とほとんど 結構濃い |
センノサイド® | 赤 | 尿 |
アザルフィジン® | 黄赤 | 汗、爪、涙 |
クエン酸第一鉄Na | 黒 | 便(血便と勘違い多) |
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