一般の方なら、「この社名、聞いたことがある」となら思うのでは。私は薬剤師で、毎日この会社の薬を触っているので存じています。
本社は英国で、英国一の売上高を誇ります。世界でも第5位(2019年、出典元はコチラ)の大手企業です。
もちろん、世界中で売り上げがあります。
項目 | 独自基準 | 実際は |
営業利益率 | 10%以上 | 20.60% |
自己資本比率 | 50%以上 | 14% |
流動比率 | 200%以上 | 81% |
配当金 | ー | 2.00USD |
配当利回り | 3.75%以上 | 4.72% |
分野 | 手堅い業種が良 | 医薬品 |
営業利益率は20.6%と高水準です。ただし自己資本比率14%、流動比率81%と低く、財政がいいようには思えません。
2020年3月~のコロナショックで世界経済は混乱しましたが、その為の取組みも積極的でした。ライバルとの協同で、ワクチン開発にも着手しました。
【詳しい業績】
売上の内訳はこうです。
<医療用医薬品:52%>
僕は薬剤師なので医薬品業界の動向は、肌で感じます。主力だったアドエア吸入は、後発品のため減少が予想されます。
地球全体が高齢化するので、医薬品業界は確実に伸びます。僕がみている部分は
●大気汚染が深刻化するので、呼吸器薬は強いか。
●高齢化でがんが増・分子標的薬が増加するので開発できるのか。
これらを見ています。呼吸器科には元々強く(あのアドエアを売っている)、コロナウイルスのワクチン・治療薬も開発してきており、文句ないと思います。製品としてはレルベア吸入®、アドエア吸入®など。
鼻炎薬も大きなシェアで、アラミスト噴霧®、ザイザル®など。後発品は当分でず伸びている分野で、これからも安定すると思います。
ただ急増が見込まれるがん領域の分子標的薬剤は、これだと思う薬は見つかりません。良くも悪くも、呼吸器・耳鼻科に特化している印象です(=小児科では沢山のグラクソ製品を見かけます)。
<コンシューマー:27%>
これは市販薬の事です。「コンタック®」は風邪薬、「ポリデント®、ポリグリップ®」は入れ歯の洗浄・安定剤、「シュミテクト®」は知覚過敏にやさしい歯磨き粉で、おなじみですよね。
この様に、医薬品領域の中で、広範囲に分散されたポートフォリオを持っています。
【配当】
常時5%前後の配当利回りをもち、なかなかの高配当です。
また英国のADR(米国預託証券)です。これは配当金・分配金の課税上の利点があります。
現地源泉税率 | 国内源泉税率 | 税引き後 (現地+国内) | |
米国株 | 10% | 71.72% | |
英国株 | 0% | 79.69% | |
オーストラリア株 | 0% | 79.69% | |
インド株 | 0% | 79.69% | |
メキシコ株 | 0% | 79.69% | |
カナダ株 | 15% | 67.73% | |
ロシア株 | 15% | 67.73% | |
アイルランド株 | 20% | 63.75% | |
台湾株 | 21% | 62.95% | |
デンマーク株 | 27% | 58.17% | |
ベルギー株 | 30% | 55.78% | |
スイス株 | 35% | 51.80% |
(減配=経営陣はクビという本気度の)米国株と比べると、GSKのような英国株は割とあっさり減配しています。2009年の減配はユーロ安だからです。また1991年や2000年の記念配で景気よくだしているので、いびつになっています。それでも長期的には右肩上がりで、ハラハラしますが持っていて安心できます。
【長期的な株価の推移】
グラクソスミスクライン(GSK)の長期的な株価推移
ずっと伸び悩んで、1998年の70USDを回復する兆しはありません。医薬品業は寡占がすすんでいますが、新興国(東南アジア、インド、南米)での伸びしろはまだまだあります。地球全体が高齢化しており、将来的にはまだまだ伸びる業界です。
最近のリアルタイムチャートもあります。こちらをどうぞ。
【最近の株価(リアルタイム)】
2020年コロナショックでも、20%減で耐える底堅さです。セクターが「医薬品」だからですね。(RDSBなどの景気敏感株は50%減とかですよ!)医薬品業界はコロナショックで売り上げはむしろ伸びているので、株価を伸ばしそうなものです。それが20%落ちたのは、「ついでに売られた」からと推測されます。
株市場全体が暴落してる。(GSKも含まれる)インデックスも売ろう!
こうやって業績がいいのに、売られた可能性が考えられます。ちなみに僕はそれを狙っていたので、この時期にボーナス2.5回分をぶち込んで色々漁りました(笑)
グラクソの様な「医薬品業界」は、こういうコロナショックでもどこを吹く風です。主戦上である医療機関は止まりませんからね。コロナ肺炎で呼吸器が悪くなれば、それこそグラクソの呼吸器薬は沢山あるので使われます。
僕の取得単価は41.314USDで、150株を、2019年9月に購入しています。コロナショックで株価が下がっても、下がりを打ち消す配当金も沢山入りました。こういう手堅さが、(手堅いセクターでの)高配当株のいいところですね。
※本記事の数値はすべて、2020年5月14日現在の最新情報に基づきます
【どこの証券会社で買えばいい?】
グラクソスミスクラインは大企業なので、取り扱わない証券会社はないと思います。その中で僕のオススメ証券会社は、「楽天証券」です。株価チャートが見易く、外国株の売買手数料も業界最安値ランクです。
米国株とは関係ありませんが、楽天ポイントを使って投資信託・日本株も購入可能です。
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