車中泊できたらとっても便利なんだけど、お金ないから軽自動車がいい。どんな軽自動車なら車中泊できるのか?メリットとデメリット教えて~
こんな悩みにお答えします。
●軽自動車で車中泊するメリット・デメリットは?
(初期費用・維持費・狭い道でもOK・日常使いしやすさ・衝突安全性)
軽自動車で車中泊する場合は、メリットとデメリットがあります。そんなの知ってるよと言われそうなので、まとめておきます。
車中泊できる車として、代表的な車中泊車で比較してみます。
車中泊 快適度 | 新車価格 | 燃費 | 車中泊スペース | ユーティリティ ナット | ||
○ | ハイゼットカーゴ クルーズターボ4WD | 160.6万円 | WTLCモードで 14.8Km/L | 荷室長1915㎜ ×幅1410㎜ ×高さ1250㎜ 荷室のみで完結 | 有 17か所 | |
○ | エブリィワゴン PZターボスペシャル ハイルーフ・4WD | 192.9万円 | WTLCモードで 13.3Km/L | 荷室長1800㎜ ×幅1355㎜ ×高さ1420㎜ 荷室のみで完結 | 有 10か所 | |
△ | N-VAN +STYLE FUN ・4WDCVT | 176.2万円 | WTLCモードで 17.4Km/L | 荷室長1510㎜ ×幅1390㎜ ×高さ1365㎜ 運転席助手席も必要 (縦が短すぎる為) | 有 28か所 | |
▲ | N-BOX EX ・ターボ・4WD | 196.2万円 | WTLCモードで 19.2Km/L | 荷室長1535㎜ ×幅1120㎜ ×高さ1200㎜ 運転席助手席も必要 | ||
▲ | スペーシア | |||||
▲ | タント | |||||
▲ | ハスラー | |||||
× | ワゴンR | |||||
〇 | (比較用) フリードプラス HYBRID G ・4WDCVT | 282.4万円 | WTLCモードで 19.8Km/L | 荷室長1950㎜ ×幅1250㎜ ×高さ950㎜ 荷室のみで完結 | 有 20か所 | |
〇 | (比較用) シエンタFUNBASE ・HYBRID Z ・E-FOUR | 306.8万円 | WTLCモードで 25.3Km/L | 荷室長2065㎜ ×幅1265㎜ ×高さ1065㎜ 荷室のみで完結 | 不明 (なし?) | |
〇 | (比較用) NV200バネット ・GX・4WD | 279.8万円 | WTLCモードで 10.8Km/L | 荷室長1900㎜ ×幅1500㎜ ×高さ1315㎜ 荷室のみで完結 | 有 | |
◎◎ | (比較用) NV350キャラバン・ プレミアムGX ・4WDモデル | 401.4万円 | WTLCモードで 10.5Km/L | 荷室長3050㎜ ×幅1520㎜ ×高さ1325㎜ 荷室のみで完結 | 有 32か所 |
<ハイゼットカーゴ・クルーズターボ・4WD>
<エブリイワゴン・PZターボスペシャル・ハイルーフ・4WD>
<N-VAN +STYLE PRO・4WD>
<N-BOX EX・ターボ4WD>
<フリードプラス・HYBRID G・4WD・CVT>
おもな車中泊車と比較してみました。
軽自動車の荷室広さは、(シエンタFUNBASEやフリードプラスといったSサイズミニバンの)普通車と比べてもあまり遜色ないことが解ります。大人2人までなら快適に車中泊できて、広々しているのです。じゅうぶん車中泊できることが解ったところで、今度はメリットデメリットを考えてみましょう。
軽自動車車中泊のメリット1:車体費用
・・・軽自動車は、やはり普通車と比べても最初に払う車体費用が全然違います。同じくらいの荷室サイズを確保できる、ダイハツ・ハイゼットカーゴとホンダ・フリードプラスでも100万円以上違います。ですから初期費用を抑えたいけど、快適に車中泊したい方は、軽バン(ハイゼットカーゴかエブリィワゴン)が最良の選択肢です。
軽自動車車中泊のメリット2:維持費用の安さ
・・・軽自動車ともなると普通車に比べても、車検代や自賠責保険代はとても安くなります。こちらに2年間の比較表をまとめています。
ナンバー | 車種 | 排気量 | 総重量 | 車体重量 | 重量税 | 自動車税 | 自賠責保険 | 印紙代 | 総額 |
軽自動車 | ハイゼットカーゴ4WD | 660㏄ | ― | 990Kg | 16400 | 29500 | 20100 | 1700 | 67700 |
軽自動車 | エブリィワゴン4WD | 660㏄ | ー | 1000Kg | 16400 | 29500 | 20100 | 1700 | 67700 |
軽自動車 | N-VAN 4WD | 660㏄ | ー | 1000Kg | 16400 | 29500 | 20100 | 1700 | 67700 |
軽自動車 | ハスラー 4WD | 660㏄ | ー | 890Kg | 16400 | 29500 | 20100 | 1700 | 67700 |
5ナンバー | (比較用) フリードプラス HYBRID G ・4WDCVT | 1496㏄ | ー | 1420Kg | 30000 | 72000 | 20100 | 1700 | 123800 |
5ナンバー | (比較用) シエンタFUNBASE ・HYBRID Z ・E-FOUR | 1496㏄ | ー | 1320Kg | 30000 | 72000 | 20100 | 1700 | 123800 |
5ナンバー | (比較用) NV200バネット ・GX・4WD | 1597㏄ | ー | 1380Kg | 40000 | 72000 | 20100 | 1700 | 133800 |
4ナンバー | (比較用)NV350 キャラバン・ プレミアムGX ・4WDモデル | 2400㏄ | 3190Kg | 2190Kg | 32800 | 32000 | 28560 | 3400 | 96760 |
こんな風にして、5ナンバーの小型普通車よりも圧倒的に維持費が安くなります。何と商用車である4ナンバー車よりも安いです。
じっさいはプラスして民間保険会社の任意保険にも入るでしょうが、その保険料も安くなるので、更にランニングコストが安くなります。
なお維持費について「ハイエースやキャラバンといった、車中泊にむいた車と比較したらいくら?」かについては、こちらの記事を参考にして下さい。
軽自動車車中泊のデメリット:燃費が悪い
・・・軽自動車=小さくて高燃費とイメージありますよね。ですが、小さなエンジンで大きな車体を動かすのは難しくて、実は燃費悪くなります。さきほどの表を見てもらえば解りますが、軽バンタイプのハイゼットカーゴ・エブリィワゴンは燃費悪く15Km/Lを切ります。
いっぽうで同じような車内空間をもって、フルフラットになる「トヨタ・シエンタFUNBASE」や「ホンダ・フリードプラス」などはハイブリッドモデルがあり、それらは17.4Km/Lや20Km/Lもあったりします。
車中泊のときは悪路を走るし、たいてい長距離を走ります。燃費の差は結構響いてきますよ。
ー |
燃費 (Km/L) |
1万キロ走行 ガソリン量(L) |
1万キロ走行 ガソリン代(円) |
ハイゼットカーゴ | 14.8 | 675.7 | 97297.3 |
エブリィワゴン | 13.3 | 751.9 | 108270.7 |
N-VAN | 17.4 | 574.7 | 82758.6 |
フリードプラスHV | 17.4 | 574.7 | 82758.6 |
シエンタFUNBASE HV | 20.4 | 490.2 | 70588.2 |
同じくらいの空間をもつハイゼットカーゴとシエンタFUNBASE HVとで、1万キロ走行で27000円も差がついてきます。2年間で3万キロ走るとすると81000円、さっきの二年間維持費を逆転してしまい、安さのメリットは消えてしまいます。
長距離走行する場合は、シエンタのような普通車のほうがコスパは良くなります。軽自動車の車中泊は普段はあまり遠出せず、たま~に遠出するとき車中泊もできたらいいなって人に向くのです。
軽自動車車中泊のデメリット:運転が快適ではない
・・・車中泊できる軽自動車は、小さなエンジンで大きな車体を積んでいます。いくらターボ車といえども、エンジンがかなり頑張るのでうるさいです。あまりスピードもでません。
それと、車幅狭いのに車高2mくらいもあり、不安定です。とくに高速道路では不快だと思います。もともと軽自動車は家庭のセカンドカーとして、近所での買い物・送り迎えをするための車であるので、スピードだしたときの安全性は確保されていません。軽自動車のバンはなおさらで、やはり高速走行するための車ではないです。遠出が多い車中泊ですから、運転時間が長いと響きます。
軽自動車車中泊のデメリット:衝突安全性
・・・いくら衝突安全性基準をクリアしているといっても、車重制限ゆえに重くて丈夫な金属は使えません。それに車中泊用の軽自動車みんなが、新・衝突安全性基準をクリアしたものばかりではありません(中古車はクリアしてないものが多い)。
根拠となる参考記事(外部リンク)もあります。ここに書かれているのは『軽自動車は衝突時に身代りにつぶれてくれるゾーンが狭いから、中の人へのダメージも大きい』という事です。じゃあ軽自動車と普通車・トラック車が衝突した事故はどんな感じなのか?こちらです。
この動画内容をざっくり解説すると、軽自動車で致命的な欠点は、事故のときのダメージが大きい事。あまりスピード出していなくても車体はつぶれますし、荷室がせまいせいで追突時に弱い。おまけに車高が高い程ひっくり返りやすいです。死亡率も高く、普通車:軽自動車は6:4くらいなのに死亡数は同じくらい。軽自動車は「高速などをあまり走らない近距離ユーザー」ばかりなのに、死亡率が高い。結構致命的な弱点と思います。
動画中で触れられる「追突事故」ですが、軽バンタイプだと荷室が広い為、ある程度リスクヘッジになります。私が軽バンタイプをすすめる理由はコレでも有ります。
※管理人が今まで軽自動車を使わなかったのは、これが決定打でした。
軽自動車車中泊のデメリット:買ってすぐに値崩れする
・・・軽自動車は値下がりも大きいです。軽自動車は、ほんの数年前のモデルでも中古車が安くなっています。それに、10万キロも走ると殆ど値が付かなくなってきます。
反対に普通車の「トヨタ・ハイエース」「日産・NV350キャラバン」「日産・NV200バネット」「トヨタ・タウンエース」などは形が完成されていて、何十年も変わっていないものもあります。世の中にありふれているし、今後も殆ど変わらないと考えられます。そして30万キロ走っても十分走れるので、走っていても高く売れます。
軽バン | ハイゼットカーゴ・ デラックスハイルーフ ・4WD | 13.2万Km 2010年式 (=12年落ち) | 車体価格 32.9万円 |
軽バン | ハイゼットカーゴ・ クルーズターボ・ハイルーフ ・4WD | 12.2万Km 2015年式 (=7年落ち) | 車体価格 62.8万円 |
軽バン | エブリイワゴン・ PZターボスペシャル・ハイルーフ ・4WD | 10.4万Km 2011年式 (=11年落ち) | 車体価格 79.9万円 |
軽バン | エブリイワゴン・ PZターボスペシャル・ハイルーフ ・4WD | 10万Km 2017年式 (5年落ち) | 車体価格 108.0万円 |
軽バン | バモスホビオ・ 4WD | 13.6万Km 2017年式 (5年落ち) | 車体価格 49.8万円 |
軽乗用車 | ウェイク・G SA 4WD・ターボ | 10.6万Km 2015年式 (7年落ち) | 車体価格 69.0万円 |
軽乗用車 | N-BOX+ G Lパッケージ・4WD | 16万Km 2012年式 (10年落ち) | 車体価格 45.0万円 |
軽乗用車 | N-VAN 4WD | 10.6万Km 2018年式 (4年落ち) | 車体価格 106.5万円 |
普通車 ミニバン | (比較) フリードプラスG HV ・4WD CVT | 10.5万Km 2017年式 (5年落ち) | 車体価格 142.0万円 |
普通車 バン | (比較) ハイエースバン・スーパーGL ・ディーゼル4WD | 13.9万Km 2019年式 (=3年落ち) | 車体価格 259.8万円 |
普通車 バン | (比較) ハイエースバン・スーパーGL ・ディーゼル4WD | 10.3万Km 2012年式 (=10年落ち) | 車体価格 222.0万円 |
普通車 バン | (比較) ハイエースバン・スーパーGL ・ディーゼル4WD | 14.6万Km 2012年式 (=10年落ち) | 車体価格 179.8万円 |
普通車 バン | (比較) ハイエースバン・スーパーGL ・ディーゼル4WD | 24.6万Km 2006年式 (=16年落ち) | 車体価格 105.8万円 |
普通車 バン | (比較) NV350キャラバン・ プレミアムGX・ ディーゼル4WD | 12.7万Km 2013年式 (=9年落ち) | 車体価格 202.0万円 |
こんな風で、軽自動車は10年落ち&10万キロ走ると最上位モデルでないと値段がついていません。値崩れが早いので、売る時は安くなりがちです。ここに載せた軽バンタイプの車たちはまだいいほうです(商用車ユーズがあるのでこれでも値崩れしにくい)。
問題なのは軽バンより小柄なハスラーやN-BOX+(N-VANの実質的な前型です)、N-VANなどの軽乗用車でして、もっと値崩れが早いです。N-BOX+は現行N-VANの前の型ですが、10年落ち&10万Kmともなると殆ど値段がつかず、買うとき190万円してもそれが減ります。
逆にハイエースは16年落ちで24万キロ走っていても、なお100万円以上の値段がついています。さっきのN-BOX+とおなじ10年落ち&10万Kmともなると、それでも222万円もついていて、買うとき390万円くらいだったことを考えると値下がり幅はこちらのほうが小さいのです(意外でした)。これは殆どモデルチェンジしないし、50万キロでも走れるくらいタフだからです。50万キロ走っても、発展途上国では買ってもらえるので売れるのです。普通車の車中泊車って、そういう事なんです。キャラバンも同様です。
ですので軽自動車車中泊を考える時は、売る時をあまり考えず「のりつぶす」覚悟が必要です。
軽自動車車中泊のデメリット:すぐ廃盤になる
また軽自動車というのは、モデルチェンジも激しいですね。いわゆる「ロングセラー」の車は少ない。そうすると、昔の型の車は部品交換したくても、困難で高価になりがち。例えば車中泊むき軽自動車の「バモスホビオ」「N-BOX PLUS」「ダイハツWAKE」は、発売して数年で廃盤になってしまいました。車中泊で使える「ハイゼットカーゴ」「エブリィワゴン」「アトレーワゴン」などはロングセラーですが、それでもかなり形が変わってきています。軽自動車車中泊で使われる「バモスホビオ」に至っては、廃盤になってしまいました。
廃盤になると、車体が安くしか売れません。先ほどの表をみて、同じ2017年式の10万キロ走行した「ハイゼットカーゴ」と「バモスホビオ」を比べると、同じサイズの軽バンなのに、廃盤になってるバモスホビオは車体価格が60万円近くも安いです。つまりそういう事です。
廃盤はもちろん、形の変更が大きいのは修理するときなどに専門店でないと直せない・高いなどの不便がつきものです。
長い目で見たときのコストも、ちゃんと考えましょう。
結論:車中泊に軽自動車を選ぶなら・・・
車中泊車に軽自動車を選ぶなら、こんな方に向いています。
・・車中泊の夢をつぶすようで悪いのですが、軽自動車はガチ車中泊ではなくて、普段使いメインでたまに車中泊、という感覚の人に向いていると思います。
車中泊できる軽自動車・できない軽自動車の比較
・・・ここでかなり書いてしまいましたが、できる車種とできない車種のリスト作りました。
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