大手製薬企業であるメルク(MRK)について、分析します。
正式名称はMerck & Companyで、ドイツのメルク社とは別会社です(こちらは塗料などの会社)。
【株の概要】
セクター16分類でいうと「Health Care」ですね。
【銘柄の財政】
こちらから抜粋しています。
項目 | 目標 | この銘柄では・・・ |
PBR | 0.5~1.5 | 7.48 |
売上高営業利益率 | 10%~ | 24.77% |
自己資本比率 | 50%~ | 30.78% |
流動比率 | 150%~ | 123.69% |
売上高変化率 | 右肩上がり | 年2%の成長 |
業界ではトップ10です(2019年ランクはこちら)。成長分野で新薬をだせるなど成長性は豊かです。PBRが割高にみえますが製薬企業では平均以下で、グーグルなどのグロース株は100を超えるのであまり割高ではありません。利益率も製薬大手としては平均的です。
【事業内容・将来性】
メルク&カンパニー(MRK)の売上割合
売上の24%をキイトルーダ®が占めております。これは「がん領域の分子標的薬剤」であり、発売して間もない薬です。特許も米・欧州・中国では2028年まで残っています。
円グラフは薬ばかりではありません。ニューモバックス、ガーダシルはワクチンです。ワクチン製造企業はより寡占化されていて、参入障壁が高いです。さらに言うと、ワクチンを作れる会社=細菌培養に強いということ。細菌培養といえば、分子標的薬剤は細菌培養で作るので好都合、これからの時代も強い、ということです。
薬特許についてはこちらの14ページを参照
キイトルーダ®について
分子標的? | 分子標的 |
分野 | 抗がん剤 |
U.S.特許 | 2028まで |
EURO特許 | 2028まで |
JAPAN特許 | 2028まで |
CHINA特許 | 2028まで |
分子標的薬剤で、かつ抗がん剤とこれから伸びそうな分野です。特許も長く残っているのに、それでも薬売上ランキングに顔をだすなど有望な薬です。競合薬に小野薬品工業の「オポジーポ®」がありますが、そちらより伸びている薬になります。
ベルソムラ®について
先ほどの円グラフには入っていない薬ですが、薬剤師としては注目しています。
特許が長く残る(各国とも2031年頃まで)・睡眠薬として理想的な効果(使用率も上昇中)・高齢化で不眠症は増加、だからです。
睡眠薬として理想的なのは、従来睡眠薬とちがい「せん妄・記憶喪失・脱力」といった不都合な作用がありません。このため近年、従来睡眠薬➡ベルソムラへの置き換えが進んでいます。また同系統の薬も存在しないので、ベルソムラしか効かない人は代替薬がありません。さらには高齢化=不眠症の有病率も上昇です。増える要素満載なので、そのうち円グラフに登場するんじゃないか、と踏んでいます。
メルク&カンパニー(MRK)の国別売上
アメリカで44%を占めています。年々アメリカ以外比率が上がってきているので、かりにアメリカ特許切れなどでコケても、海外が補ってくれます。日本でも旧・万有製薬(今はみかけませんが)時代から見かけるメーカーであり、安心感はありますね。
懸念事項
AbbVieのヒュミラ®依存のように、MERCKのキイトルーダ®依存にならないか心配しているのが、唯一の懸念です。でも依存といっても24%ですし、特許の長さもあります。財政も悪くないように感じます。
将来の成長性
キイトルーダ・ベルソムラ・ガーダシルといった伸びる分野での、長期特許のこった薬をいくつも持っています。規模の割に、目の付け所がいいなと感じるので前途洋々なのでは、と考えています。
【配当金】
配当王(連続増配50年~)に該当します。
メルク製薬(MRK)の配当金推移 筆者作成
※2003年のとびぬけは、2003年8月に特別配当として2.83USDを追加しているため。
1970年から少なくとも50年間、増配を繰り返してきました。(筆者調べの限りで)
他のブログでも繰り返していますが、僕は連続増配に拘っています。連続増配株は、S&P500指数に勝利し続けてきたからです。
【株価】
【保有数・購入に至る経緯】
10万円くらい購入したいのですが、生活防衛資金に手を付けられないのと「バイ&鬼ホールド」というポリシーがあって株を売れません。また購入したら、連絡いたします。
追伸 2020年5月26日に、単価78.1036USDで11株を取得いたしました。
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