S&P1500銘柄のうちで、「時価総額下位600」に連動するETF銘柄の「IJR」について。現時点での最新構成銘柄も記載しました。
そもそもどういうETF銘柄?
VIGの意味は、「S&P スモールキャップ 600 株価指数」に連動させて株・銘柄構成させたETFです。IJRは米国企業でおおむね、時価総額で901位~1500位の600社で構成されます。割合はやはり時価総額に比例しているので、例えば902位のゲームストップは康生割合が多いです。
※ちなみに小型株ETFは割と昔から存在します。このIJRは2000年6月、同コンセプトのVBは2004年1月から開始しております。管理人は歴史の長さと連動指数の分かりやすさ・経費率の低さからIJRを使っております。
構成内容は、ほぼ100%が株です。
※当サイト各所で
長期リターンは株>>長期債券>短期債券>金>現金
リスクも株が最小
とお伝えしているので、株100%投資のETFは強くオススメしています
経費率は現在、0.06%となっております。最も安くて効率的と言われる投資信託eMaxis Slim米国株式(S&P500)の0.0968%よりもさらに安いです。かりに60株=約100万円分もっていたとして、1年で600円の維持コスト、ほとんどタダみたいなもんです。
その構成業種(セクター)は?
IJRのセクター構成は結構偏っていて、S&P500の構成とはずいぶん違います。
S&P500では「情報技術」が圧倒的に多かったのですが、こちらは少ないですね。その一つの理由は情報技術セクターがApple・Google・Facebookなどの一部巨大企業の寄与が極めて大きいからです。
主な構成銘柄は?
【構成銘柄表の見方】
●Symbol =ティッカー
●Total Net Assets =構成割合
●Sector =セクター(GICSの業種11分類に基づく)
●Yrs =連続増配年数
●P/E =PER(現在の株価÷一株利益EPS で算出)
●S&P500採用 =現在のS&P500に採用されているかどうか
Company | Symbol | Total Net Assets | Sector | セクター | Yrs | Yield | P/E | S&P500採用 |
BlackRock Cash Funds: Treasury;SL Agency | 1.4% | #N/A | #N/A | #N/A | #N/A | #N/A | ||
NeoGenomics Inc. | NEO | 0.6% | Health Care | ヘルスケア | 0 | 0.0% | – | |
GameStop Corp. Cl A | GME | 0.6% | Consumer Discretionary | 一般消費財 | 0 | 0.0% | 0.0 | |
MicroStrategy Inc. | MSTR | 0.6% | Consumer Discretionary | 一般消費財 | 0 | 0.0% | 0.0 | |
Omnicell Inc. | OMCL | 0.6% | Information Technology | 情報技術 | 0 | 0.0% | 194.8 | |
Power Integrations Inc. | POWI | 0.5% | Information Technology | 情報技術 | 9 | 0.6% | 70.8 | |
Saia Inc. | SAIA | 0.5% | Industrials | 資本財 | 0 | 0.0% | 37.0 | |
Crocs Inc. | CROX | 0.5% | Consumer Discretionary | 一般消費財 | 0 | 0.0% | 19.3 | |
Chart Industries Inc. | GTLS | 0.5% | Materials | 素材 | 0 | 0.0% | 17.1 | |
Exponent Inc. | EXPO | 0.5% | Industrials | 資本財 | 9 | 0.8% | 62.1 | |
Itron Inc. | ITRI | 0.5% | Information Technology | 情報技術 | 0 | 0.0% | – | |
Macy’s Inc. | M | 0.5% | Consumer Discretionary | 一般消費財 | 0 | 0.0% | – | |
John Bean Technologies Corp. | JBT | 0.5% | Industrials | 資本財 | 0 | 0.3% | 39.8 | |
3D Systems Corp. | DDD | 0.5% | Information Technology | 情報技術 | 0 | 0.0% | – | |
Innovative Industrial Properties Inc. | IIPR | 0.4% | Real Estate | 不動産 | 5 | 2.9% | 56.9 | |
WD-40 Co. | WDFC | 0.4% | Consumer Staples | 生活必需品 | 12 | 1.2% | 45.6 | |
Glaukos Corp. | GKOS | 0.4% | Health Care | ヘルスケア | 0 | 0.0% | ー | |
Shake Shack Inc. Cl A | SHAK | 0.4% | Consumer Discretionary | 一般消費財 | 0 | 0.0% | ー | |
Ensign Group Inc. | ENSG | 0.4% | Health Care | ヘルスケア | 14 | 0.2% | 28.1 | |
LivePerson Inc. | LPSN | 0.4% | Information Technology | 情報技術 | 0 | 0.0% | ー | |
Advanced Energy Industries Inc. | AEIS | 0.4% | Information Technology | 情報技術 | 2 | 0.4% | 26.5 | |
Alarm.Com Holdings Inc. | ALRM | 0.4% | Information Technology | 情報技術 | 0 | 0.0% | 52.2 | |
Proto Labs Inc. | PRLB | 0.4% | Industrials | 資本財 | 0 | 0.0% | 0.0 | |
Balchem Corp. | BCPC | 0.4% | Materials | 素材 | 12 | 0.5% | 48.9 | |
Community Bank System Inc. | CBU | 0.4% | Financials | 金融 | 29 | 2.2% | 25.5 |
企業リストみると特徴があります。
①高配当銘柄がないどころか、ほとんど無配企業ばっかり。
②一般消費財・資本財だらけ。
つまり高配当戦略ではないですし、よく伸びる3セクターはほとんど入っていません。それなのに長期リターンが優れているのです。それも「時価総額が小さい」ってだけで。
<IJRの実質PER>
IJRは採用銘柄の実質PERは、高かったり赤字で算出できなかったりが多いです(赤字転落したから売られて、時価総額が小さくなってランクイン、というパターン?)。ちなみにS&P500の2021年5月の実質PERは37.7倍と、高めです。
PERの安い・低いはその後のリターンをかなり左右しますので、気を付けてください。こちらにその理由を載せました。
トータルリターン
ではIJRの近年のリターンを検証いたします。
【トータルリターン計算のルール】
●毎年12月1日クローズ時に、配当金を再投資する。
●再投資できる配当金は、税引き後とする(米国なら配当金の内72%を再投資にまわす)
●購入株数は、小数点以下でも購入可能とする(実際は無理だが、正確なリターンを出す為)
●経費率は含まない。※IJRは年0.06%
まず、2011年末からのリターンです(結構計算するの、骨折れるんですよ~)。IJRの様な連続増配株 VS HDVやVYMやSPYD(S&P500のうち高配当ベスト80)でも、比較してみてください。同じ期間で算出していますから。
2011年末~2021年7月のリターン
高配当ETF(HDV、SPYD、VYM)だと「いつもはS&P500に勝ってるけど、近年は一時的に負けてる」パターンが多かったですね。ですがこのIJRは逆でして、「いつもS&P500にわずかに勝ってるけど、近年は大きく勝ち越している」という状態です。これが小型株ETFの面白い特徴です。(2021年の様な)バブルになるとよものすごく伸びて、不景気になると急減速する特徴があるんです。つまり高値掴みすると痛い目に遭うけど、景気の底で買うと大化けするんです。
●2007年末~2021年7月のリターン
時間を長くすると、更に成績がよくなりました。小型株の伸びは圧倒的です。
さらにさらに時間を長くして、IJR誕生以来の2000年末から検証します。
どうでしょうか?金額の差は倍どころか、3倍を超えてしまいました!!一応S&P500指数も世界一愛される指数のはずですが、それが勝負にならない位、安定的に大差で上回り続けるETFが存在したんですね・・・。
この「小型株の利回りが、大型株をつねに上回る法則」ですが、あまり投資サイトでは見かけないと思います。ですが実は1981年には発見されている法則です。
【小型株の利回りが常に大型株を上回る法則】
●1981年に、シカゴ大学の院生ロルフ・バンズが発見した法則。
●CAPM(資本資産評価モデル)のリスク調整したあとでも、つねに小型株>大型株であった
●ジェレミーシーゲル著書「株式投資 第4章」の第2部「価値・スタイル・グローバル市場」ー第9章「市場に勝つ」の中で触れている法則の一つです。
上記の理論がふんだんにかかれた参考書
【当てはまる方は要チェック】
●市場平均かそれ以上のリターンが欲しい!
●含み損で大切なお金を失いたくない!
●米国株の選び方がよく解らない!
●ろくに業務内容知らなくても、儲かる法則があるなら教えて!
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