投資をしたいけど迷う方。
投資したいけど、どの銘柄にしよう?不景気でも伸びてくれたらいいな。
でしたら、「ユニリーバ」はいかがでしょうか?迷う方にはこういう、安全な株をオススメします。
だけど、折角大事なお金をつかって投資するなら、知っておきたいですよね?
●投資スタイルは買ったら放置(2人子育てで忙しいから)
●放置したいので、安定株しか買わない・分析しない
●高収入じゃない分、生命保険・学資保険代りに資産が欲しい
●投資・金融が専門外なので、却って初心者の気持ちが解る
の僕が、解説いたします。
【そもそもどんな銘柄?】
日用品でふだんから使っているメーカーなので、みなさん名前はご存じでしょう。いろんなブランド持っているので「これもユニリーバだったの!?」と思う事も沢山あります。規模を把握したいので、同業種の売上も比較してみましょう。
・・と、洗剤・せっけん業界では第2位です(1位はアメリカのP&Gです)。なおUnileverは英国本社・オランダ本社で別々の時価総額なので、足した額が正解です。
今度は売上の内訳をみてみます。
・・・3分野がおおむね均等に売っています。
セクター(=業種)11分類でいうと「Consumer Staples(生活必需品)」ですね。当然景気敏感・ディフェンシブでいえば、ディフェンシブ株にあたります。
本当に安定しているの?
とても安定しています。理由はこうです。
②不景気でも止めない物だから
③コロナで「清潔志向」で消費増大の可能性
③実際に配当金が、増え続けているから
④長期リターンのいい「Consumer Staples(生活必需品)」業種だから
いっぱいありますね。ひとつひとつ解説していきます。
具体的な理由
①売上地域が分散してるから
これをご覧ください。
売上が世界中に分散していますよね。分散すると、安定するんです。
なぜなら、一カ国で不祥事・被害があって売上低下しても、他の国と地域が補ってくれるからです。
投資家では有名な格言で、「卵を一つのカゴにのせるな。(沢山のカゴに分散させろ)」というのもあります。
ですから「売上分散」というのは、おおきなメリットなんです。
ちなみに、地域別の売上の伸びをみると、この通りです。
なおAAMEO=アフリカ・中東・東南アジア・オセアニアを指しています。
②不景気でも止めない物だから
ユニリーバ製品の「化粧品」「食品」といったジャンルは、不景気でも落ちない分野です。
なぜなら不景気でお金がない時に、節約する分野ではないからです。
具体的にみましょう。例えば
③コロナの清潔志向で、消費拡大の可能性もある
コロナショックにより、ユニリーバの売上はむしろ上がる可能性を秘めています。
なぜなら2020年のコロナショックは、世界の景色を一変させましたよね。
具体的にはマスクなんてつけなかった欧米人がマスクする、手洗い消毒がすごく頻繁になった(それらが不足した)など。そしてコロナを洗い落とす為に、「掃除をこまめにしよう」「毎日体・髪を洗おう」などとなりました。それらはどこの会社製品かというと、ユニリーバが強い分野ばかりです。
他の例ですがコロナで外出控えて「巣籠り消費」が伸びています。世界中でです。巣籠り消費もユニリーバは元々扱っていて、例えば紅茶のLiptonなどですね。
ですから、コロナショックでも売上はむしろ上がる可能性を秘めています。
④実際に配当金が、増え続けているから
これをご覧ください。年々、配当金が増え続けている事が解ります。
2020年は配当がまだ2回しかないので悪いようにみえます。緑のUSD建て配当金は2007➡2008で減少しているように見えますが、実はEUR建て配当金は伸びています。そして増配しつづけているのに、利益もハイペースで伸びていて余裕があります。
当然、利益も右肩上がりで伸びている会社です。
利益率の高さも、つねに25%を超えていて凄いです。これだけ売上分散しているのに、全体でこの数値は凄いの一言です。
⑤長期リターンのいい「Consumer Staples(生活必需品)」業種だから
業種的にも、オススメです。
なぜならConsumer Stales(生活必需品)の業種は、歴史的にも伸びの良かったからです。
具体的な数字をあげます。これは株式分析の権威:ジェレミー・シーゲル博士の統計からわかった、業種別の長期伸び率です。
セクター | 平均リターン(年%) | |
★ヘルスケア | Health Care | 14.19 |
★生活必需品 | Consumer Staples | 13.36 |
情報技術 | Information Technology | 11.39 |
△エネルギー | Energy | 11.32 |
△一般消費財 | Consumer Discretionary | 11.09 |
△金融 | Finacials | 10.58 |
資本財 | Industrials | 10.22 |
★電気通信 | Communcation Services | 9.63 |
★公共事業 | Utilities | 9.52 |
△素材 | Materials | 8.18 |
業種平均 | Average | 10.85 |
どうでしょうか?業種平均より大幅にいい13.36%の伸び率をだしています。業種的にも、伸びやすいといえます。伸びるということは、それだけ安定的だという事です。
詳しい売上内容
主要分野の売上と伸びはこうです。もちろん「Unilever」社名ではなく、「Mods Hair」「Lipton」「AXE」などといったブランド名で販売しています。
図からはビューティ部門の伸び、食品部門の低下がわかります。ビューティ部門は利益率22.7%と最もいい部門です。食品部門は利益率17.6%とやや劣るので、稼げる分野を伸ばしたということになります。
美容部門(Beauty&Personal Care)
利益率22%と、ユニリーバもっとも稼げ、しかも伸びている分野です。
ダヴのボディソープは安価なのにしっとりするので、ファンが多いです(そして安価なので不景気でもファンが離れません)。しかもコロナショックの時は世界中が清潔志向になり、なけなしのお金でシャンプー・ボディソープを沢山買っています(選ばれるのは良く知られて安いユニリーバブランドも多い)。
LUXやモッズヘアなどの化粧品は、化粧品なのでやはり生活必需品です。高級化粧品から安価なこれらに乗り換える方も予想されるので、やはり不景気でも堅いです。
食品部門(Foods&Refreshument)
利益率20%前後で、売上減少ぎみの分野です。紅茶好きでなくてもリプトンはご存じでしょう。黄色いパックで安価で、どこのスーパー・ドラッグストアでも見かけるはずです。世界一売れている紅茶ブランドだそうです。
コロナの巣籠り消費で、紅茶消費は伸びています。(ちなみに同じ飲料でもアルコール飲料は落ちています)
ちなみにベン&アンドジェリーズのアイスは、高級路線なので不景気で落ちるだろうな・・・と考えています。
ホームケア(Home Care)
利益率は14%程度で推移しています。ジフはシンクなどのクレンザーで、ドメストは水回りの消毒・除菌などでお世話になるかと思います。競合は多くてP&Gや花王・小林製薬などがライバルです。価格帯も安めなので、節約家の僕はユニリーバ製品を選びます。
反論への理解
世界で展開し終えたからもう伸びないのでは、と考える方もみえます。
確かに全大陸を制覇しています。
ですがこの会社、啓発活動で製品をつかってもらうことが得意です。例えばインドでのユニリーバ社せっけん消費は多いですが、これはユニリーバが長年かけて手洗いの重要性を説き続けたからです。まだ余地の大きいアフリカでも、同様に啓発活動➡商品売れる流れも考えられます。
それにコロナウイルスの流行で、マスク・手洗い・シャンプーなどが世界的に激増しました。後者2つを得意とするのが、やはりユニリーバです。
充分に伸びる余地はあるとおもいます。
結論:ユニリーバは不景気でも落ちない会社
と言ってもいいでしょう。手堅いです。僕はコロナショック前に100株買ったのですが、下がっても安心してみていられました。現にすぐに株価回復しています。
このグラフをご覧ください。リーマンショックだった2009年でも、株価は市場平均ほど落ちずしかもすぐ回復していますよね?しかも配当金なしの株価だけで、市場平均のS&P500に互角です。
配当利回りも3%超で、配当性向も66%程度でまだまだ余裕です。おまけに英国ADRなので二重課税されず、3%の配当金も沢山受け取れるのです。
まさに買って放置するにはうってつけの会社です。
余談:環境に優しい会社へ脱却
個人的な感想をいえば、この会社は大好きです。
好きなポイントは「みんなの必要とする・使えば使うほど幸せになれる商材で勝負している」だけではありません。「CO2削減・プラスチック削減・水資源の有効活用」を進めていて、しかもちゃんと見える数値で発表してくれるからです。
2030年までに、GHG排出・水資源の使用・ゴミの量などを半減させる目標をたてています。そして現に、これらぜんぶを低下させています。
グレタさんじゃないですが、我々大人にできることは「子供たちに安全な未来をのこしてやりたい」と思っていて、この会社が利益だけでなく未来の安全もくれるのなら、こんなにいい投資先はないと思っています。
それでいて伸びてくれる。個人的にこういう会社を、探していました。
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