【生活必需品】BGブンゲ個別株分析(22年05月)

個別銘柄(生活必需品)

世界2位の穀物メジャー(=穀物流通大手)、米国企業のブンゲ(銘柄ティッカー:BG、バンジともよむ)について。

会社公式HPより引用

●株(ファンド)の概要~そもそも何してるところ?

 >セクター11分類・細かな業種・ディフェンシブor中間or景気敏感

セクター(業種11分類)でいえば生活必需品(Consumer taples)にあたります。生活必需品セクターといえば11セクターの内で、長期成長率が2位で、かつ不景気時でも値段下落が小さく安定的なことが解っています。(1位は医薬品セクターですが不景気耐性は低め、3位はエネルギーセクターで他業種の逆の値動きすることが多い)

社名を聞いてもピンとこないでしょう。というのが業種が「穀物の貯蔵・流通・減量の提供」などで一般人があまり触らない物だからです。いわゆるB toBサービス(ビジネス➡ビジネス。つまり一般顧客に提供せず、その職種の人間だけで完結するサービス)なのです。

そんな風に一般知名度は無いですが、無くてはならない会社です。この会社は「5大穀物メジャー」の第3位でして、その5大穀物メジャーだけで世界流通量の80%を占めるからです。ちなみに穀物メジャーのしくみはこうです。

世界の穀物流通に不可欠な存在
Nikkei4946サイトより引用

基本的に穀物を生産せず、穀物を買い付けて貯蔵し、必要時に流通させる仕組みです。これがメインの収益です(他の収益源もあります)。考えればわかりますが、これだけだと「誰でも真似できるビジネスモデル」なので、当然収益率は低くなります。

【穀物メジャーの収益源】
●穀物の生産ではなく、流通により収益をあげる
●規模が圧倒的なため、コストを下げることで収益確保している
 ※同一商品は沢山作った方が単価が安くなる、マーケットリーダーの理論
●倉庫・トラック・船などは殆ど保持してて、新たに他社が参入することは難しい
●収穫期の違う地域・国々での穀物を流通させられ、価格・数量とも安定的に供給できる
 ※小麦の収穫できない冬の日本で小麦粉が使えるのは穀物メジャーのお陰

 >その売上の内訳は?内訳別の将来性は?

地域別の売上は、同業ADMと違い公開しております。以下のように、BGはヨーロッパに強い会社となります。元々1808年にオランダ創業の会社なので納得でしょう。

年別推移をみていくと面白いです。それは200年以上もまえから同業で存在しつづけ、穀物メジャーでありつづけてシェア拡大もあまりしていないのにも関わらず、売り上げをどの地域でも右肩上がりに伸ばしている事です。

今度は地域別ではなく、製品別の売上をみます。穀物メジャーらしくやっぱりメインは「農業サービス」ですが、業種拡大を続けていてその他でも売上伸ばしています。内容が結構分厚いので、こちらクリックして下さい。

詳細スペック
★製品部門ごとの詳しい説明★

●Agricultural Commodity Products (農業系の総合サービス)

いわゆる「穀物メジャーらしい」部門、すなわち農作物の買付・保管・出荷といった流通を担当する部門です。ただ買い付けて売るだけではなくて、欲しい物を必要な時期(高く売れる時期)に流通させることができます。この部門は売上の大部分を占めますが、トラック一台でカンタンに真似できるビジネスなので競合が激しく、利益率も低めです。(利益率低い分、規模を大きくして収益率を改善させています)

北半球での収穫期でない冬なんかでも普通にアメリカ産小麦粉が手に入ったり、うどんが食べられたりするのはこの部門のお陰です。

●Refined & Specialty Oil Products(精製種実油)

油糧種子の精製品ビジネスです。油糧種子といえばキャノーラ、大豆、菜種、ひまわり種子、オリーブ、パームヤシ、ココナッツ、シアバターですね。ここから作られる「食品油」はもちろん、世界ではエコ食材として普及している人工肉もこの部門です。

この数年で最も成長著しいのも、世界のエコ志向(なぜか日本では広まっていませんが世界の感覚はこうです)を反映しているのです。

またマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、乳化剤もこの部門です。

●Wheat Miling Products(小麦粉砕製品)

小麦粉や、ベーカリーミックス(すぐパンが焼けるよう配合されたパンの素)の製品販売がこの部門です。

●Corn Milling products(コーン粉砕製品)

コーンの粉砕製品。またコーン繊維も商材となるし、スナック菓子もコーン粉砕製品です。ブラジル、メキシコ、米国でさかんな部門となります。

●Sugar & Bioenergy Products(砂糖・バイオエネルギー)

バイオ燃料 | バイオマス発電 | 出光興産
出光興産のHPより引用

バイオディーゼル燃料もここに含まれます。(環境志向皆無である)日本では未だ全然見かけませんが(環境志向の強い)世界では普通の石油由来ディーゼル燃料と並んで、バイオディーゼル燃料が安く売られている光景もみかけます。

バイオディーゼルが安く売られている例

> 保有する会社の割合

キャピタルリサーチ社が11%を占め、バンガード社が9%を占めています。その他4位にもブラックロック社があり、ETF関連の会社がかなり発言力をもっている会社となります。

ちなみに業界最大手のカーギル社は非公開株で、業績内容も非公開、もちろん親族のみで株を持ち合う会社となります。

●株主への還元姿勢

 >配当金・一株利益の推移は?


現地源泉税率
国別源泉税率税引後受取率
米国株10%71.72%
英国株0%79.69%
オーストラリア株0%79.69%
インド株0%79.69%
メキシコ株0%79.69%
カナダ株15%67.73%
ロシア株15%67.73%
アイルランド株20%63.75%
台湾株21%62.95%
デンマーク株27%58.17%
ベルギー株30%55.78%
スイス株35%51.80%

 

配当は基本的に余裕ですが、2019年のみ大赤字をだし配当性向がマイナスとなりました。とはいっても他の年で潤沢すぎる位キャッシュを沢山稼いでおり、問題なさそうです。連続増配21年の会社となります(25年つづくと配当貴族の仲間入りです)。

>株数推移は(自社株買いによる減)

ではその自社株買いと、会社全体の利益をみてみます。利益額は停滞~やや増えくらいですね。財政上赤字だった2019年に大量に株発行しているので、株数は増えてしまいました。

●将来性

 >売上成長率は?

売上がさえず利益もよこばいと伝えましたが、実は利益率でみるとかなり伸びています。

利益率は1%➡2%と凄く低めですが、それでも2倍にのびたことになるので素晴らしいです。売上額がでかいので、それだけでかなり利益額が増える事になります。

 > 近年のトータルリターンは?(2001~2021年)

まずは近年10年の伸び率。市場平均に大きく劣りました(=S&P500指数ほど儲からなかった)

じゃあ今度は、2000年からの21年間を比較をします。すると景色が一変して、BGがS&P500リターンに勝ちました。注目したいのは20年前からすでに、穀物メジャーで第3位の会社で、同じくらいシェアをもっていたことです(同業ADMと同じですね)。つまりすでに成長しきっていても、投資家へのリターンは市場平均より優秀だという事です。

そしてグラフからとても面白い事がわかります。長期スパンでみるとリターンが平均以上なだけではありません。株価が2007年の120USDを回復していないにもかかわらず、長期投資のチカラでリターン(青い棒グラフ)はそれに迫ること。そして株数の増え方が加速的になっている事。株価変化だけではみえてこないこの現象こそが、長期投資の醍醐味です。

IF:10年間、配当金を再投資しなかった(すべて現金のまま)場合

配当金を再投資した場合(青グラフ)、配当金を使わず貯金した場合(緑グラフ)、株価20%下落したら売却する場合(黄色グラフ)を比較しました。

最良リターンはやはりといいますか、再投資した場合の青グラフでした。そして損切した黄色グラフはやっぱり最悪のリターンでした。よく雑誌で「20%下落したら損切ルール発動。これ以上損害を拡げない為に勇気を出して売る」などと書いてありますが誤りです。※これは私の紹介する優良銘柄だけでなく、全体的な期待値として解っています。株価下落は売るタイミングでなく、むしろ安く買い増しするチャンスといえるわけです

というか「損切」された方は、資産が10年間で1250USDにしかなりませんでした。そのまま愚直に再投資した方は最良の、1930USDを手にしていました。

 >財政健全性は?

※一番右下にみえるのが最新版のDEレシオです。

負債を全然抱えていません。

流動比率1.4というのは米国企業としては高めです。総支払額1.4年分を直ちにポンと支払える状態です。PERも目下18倍で、現在(2022年3月)S&P500指数のPERが24倍なのを考えると、割安といえます。

 >割安性は?現在の株価は?

●総括(一般投資家の目線で)

おなじ投資可能な穀物メジャーで比較すると、ADM(アーチャーダニエルズミッドランド)のほうが魅力的です。ADMのほうがPERも低く(割安)、連続増配も長く(長い方が長期リターンもいい)、投資先としてはより魅力的です。

〇参考にしたサイト

https://investors.bunge.com/sites/bungeltd-ir/files/2021ar.pdf https://www.bunge.com/2018ar.pdf

投資可能な証券会社

今から投資開始なら、口座をこう使い分けます

管理人は現在メイン証券は楽天証券です(愛用しています)。が、今から投資スタートするならSBI証券×マネックス証券の2口座使いします。(ちなみに管理人は3社とも口座所持し、全部に金融商品もっています。SBIはシーゲル理論知る前の状態なのでボロボロですが)

SBI証券

NISA,つみたてNISA枠はSBI証券を使って投資します。

【SBI証券の良いところ】
①S&P500連動の投資信託の管理手数料が、日本最安値。
 ※SBI・V・S&P500という商品で、年0.0938%は最安値です。
②S&P500を上回る投資信託の管理手数料が、断トツの日本最安値
 ※SBI・V・米国高配当株式という商品で、年0.12%はダントツの安さです。

マネックス証券

NISA・つみたてNISA以外の部分はこのマネックス証券で投資します。今回のNISA・つみたてNISAの話からは脱線ですね。

【マネックス証券のいいところ】
●米国株の取扱数が、ネット証券最多の4100超え(2021年6月現在)
 ARCCなどの超高リターンファンドも購入可能(SBIでは不可)
●ネット証券で唯一可能な「配当金自動再投資:通称DRIP」は長期投資になるほど高リターン。
●ネット証券ではSBI・マネックスしかできない「米国株定額定期買付」。やはり高リターン銘柄を自動で買える。
●投資信託は、保有期間中ずっとマネックスポイント0.03%(ひと月ごと)が付き続ける。100万円もってたら300ポイントが毎月、入り続ける計算。

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メリット大な配当金再投資の始め方
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