【注意】2021年現在、証券会社からの購入出来ないです。あたかもできるかのように紹介しており、申し訳無いです。もし購入可能になった場合の参考に、です。
世界トップ10の製薬会社・サノフィ(銘柄ティッカー:SNY)について。かつて売上No.1も記録した超巨大企業です。
●株(ファンド)の概要~そもそも何してるところ?
>セクター11分類・細かな業種・ディフェンシブor中間or景気敏感
GICSの11セクターでいえば「ヘルスケア」、その中でも製薬会社に該当します。もちろん製薬会社は平均的に、市場平均を上回るリターンとなっていたので投資先として有望です。(下記記事で実証:何も考えず機械的に上から買っても市場平均に勝る)
また不景気耐性のある、ディフェンシブ株といえます。
>その売上の内訳は?内訳別の将来性は?
●地域別売上
2000年台はTOP5に入る会社だっただけあり、世界中で売上分散しています。その推移はこうです。
近年のデータしか存在しませんが、こんな感じです。主要な米国・ヨーロッパ・中国・日本では売上かわらず、といったところです。
●領域別売上推移
医療用医薬品の割合は70%程度です。昨今のメガファーマはTOP1・2のロシュ・ノバルティスとも医療用医薬品しか売っていないので、特徴的です。その推移はこうなります。
特許切れ医薬品のなかには、毎年特許切れ薬が追加されていきますがそれでも、右肩下がりです。
ワクチンは伸びているように見えますが、これはインフルエンザワクチンの急増分がかなりあるため注意です。(インフルエンザは2020年~21年シーズンで発症者が例年1/100以下、来年は接種者激減が予想つく為)
一般むけ医薬品は、日本では「エスエス製薬」として売っています。
>主要な個別製品の説明(~Vaccines以外はすべて医療用医薬品です)
●ランタス注射®
医療用医薬品で、そのなかでもバイオ医薬品(さらにその中でもホルモン製剤)に属します。インスリン=糖尿病薬ということで、患者数はけた違いに多いです。インスリンは1型糖尿病では唯一の治療薬で、2型糖尿病でもコントロール不良患者の最後の手段となりますからね。2018年にはヒュミラ®(ABBVの製品)に次いで、世界で2番目に売れた薬でした。しかし特許がきれたため、他社(といってもLLYとNVOくらい)に真似されて売上低下しています。
●Aubagio®:オーバジオ錠
低分子薬・バイオ医薬品でいえばバイオ医薬品(その中でも分子標的薬剤)。治療病名でいえば多発性硬化症の治療薬です。日本ではあまり見かけませんが、米国などでは多用されています。「完治させるのではなく、症状を抑え続ける」くすりなので連用しないとだめで、また高価な薬のため売上が大きくなっています。
患者数は日本で1.3万人、世界では250万人です。世界人口拡大と、治療薬の普及などで使用量は年々増加してきています。
●Cerezyme®:セレザイム静注用(参考外部リンク)
低分子薬・バイオ医薬品でいえばバイオ医薬品(その中でも分子標的薬剤)。治療病名でいえばゴーシェ病という、日本に150人しかいない疾患の治療薬です。マーケットはとても小さいですが、他に治療薬はなく、ほぼ一定した売上となります。
ゴーシェ病は説明がとても難しいんですが、人体内になくてはならない酵素が、作れずに不都合をおこす病気です。だから治療方法はたりない酵素=セレザイムを注射で補充しつづける事なんです。この薬で症状を抑え続けるしかないんです。
●Myozyme®:マイオザイム注射(参考外部リンク)
低分子薬・バイオ医薬品でいえばバイオ医薬品(その中でも分子標的薬剤)。「糖原病2型」という、たいへん珍しい病気の治療薬です。やっぱりマーケットがとても小さいですが、治療薬はこれしかありません。売上もほぼ一定しています。
糖原病2型は説明がとても難しいんですが、人体内になくてはならない酵素が、作れずに不都合をおこす病気です。だから治療方法はたりない酵素=マイオザイムを注射で補充しつづける事なんです。この薬で症状を抑え続けるしかないんです。
●Fabrazyme®:ファブラザイム注射(参考外部リンク)
低分子薬・バイオ医薬品でいえばバイオ医薬品(その中でも分子標的薬剤)。「ファブリー病」という、たいへん珍しい病気の治療薬です。やっぱりマーケットがとても小さいですが、治療薬はこれしかありません。売上もほぼ一定しています。
ファブリー病は説明がとても難しいんですが、人体内になくてはならない酵素が、作れずに不都合をおこす病気です。だから治療方法はたりない酵素=ファブラザイムを注射で補充しつづける事なんです。この薬で症状を抑え続けるしかないんです。
●Dupixent®:デュピクセント皮下注シリンジ
医療用医薬品で、その中でもバイオ医薬品(さらにその中でも分子標的薬剤)に属します。アトピー性皮膚炎や気管支喘息といったアレルギー疾患の特効薬です。シリンジ1本を2週間ごとに通院して注射してもらう事になります。とくにアトピー性皮膚炎はいままで「強いステロイド軟膏でむりやり抑える(副作用で高血糖・皮膚黒ずみ・皮膚薄くなる)」ことしかできなかったので大変期待される薬です。そして完治させず、使うことで症状を抑え続けるタイプなので継続的に売れます。いま一番の稼ぎ頭となっております。
●株主への還元姿勢
>配当金・一株利益の推移は?
割と高配当ですが、結構カツカツの状態です。連続増配でもありません。2020年は利益額が急伸長していますがRegeneron社売却による一時的な物です。(参考ですが事業利益は3.6%増とそんなに伸びていません。売り上げ倍増とかではない一時的なものです)
現地源泉税率 | 国別源泉税率 | 税引後受取率 |
米国株 | 10% | 71.72% |
英国株 | 0% | 79.69% |
オーストラリア株 | 0% | 79.69% |
インド株 | 0% | 79.69% |
フランス株 | 10% | 71.72% |
カナダ株 | 15% | 67.73% |
ロシア株 | 15% | 67.73% |
アイルランド株 | 20% | 63.75% |
台湾株 | 21% | 62.95% |
デンマーク株 | 27% | 58.17% |
ベルギー株 | 30% | 55.78% |
スイス株 | 35% | 51.80% |
また日本・フランス間の二国間協定で、配当税率は10%と規定されています。米国と同じ税率なので、配当金はそこそこ受け取れます。
>株数推移は(自社株買いによる減)
自社株買いには消極的な会社といえそうです。一株利益ふやすには、純粋に総利益額の増加に期待するしかなさそうです。
●将来性
>売上成長率は?
株価がレンジ相場になってたことが解ります。しかし利益のほうがよく伸びていて、割安化したことがわかりました。製薬会社はこの15年で株価は凄く伸び・利益はちょっとしか伸びず➡つまり割高化、のパターンが多いので珍しい事です。2020年の利益急伸は売却益(一時的な部分)がかなりの部分なのですが、じつは事業利益率の4.5%もの伸び(継続的な部分)もあります。
> 近年のトータルリターンは?(2001~2020年)
株価は14年間でほぼ変わてません。ですがわりと高配当だった(平均して4.2%くらい)ため、配当金再投資することでリターンは1.55倍になりました。S&P500平均には負けてしまいましたが・・・・。
>利益率は?
売り上げ全体はこの15年間であまり変化していません。営業利益率もおなじく20%前後です。2020年の利益は「Regeneron社の売却益」
「コストカット成功による収益増加」がありまして、影響のおおきい前者は一時的なものです。
【近年のサノフィ(SNY)の買収・売却】
●2020年、Regeneron社売却により利益額が一時的に増加。
>財政健全性は?
※一番右下にみえるのが最新版のDEレシオです。
>割安性は?現在の株価は?
●総括(薬剤師の目線で)
投資家にはどちらかというと「かつての世界一は凋落した、ランタス特許切れで苦しいオワコン会社」扱いされているように思います。その証拠に株価低迷・PER低水準(2021年時点で10切ってる!)となっていますから。
しかしネクストランタスとして「オーバジオ」「デュピクセント」といったドル箱も育ってきています。凄いのはこれらは、買収ではなく自社開発している所、特許もかなり長い事です。さらに財政も凄くよくDEレシオが0.3と低く・流動比率170%と高い製薬会社もそうありません。割安性でみてもPERが現在9.46くらいですが、かりに営業利益を半分にしても(売却益をあまり加味しないとその位?と管理人予測)PER19で、それでも製薬会社には珍しいほどの低PER株です。
〇参考にしたサイト
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