お金あれば、仕事しなくてもいいのに。時間を売ってお金をもらう、時間ORお金だな。
お金と時間があれば、好きな事ばかりできて幸せなのにな。
ひとによって幸せの定義は違いますが、だいたいの方が「時間ANDお金=幸せ」と思われると思います。
でもそれだけでいいのでしょうか?と最近思っています。
【時間&お金が揃っても・・・】
僕は昔コミュ障で、仕事でうつになり離職し、無職だった時期がありました。(前述ブログ参照)
当時の僕は未婚で恋人もいませんでした。僕は中部地方に在住ですが、本気で住みたいと思う位、北海道が大好きです。
この際だから、愛車で北海道まで行こう!好きなだけ居よう!
こういう時、独身男は気楽でいいですね。愛車・ホンダのフリードスパイクで飛び出しました。時間は無職なので有ります。お金は有給休暇だから入ってくるし、株・債券やアフィリエイトの収入もありそれほど困りませんでした。いわば「お金&時間がある」状態だったのですね。ここから愛車での、旅を始めました。車中泊できるフリードスパイクを、車中泊仕様に改造しておいて正解でした。
中部の実家~石巻・平泉
流石に寂しいので、東北の友達を訪ねて走り回りました。県をまたいで岐阜羽島ICから名神~中央道~関越~北陸道~常磐道と走り、郡山で一泊。
14時間連続運転はきついな。体痛いし、車おりても高速走ってる感覚だな。けど自由になれて幸せ!もうあの辛い職場、行かなくていいんだ!
次の日は、石巻の知り合いアパートへ直行。知り合いは仕事帰りで疲れただろうに、僕と飲んで下さいました。泊めてくれました。当時の石巻といえば
なんか海沿いは更地でロープだらけだけど、なんで?
何で知らねぇんだよ。大津波で町が壊れたんだよ!
石巻駅も飲み屋も普通に営業して・・・なかったな。そういえばプレハブだった!
こんな感じでした。次の日は平日なので知り合いは仕事で、一人で石巻の朝もやの海を見ていました。それから朝の温泉に入りました。
石巻は食べ物もおいしいし、知り合いにも会えるし。ああ自由って幸せだな~
このころは働かなくていい事を、神様に感謝していました。
その日はそれから、平泉に行くと決めていました。
学生時代に(18きっぷで)17時間かけて行った平泉を、今度はゆっくり見たい!
・・・平泉は知名度の割に、派手な観光地ではなかったです。今でこそ世界遺産になっていますが、当時はそこまででも。その平泉は、家族連れが沢山あるく憩いの場でした。
ああやって親子手をつないで、この1000年前の都を歩けたらいいのにな。僕は恋人もなく独りで寂しいな。
家族や結婚にあこがれを抱きだしたのも、ここからです。
でもまだまだ お金&時間>寂しさ でした。
平泉~安比高原まで
平泉から、その日のうちに安比高原まで行きました。安比といえば、日本を代表するスキーリゾートですね!・・・残念ながら夏でしたが、それでも安比は魅力的でした。夜のとばりが落ちてから高原の白樺林を抜けて、風景が閑散としてきて、その先にホテルがありました。見知らぬ土地で、人家もない真っ暗はコワイですよ。
となりに恋人とかいたら、ここまで怖くないだろうに
それでもホテルはリゾート感があって、きれいな所でした。翌朝の見晴らしと、八幡平の雄大さは感動でした。
山の名前が八幡「平」って、こういう事か!
あんなに平じゃ、何処が山頂か解らんぞ~
松尾鉱山はご存じでしょうか?今は廃墟・昔は「雲上の楽園」とも呼ばれた、硫黄鉱山の場所ですね。硫黄は貴重な資源ですが、いまや石油燃焼時の脱硫装置で勝手に採れてしまいます。
四日市ぜんそく➡脱硫装置の義務付け➡工場で勝手に硫黄が摂れる➡松尾鉱山の硫黄は売れなくなり、倒産
こうやって、倒産して人がいなくなり、あっという間に廃墟になりました。僕は廃墟巡もやりたかったので、折角だから行きました。・・・一人で。
(LINEで)取り憑かれないでね
一人で廃墟は本当に怖いです。夏の晴れた昼間でも、コワイ。鉄筋むき出し床と壁の抜けたマンションに、よく入れたものです。全くの無人ではなくて、鉱毒水の処理プラントで働く方の、トラックとだけすれ違いました。
安比~青森~フェリー
安比からは青森の友達宅まで行きました。JR花輪線と並走するのですが、謎のスイッチバック駅・十和田南駅という場所がありました。・・・これ何で、あんな平坦な場所でスイッチバックなんだろ?
十和田湖にも寄り、それから青森。
青森は友達が住んでいました。子供3人のお母さんです。青森行って驚いたのが、中心街がシャッタ通りではなく人が多い事。
シャッター通りじゃないやん!中部の刈谷駅や岐阜駅のほうが、シャッター通りだよ!
青森みたいな雪国はね、中心地に住まないとゲームオーバーなんだよ。車なんて出せないから、皆アーケードで歩いて買い物するの
意外な発見でした。これはその後(やっぱり雪国の)北海道旅行したときも、感じました。
保育園・だんなさんの職場とも徒歩圏内で、家族といる時間が長くて幸せ、とのことでした。子供が3人も居て、海辺の公園で遊んで、楽しそうでした。
僕は時間&お金の状態でふらふらしているけど、家族居たらこんなに幸せなんだな~
子育てはじめたらおかねなんてすぐ無くなるよ。子育て大変だよ。それでもいいの?
このとき、子供がいるだけでこんなに充実するのかって思いました。この友達は中部出身でしたが、子供がいれば寂しくないし、ママ友もできるから寂しくないって。
そういえばこの友達、東北に行った当初は寂しさ全開で、しょっちゅうmixiで東北イベントを考え投稿したり、好きなYoutubeを紹介したりしていました。僕も若手時代は寂しかったので、悩み相談していました。(異性だけど本当にお世話になりました)。それが最近、投稿が減ったと思ったらそういう事か。
子供が欲しい気持ちは、強くなりました。
青森~函館は海なので、人生初のカーフェリーをつかいました。
函館~長万部~新篠津村
函館で宿がみつけられず、空き地で車中泊です。このころになると、寂しさが強くなってきました。
お金&時間の幸せ<寂しさ になりだした。旅行8日目くらい。
それでも旅をつづけたのは、折角車中泊仕様にした車を、使わずに帰れない事。折角あこがれの北海道にこれたこと。この際だから思いきり北海道行きたい。
長万部駅前で車中泊して、次の日は洞爺湖~岩内町(積丹半島の付け根くらいの町です)の友達宅へ。薬局長で忙しいのに、よく僕との時間を空けてくれたものです。実は彼が昔「北海道いちど来てみなよ!」と誘ってくれて、それから北海道に毎年夏通い始め、「半道民」のあだ名いただきました。
その友達とは積丹半島を巡って、うに丼(どんぶり一面が摂れたてうにだった!)と積丹ブルーのソフト食べて、夜はカラオケ行きました。遠方の友達とも遊べて、楽しかった。はずでした。
でも、寂しくて仕方ありませんでした。列車に乗り込む大勢の高校生たちを見て、「この子たちは勉強の為にこうやって学校に行くのに、良い年した僕は閉じこもって、何やってんだろ・・・」「僕も薬剤師として、貢献できるはずだ。自由になったって、一人ぼっちでは生きていけない。寂しくて何もかも嫌になるんだ。」
美瑛・富良野・襟裳岬~フェリー
美瑛の丘は思い出の有る場所でした。さきの友達が、「美瑛は是非一度行っておけ。美唄じゃないよ!」と紹介してくれて、一人旅してから好きになりました。よく北海道旅行のパンフレットにも紹介されていますよね。
だけどせっかくの美瑛も、ただ道の駅駐車場で寝ているだけでした。もう楽しくない。
折角だから富良野・襟裳岬も行きました。やっぱり楽しくない。
もう鬱のようになっていました。北海道旅行は14日目くらいで、もう切り上げることにしました。車で行動しているけど、帰りはもう運転したくない。だから日本海フェリー(カーフェリー)を使いました。
皆さん、フェリー使用経験はありますか?
北海道への交通手段は飛行機・北海道新幹線が有名ですが、カーフェリーという手もあるんです。カーフェリーは1日1往復しかない・まる1日近くかかる・いい時間帯に出ていないというデメリットがありますが、メリットも沢山あります。
まず、中がとにかく広い!そして奇麗です。食堂・大浴場・売店・カップラーメンコーナー・ジム・テラスまであり、まるで走るホテルのようでした。
次に、乗船時間が長いからそのうち、客同士で友情が生まれてきます。これが面白かったです。失恋したから北海道へきた人、船で演奏会するために乗り込んだ人、色々いましたよ。
【旅行から得たもの】
北海道旅行には詳しくなりました。北海道へ「カーフェリー」という選択肢に気が付きました。これ旅行会社のパンフには載っていないから、気が付きにくいと思います。時間もかかるので、長期旅行向きでもあります。
もう一つ。価値観の変化です。
お金&時間だけじゃ幸せになれない。社会から必要とされたい。仕事してるときは思わなかったけど、働くのは社会に必要とされるからだ。必要の対価が、お金なんだ。もし仕事が嫌になって逃げたくなれば、また逃げればいい。だけどまた同じような寂しさが襲ってくると思う。
家族がどうしても欲しい。子供と手をつないで歩いて、子供の成長を喜んで、子供のために時間を使いたい。
寂しかったら、社会から必要とされなかったら。たとえ大好きな北海道のハイシーズンの夏に、好きなだけ行けても寂しい・自分がイヤになるって事。これに気が付けました。
だから思うのです。
もしまた薬剤師が嫌になっても、この気持ちを思い出そう。
仕事嫌になって辞めたとしても、またこういう寂しい思いをするんだぞって。
・・・はたからみたら時間を持て余すだけの旅行でしょう。実際親兄弟もそう言っていました。でも意味のない旅行ではなかったです。こうやって気が付けたから、いま仕事が嫌になっても気が楽ですし、踏みとどまれもします。
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