世界一のドリンクメーカー、コカ・コーラ(銘柄ティッカー:KO)について。
●株(ファンド)の概要~そもそも何してるところ?
>セクター11分類・細かな業種・ディフェンシブor中間or景気敏感
セクター(業種11分類)でいえば生活必需品にあたります。生活必需品=景気や世界情勢の変動影響を受けにくいディフェンシブ株といえます。
業種もディフェンシブなのに、コカ・コーラ自体が連続増配50年超の会社で安定的です。どんなに不景気でも配当金は増え続けるわけなので、価格下落の影響も軽減されます。
>その売上の内訳は?内訳別の将来性は?
地域別の売上は以下です。
本部はUSAなので北米ですが、世界中で売上ていることが解ります。コカ・コーラを知らない人は居ないんじゃないかというくらい、有名で浸透した存在です。逆に言うともう伸びしろがなく、現状維持が精いっぱいなのではと感じると思います。
今度は地域別ではなく、製品別の売上をみます。
完成品の売上は落ちて、濃縮液での売上が伸びています。いまや売上のメインは濃縮液事業ということになります。
濃縮液=ドリンクサーバーに入ってるアレです。コカ・コーラやミニッツメイドや綾鷹といった飲料のどろどろの濃縮液を入れて、現地で飲む時に水をまぜて提供します。
左側が完成品事業、右側が濃縮液事業のドリンクサーバーです。右側はこの数年で目にする機会増えたのではないでしょうか?実はここが利益率高く、コカ・コーラ社の注力する分野です。逆に「缶やペットボトル入りの完成品は、このまんまでいいや」という戦略です。
※清涼飲料水メーカーは、水に近い程薄利多売で、ドロドロなほど高利益率です。そのためドロドロな濃縮液のまま売るべく、ドリンクサーバーを強化しているわけです。
>主要な個別製品の説明
※引用元:https://d1io3yog0oux5.cloudfront.net/_ff1c77c80a1915c14dd91175f241284d/cocacolacompany/db/706/6349/pdf/IR+Overview+Updated+for+4Q21_3.9.pdf
上から順に「水・スポーツ飲料・コーヒーやお茶」「栄養ドリンク・ジュース」「エネルギー飲料」「新フレーバー」です。
綾鷹・紅茶花伝・ジョージアコーヒー・アクエリアスなどは一番上
コカ・コーラやスプライトやファンタは2つめ
ミニッツメイドの100%ジュース・栄養ドリンクは3つめ
モンスターエナジーなどは上から4つ目にあたります。
コカ・コーラの自販機みればわかる通り、けっしてコカ・コーラだけの会社ではありません。飲料水はなんでも、コカ・コーラ社の自販機ひとつで揃ってしまいます。
(しかし自販機やスーパーの飲料=完成品なので利益率は低く、最近力を入れてない分野でもあります)
> KOを保有する会社の割合
最大株主はバークシャーハサウェイ(BRK B)です。それ以外にもファンド系が上位を占めています。
●株主への還元姿勢
>配当金・一株利益の推移は?
現地源泉税率 | 国別源泉税率 | 税引後受取率 |
米国株 | 10% | 71.72% |
英国株 | 0% | 79.69% |
オーストラリア株 | 0% | 79.69% |
インド株 | 0% | 79.69% |
メキシコ株 | 0% | 79.69% |
カナダ株 | 15% | 67.73% |
ロシア株 | 15% | 67.73% |
アイルランド株 | 20% | 63.75% |
台湾株 | 21% | 62.95% |
デンマーク株 | 27% | 58.17% |
ベルギー株 | 30% | 55.78% |
スイス株 | 35% | 51.80% |
(売り上げ低迷してるのに)意外ですがEPS(Earnigs Per Share=一株利益)は、微増しています。そして配当金は、もちろん連続増配です。凄いのは連続増配50年超でも、タコ配状態になっていない事です。
>株数推移は(自社株買いによる減)
会社全体の利益額はあまり変わっていません(EPSは前述のとおり微増ですが)。それは発行済み株式数(Outstanding)を減らしてくれてるからです。近年ふえてしまいましたが、ちゃんと自社株買いで一株利益をふやしつづけてくれる会社です。
連続増配50年超の会社だけあって、株主に絶対損させないぞという意気込みが伝わってくるようです。
●将来性
>売上成長率は?
売上高(青い棒グラフ)は近年微減です。じゃあマズイじゃん・・・と思いますが、かんじんな利益額(Income)はキープしています。そして利益率(=Income÷Revenue)は30%近くにまで押し上げています。
じつはコカ・コーラ社は売上低下を問題にせず、利益額・利益率を重視しています。そのため高利益の濃縮液事業を強化しているわけです。
リーマンショック・コロナショックの際も、株価の下がり方は平均以下でした。つまりショック耐性が強いです。
その為、利益率でみてみると・・・22%➡28%へと、大変よくなっています。この28%という数字は生活必需品セクターでは珍しいくらいの高水準で、はっきり言って医薬品会社なみです。それなのに売上規模は世界一で、いかに企業体質がよくなり、独自性がだせているのか解ります。こういう会社に投資したいですね。
> 近年のトータルリターンは?(2001~2022年)
まずは近年10年の伸び率。市場平均に負けています(=S&P500指数買った方が儲かっていた)
じゃあ今度は、2000年からの22年間を比較をします。するとコカ・コーラは、市場平均を上回りました。2012年の開始時点ですでに1.5倍くらい差がついています。
IF:10年間、配当金を再投資しなかった(すべて現金のまま)場合
5%ほど損をします。配当金は再投資するべきなんです。(ちなみに・・・配当貴族銘柄はほぼ全てが、損切せず預金せず再投資した場合が圧倒的に高リターンですよ、管理人すべて検証済み)
損切ルールってご存じですか?「株価が20%下落したら損切しろ」という、雑誌とかでよく紹介される格言です。コカ・コーラは20%下落する場面がなかったので損切(株価20%下落した時点でうること)していません。
>財政健全性は?
※一番右下にみえるのが最新版のDEレシオです。
>割安性は?現在の株価は?
●総括(一般生活者の目線で)
現在のPERも20前後と割安です。利益額は変わらず、でも自社株買いで株式数を減らしてくれてるので一株利益はもってるだけでどんどん増えます。それに高配当で3.5%程度の配当利回りは素晴らしいです。さらにコカ・コーラ社のような飲料系会社というのは、自然環境や紛争ともあまり関係ありませんし、不景気だからといって減るものでもありません。
開発費用という面でみると、本当に経費のかからない銘柄です。というのはコカ・コーラは創業以来ほとんどレシピを変えていない(=開発してない)のに売れ続けています。ドリンクサーバーの創作・設置にも開発費はそんなにかかりません。このままでも売れ続けるわけです。
買って放置するにはピッタリの銘柄だと思います。
〇参考にしたサイト
投資可能な証券会社
今から投資開始なら、口座をこう使い分けます
管理人は現在メイン証券は楽天証券です(愛用しています)。が、今から投資スタートするならSBI証券×マネックス証券の2口座使いをします。(ちなみに管理人は3社とも口座所持し、全部に金融商品もっています。SBIはシーゲル理論知る前の状態なのでボロボロですが)
SBI証券
NISA,つみたてNISA枠はSBI証券を使って投資します。
【SBI証券の良いところ】
①S&P500連動の投資信託の管理手数料が、日本最安値。
※SBI・V・S&P500という商品で、年0.0938%は最安値です。
②S&P500を上回る投資信託の管理手数料が、断トツの日本最安値
※SBI・V・米国高配当株式という商品で、年0.12%はダントツの安さです。
マネックス証券
NISA・つみたてNISA以外の部分はこのマネックス証券で投資します。今回のNISA・つみたてNISAの話からは脱線ですね。
【マネックス証券のいいところ】
●米国株の取扱数が、ネット証券最多の4100超え(2021年6月現在)
ARCCなどの超高リターンファンドも購入可能(SBIでは不可)
●ネット証券で唯一可能な「配当金自動再投資:通称DRIP」は長期投資になるほど高リターン。
●ネット証券ではSBI・マネックスしかできない「米国株定額定期買付」。やはり高リターン銘柄を自動で買える。
●投資信託は、保有期間中ずっとマネックスポイント0.03%(ひと月ごと)が付き続ける。100万円もってたら300ポイントが毎月、入り続ける計算。
このマネックス独自プログラムである配当金自動再投資、本当にたかが数%とバカにできない位、長期になればなるほど凄い破壊力があるんです。破壊力の凄さはコチラに詳しく書きました。
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