コロナショック・リーマンショックなどの景気不安でよく言われるのが、「ディフェンシブ株が投資にオススメ。手堅いよ!」などの言われますよね。でもそもそもですが、
ディフェンシブ株、とは何でしょうか?
と聞かれます。
ディフェンシブ株は景気不安でも下落しにくい銘柄です!
ディフェンシブ株の特徴といえば、景気不安でも下落しにくい株の事です。
なぜならディフェンシブ株というのは、「不景気でも買い控え・節約できない銘柄」の事を指すからです。
具体的な例といえば、これらです
具体例②:日用品銘柄(生活必需品セクター)。お金がなくてもシャンプー止める・洗剤節約する、とはならない。
具体例③:食品銘柄(生活必需品セクター)。お金がなくても食費は削れない。
ですので、景気不安でも落ちません。具体的な銘柄つきで、一つ一つ見ていきましょう。
ディフェンシブ銘柄の具体例と落ちない理由
具体例①:医薬品は不景気でも落ちない
医薬品業界は、たとえ不景気でも落ちません。
なぜなら、不景気だからといって止める事ができないからです。アメリカだと安い薬に変えるということはありますが、安い保険に切り替えるということも1年後とかになり、それまでにかなり景気回復していたりするのでダメージが和らいでいます。
具体例として、医薬品業種の2007年度の上位10社(ロシュ除く)。リーマンショックが起きても(点線の市場平均と比べて)ダメージが小さく、さらに回復も早い事が解ります。(そして医薬品株のほうは、これに配当金がプラスされますのでもっと好成績)
医薬品株が不景気に強いのが理屈でもわかると思いますが、実際も(このグラフ)そうでした。
具体例2:日用品銘柄は不景気でも落ちない
日用品銘柄は、たとえ不景気でも売上はあまり落ちません。
なぜなら不景気でお金がなくなっても、洗剤やシャンプーといった日用品は安くしたり節約したりしませんから。その前に旅行控えるとか長距離ドライブやめるとかで、節約するはずです。
実際の例を挙げましょう。生活必需品メーカーの世界ベスト6を挙げています。
この様になります。やはり点線の市場平均と比べて下落が小さいうえ、すぐに回復しています。どの企業も高配当なので、実際は配当金ふくんでもっと伸びています。実際はほとんどの企業が、市場平均の点線を上回っています。
不景気でお金がないから安いシャンプーにしたい、となります。そうすると安いメーカーというのは、決まって上位企業です。大量生産で単価を下げられるから、大手の日用品メーカーが強いのは当たり前なんです。つまり上に挙げた上位の日用品メーカーは、不況でもダメージがありません。
具体例3:食料品銘柄も落ちにくい
食品銘柄も同様です。やはり世界のトップ6を比較しました。
食肉のJBS社のみ、2010年からのデータです。やはりどれも、市場平均より落ち方が小さくて、回復も早いです。
これらは連続増配株で、さらには高配当です。グラフは配当金含まないので実際はもっと伸びています。
やはり上位メーカーは大量生産ができるので単価が安いです。不況で安物にしたいと思ったら、安物は決まって上位メーカーが作っています。だから不況になっても業績は落ちません。
反対例:じゃあ景気敏感株はどうなの?
景気敏感株として、オイルメジャーの比較をしました。
好調な2008年7月からガクッと落ちていて、回復が遅いですよね。落ち幅は市場平均以上なんです。
ディフェンシブ銘柄は、長期リターンもいい銘柄だ
あまり知られていませんが、実はディフェンシブ株は長期リターンも優秀だと解っています。
それは実際、上の4つのグラフみれば一目瞭然ですね。これ僕はなんのバイアスもかけず、データ載せただけですよ!
景気敏感のオイルメジャーは13年間で全く成長していません。対してディフェンシブ株である「医薬品」「日用品」「食品」はどれも、13年間で成長して1を大きく超えています。つまり「不景気時の落ち込みが小さい」だけでなく、「長期保有でも価値が上がる」ということです。
上記はリーマンショック・コロナショックをふくむ13年間のものですが、長期で分析するとこんな感じになります。
セクター | 平均リターン(年%) |
★ヘルスケア | 14.19 |
★生活必需品 | 13.36 |
情報技術 | 11.39 |
△エネルギー | 11.32 |
一般消費財 | 11.09 |
△金融 | 10.58 |
△資本財 | 10.22 |
★電気通信 | 9.63 |
★公共事業 | 9.52 |
△素材 | 8.18 |
業種平均 | 10.85 |
★ディフェンシブ、△景気敏感 です。上位は★ディフェンシブ株となっていますよね。この13年間がたまたま好成績だったのではなく、伸びる運命だったんです。
反論への理解:
不景気の底で、めっちゃ暴落した景気敏感株をつかんだらいいやんと思いますよね。
ですがよく考えてください。どこが景気の底か、正確にわかりますか?それに運よくそこで掴んだところで、それは長期保有で伸びるのですか?長期リターン悪い事、さっきわかりましたよね?おまけに不景気で株価が下がる時、景気敏感は「ガチで業績不振だから下がっている、次の決算でさらにボロボロで下がる可能性がある」のですよ。
ですからディフェンシブ株の様に「他の株につられてついでに下がったが、実は業績がいい」株に投資すべきですよ。
理解するための本
株式口座を開いて、そのまま「食品」「日用品」「医薬品」のランキング上位メーカーを買ってもいいと思います。ですがその前に、経済の本質を勉強しておいてください。
<この本で学べる事>
価格競争すればマーケットリーダーが勝つという事、単価を安くすると自然と大手メーカーが選ばれる理由も書かれています。
いまの経済の本質(インターネット出現でのビジネスモデル変化)が、たいへん解りやすく書かれています。皆さんが当たり前のように「数々の無料アプリ」を使えている理由も解説されています。勿論タイトル通りにコーラを1000円で、喜んで買ってもらう方法も解ります。
<この本で学べる事>
この本ほど沢山のデータを解析して、株の法則をみつけたものはありません。
株の業種(セクター)ごとに伸び方が違うというのも、この博士の解析から解ったことです。ディフェンシブ株というのが、ことごとく伸びが大きい業種で有る事が理論だって説明されています。
配当貴族銘柄(連続増配25年以上)がなぜ、歴史上リターンがよかったのかもわかります。この本にのってる法則をみんな覚えて、それをもとに銘柄を選んでください。安全性を高める資産分散のやり方も、細かく書かれています。
「リターンを高めたい」「安全に増やしたい」と言う方は、この本が強い味方のはずです。
おわりに:
ディフェンシブ株の本質は、少しは解っていただけたでしょうか?
投資家界隈では絶対きく単語ですが、その深い意味は案外知られていません。下落耐性あるだけじゃなく、長期リターンも確実にいい。それがディフェンシブ株なんです。
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