【投資向き】医療業界で投資向きの銘柄は?

投資

地球全体が高齢化➡医療費は上昇傾向➡医療業界は全体的に売上UP

この構図は変わらないと思います。でも医療業界全体が売上UPでも、全銘柄がUPとはいえないです。医療業界でどういうポジションなのか、考えてから投資しましょう。

※数値はすべて2020年5月22日現在のもの、筆者調べ※

【医療業界の中で分類(日本国内)】

調剤薬局➡オススメしない

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
アインHD9627238,6452.315.83%54.94%115.87%7.34%
日本調剤3341205,1921.072.83%25.37%124.69%-6.61%

調剤薬局のベスト1・2です。営業利益率は悪く、世間のイメージとは違う薄利多売の業界だと解ります。これは調剤報酬は2年毎に改訂され、そのたびに調剤薬局はもうけすぎだと思われて減点を繰り返されているからです。同じ調剤をやっていてもどんどん数字が悪くなることは、調剤薬局10年の経験で肌で感じました。

アインHDは買収を繰り返して大きくなっているので、売り上げ増は納得です。

でも日本調剤は売り上げを落としています。「かかりつけ薬局は、日本調剤を」をフレーズに頑張ってみえたのですが・・・。日本調剤は「日調メディカルリソース」「日本ジェネリック」という子会社も持っていて、それらは本体に比べれば好財政のようですね。

卸売業界➡オススメしない

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
メディパルHD74593,181,9000.851.63%30.43%121%3.85%
アルフレッサ27842,640,5000.931.77%35.05%123.59%-1.76%
スズケン99872,132,3000.791.47%37.02%127.90%-0.26%
東邦HD81291,222,1000.631.39%34.41%126.44%-11.73%

利益率が1%台と非常に悪く、調剤薬局業界以上の薄利多売です。全会社が伸びているのではなく、むしろ業界全体で落ちています(医療費は増大しているのに)。

これは業種的に参入障壁が低い(競争が起きている)のが大きい。こういう感じに。

医師
薬剤師

エンブレル1本入り、A社さんは50000円か。B社さんは49000円だったよ。乗り換えようかな?

男性
A社の
営業マン

わ、解りました!もう少し頑張りますので乗り換えないでください!

あとは政府主導で後発品への置き換えやっていますよね?後発品は安い=売上は減る ので、卸の売上も悪化していきます。

そのためどの卸会社も、他業種をもって利益率の改善をはかります。他業種とは「調剤薬局」「後発品の会社」「人材紹介の部門」などですね。

調剤薬局後発品会社
メディパルHDクオール第一三共エスファ
アルフレッサアイランド薬局第一三共エスファ
スズケンミック三和
東邦薬品ファーマクラスター共創未来ファーマ

・・・だったら最初から、後発医薬品の会社を買った方が利益率はいいはずです。僕は卸に数年勤務していましたが、やはり雰囲気は悪かったですね。本社は和気あいあいですが、営業所へ行くとみんな必死そうでした。皆さん高額医薬品をいかにうちのシェアにするか、で気を揉んでいました。

製薬企業:オススメもあります

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
武田薬品工業45023,291,1881.333.05%36.84%113.49%19.53%
小野薬品工業4528292,4202.5326.50%83.52%246.60%21.28%
アステラス製薬45031,300,8432.4818.76%55.61%108.62%0.87%
第一三共4568981,9734.2514.14%62.02%394.26%-4.30%
中外製薬4519686,1848.9830.69%80.65%390.30%26.33%

ベスト3+注目株の小野薬品・中外製薬を加えました。(世界ランキング2019年はコチラを参照)

上記の「調剤薬局」「医薬品卸」にくらべ、随分景気のいい数字がならんでいます。利益率なんで武田以外は10%超えです。中外は100円売れば、31円の儲けになるって事です。この効率の良さは医薬品製造が参入障壁が高いことで、競争が働きにくい為なのです。

ちなみに全て「先発品メーカー」です。後発品メーカーのほうが資金繰りはいいのですが、資金力のなさと「分子標的薬剤に弱い」ということで、伸びしろが少ないと思われ、個人的にオススメしていません。先ほどの卸の「共創未来ファーマ」「三和化学」はもちろん後発品メーカーで、(売上規模の大きい)卸の後ろ盾があるとはいえ、体力的には弱いです。

●オススメ:小野薬品工業
配当利回りは1.58%と低めです(数値はすべて2020年5月22日のもの)。
ですが資金繰りはダントツで良いです。またあのオプジーポ®の開発会社であり、これから医療費増大ペース以上にのびる「分子標的薬剤」「抗がん剤」の分野ですでに成果を出せています。国内メーカーどこも成功していない事なので、有望だと思います。

医療機器メーカー

PBR売上高
営業利益率
自己資本
比率
流動比率5年売上高
変化率
銘柄名コード
ticker
売上
(百万円)
目標
0.5~1.5
目標
10%~
目標
50%~
目標
150%~
目標
プラス
オリンパス7733793,8625.233.56%47.34%158.61%-0.26%
テルモ4543627,8933.8617.59%60.81%217.43%7.06%
ニプロ8086442,5161.355.97%17.89%149.63%-2.75%

先ほどの卸・調剤薬局にくらべると数字はよいです。PBR高い(=割高)なのは期待されている分野だからでしょう。業界全体としては伸びているのですが、医療機器は海外メーカーの攻勢が激しく競争していて、製薬企業ほど儲かっていません。ただし医療機器の開発は薬開発以上に、他領域への参入が難しいです。つまり「オリンパスは内視鏡の機器でもうけている。テルモはカテーテルの会社だけど、真似して内視鏡機器を作ろう」と思っても、カンタンには作れません。つまり参入障壁は、非常に高いのです。

資金繰りよくて利益も上げている、テルモが業界の優等生ですね。

●ちょっとオススメ:テルモ(4543)
心血管領域の機器には強いです。カテーテルや留置ステントはテルモの独壇場です。海外メーカーも入ってこれません。
ただしまだまだ割高なのと、心血管以外は弱い気がします。心血管でどこまで伸びてくれるかですね。

【ほかに気を付けたい事】

日本企業の優先度は 経営陣の給料>会社の売上>株主への還元 

となっています。どういう事かというと、ちょっと業績悪化するとあっさり減配して、でも経営陣の給与・退職金は満額保障だったりするのです。近年でも2020年5月のコロナショック決算後、あっさり減配した商社がいくつもあったかと思います(●紅、〇友商事)。これらは「配当性向は利益の30%」などと政策で決めているからです。

でもそんな日本企業にも例外があって、「累進配当政策」をとる会社ですもしくは長期間減配していない会社。これらは株主還元を重視してくれています。こういう会社を選ぶべきです。先ほど例に挙げた商社の中でも、三菱商事は累進配当政策をとり減配していません。

製薬会社でも、11年間減配してない会社があります。安心ですね。

銘柄銘柄名1011121314151617181920
4507塩野義製薬36404042465262728294103
4536参天製薬1618202020222526262627
4540ツムラ4658606264646464646464

・・・さっきの製薬会社ランキングとは全く別物ですね。すくなくとも10年間、減配していない会社の顔ぶれです。こういう企業なら、今後の配当金も守ってくれる可能性が高いです。ただしツムラは医療用漢方薬販売がメインの会社です。医療用漢方薬は薬価をどんどん切り下げられており、利幅が小さくなってきています。自前農場の夕張ツムラを持つなど、経営多角化を進めていますがそれでも厳しいとおもいます。

【投資先に迷うなら・・・】

だったら個別株はやめましょう。個人的には「アメリカのインデックスファンド」を買うのがオススメです。理由はこのページに記載しました。

個人的なオススメは「野村・全米株式配当貴族」です。楽天証券を開設すれば、年率0.55%の手数料で買えます。

・・・というか僕自身が、投資額の半分をアメリカのインデックスで持っていて、さらには毎年5万円ずつ積み立てております。下手に個別株買うよりも安心だからです。

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