ディフェンシブ株でも高配当は、要注意です!
ディフェンシブ株(不景気でも購買意欲が落ちない株)で、高配当の株は選び方を間違えなければオススメです。
まず、ディフェンシブ株について。ディフェンシブ株とされるのは、以下の業種(★マークで赤太字)ですね。ヘルスケア、生活必需品、電気通信、公共事業、が該当します。
セクター | 平均リターン(年%) | |
★ヘルスケア | Health Care | 14.19 |
★生活必需品 | Consumer Staples | 13.36 |
情報技術 | Information Technology | 11.39 |
△エネルギー | Energy | 11.32 |
△一般消費財 | Consumer Discretionary | 11.09 |
△金融 | Finacials | 10.58 |
資本財 | Industrials | 10.22 |
★電気通信 | Communcation Services | 9.63 |
★公共事業 | Utilities | 9.52 |
△素材 | Materials | 8.18 |
業種平均 | Average | 10.85 |
過去に好成績だった/今後も伸びる可能性大
「ディフェンシブ株」と「高配当」というのは、ともにこれまでの成績がよかったです。ついでに「配当貴族銘柄」となると、それも成績がよくなります。
実績②:高配当株 VS 低配当株 のリターン
実績③:配当貴族 VS それ以外 のリターン
実績を書きます
実績①:ディフェンシブ株 VS 景気敏感株 のリターン
歴史上、ディフェンシブ株は景気敏感株よりもリターンがいいです。
先ほどの業種の例を見てください。ディフェンシブ株である「ヘルスケア」「生活必需品」がワンツーを占めています。これらは市場平均の10.85%を大きくしのぐ成長率です。
また身近な例で考えてみましょう。ディフェンシブ株(の生活必需品・ヘルスケア)のリターンは、景気敏感株を大きく上回っています(別記事リンク)。
ディフェンシブ株は、確かに長期リターンが優秀だとお分かりかと思います。
具体例2:高配当株 VS 低配当・無配当 のリターン
歴史上、高配当株は低配当株よりもリターンがいいです。
ただし、「超」高配当は要注意なんです。具体的にいうと、5%を超えてくるものは要注意です。
それは後ほどの銘柄例グラフを見てください。「超高配当」というのは、リスキーなんです。
具体例3:配当貴族 VS それ以外 のリターン
配当貴族(連続増配25年以上)は、他の銘柄よりもすぐれたリターンをだします。
なぜなら、配当貴族のような企業は記録を途切れさせないべく(もしくは途切れると経営陣クビなので)、必死で利益を上げるからです。
今度は配当貴族と、それ以外とでリターンを比較します。

青=S&P500配当貴族指数(SPDAUDP)
黒=S&P500指数
オレンジ=S&P Japan500 となります。
どうでしょうか?配当貴族銘柄となるだけで、伸び方がよくなります。
配当ふやしつづけたのだから、もう増やす余地はないのでは・・・と考えがちですが、違います。これをどうぞ。

逆に、連続増配し続けた「配当貴族銘柄」が、いちばん配当性向が低い(利益の59%しか配当に回してない、41%も余裕あり)。その理由は、利益率が一番高い23%もあって、本業が儲かっているからです。
このように、配当貴族を狙うのはデータ上かなりオススメできます。
銘柄例(ディフェンシブ×高配当×配当貴族)
「ディフェンシブ株」でかつ「高配当(配当利回り3.75%超え)」かつ「配当貴族」の企業例です。
これだけ厳しく条件付けしても、それでもこんなにありました。コカ・コーラだけは3.70%で申し訳ないですが、次点だったのと(日本人にも)有名な為載せました。
銘柄名 | 配当 利回り | Ticker | Sector(業種) | Industry(詳しい業種) |
Altria Group Inc. | 8.56% | MO | Consumer Staples | Tobacco |
AT&T Inc. | 6.83% | T | Communication Services | Diversified Telecommunication Services |
Universal Corp. | 6.28% | UVV | Consumer Staples | Tobacco |
UGI Corp. | 4.37% | UGI | Utilities | Gas Utilities |
National Fuel Gas | 4.24% | NFG | Utilities | Gas Utilities |
Walgreens Boots Alliance Inc. | 4.23% | WBA | Consumer Staples | Food & Staples Retailing |
Consolidated Edison | 3.88% | ED | Utilities | Multi-Utilities |
Archer Daniels Midland | 3.88% | ADM | Consumer Staples | Food Products |
Coca-Cola Company | 3.70% | KO | Consumer Staples | Bevarages |
上位配当金の銘柄を、リーマンショック前から載せるとこんな感じです。

実は配当金込みでも、市場平均には劣ります。これは高配当であっても、業績不振で元々の株価が下がってしまったためです。
高配当株というのはこの通り、「業績不振で株価暴落して、配当利回りが上昇」している場合があるのです。ですから「配当金ランキングの上から順に買う」のはダメです、リスキーです。
まぁ全て配当貴族銘柄でディフェンシブなので、減配しにくいのですが。
コカ・コーラ(KO)
そんな中でも、この銘柄はオススメできます。連続増配は1962年から続いています。

コカ・コーラの株がはじまって以来を比較すると、ものすごい伸び方です。市場平均が50倍なのに、コカ・コーラは250倍に伸びています。

最近は世界に展開し終えて伸び悩み気味です。でもそれは、売上地域の分散化できている証拠です。配当金をふくむ青リターンは、つねに市場平均を大きく上回ってきました。リーマンショックの時など、市場平均は回復に4年かかるところ、コカ・コーラは半年で元値回復してしまいました。
業種の清涼飲料水(Bevarages)は依存性の高い分野なので、不況でも業績が悪化しません。コロナショックの時は安くなりましたが、実際は業績悪化した気配はありません。
反論への理解
何も業種(Sector)を4つに絞らなくてもいいじゃないか、とよく言われます。確かに4業種でなく11業種とした方が、高配当株はでてきます。しかし景気敏感株を含むと、これらは倒産リスクが高いです(リーマンショック・コロナショックで倒産するのは金融はじめとする景気敏感株でした)。そして長期リターンも良くない場合があります。だから私はオススメしません。
結論:ディフェンシブ×高配当株×配当貴族は強いが要注意
ですので、いかに安全な「ディフェンシブで配当貴族」であっても、高配当を狙ったとたんギャンブル化するんです。まぁ配当金は(配当貴族銘柄なので)保障されたような物なのでいいですが、株価は保障できません。
高配当株を狙うときは、要注意です。
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